2016年10月24日(月)



2016年10月24日(月)日本経済新聞
AT&T、複合メディアに タイムワーナー買収を発表 総額8.8兆円 通信と一体提供
(記事)




2016年10月24日(月)日本経済新聞
米AT&T、タイムワーナー買収 通信とメディア ネット動画が消す境界 広告収入増狙う
(記事)


2016年10月24日(月)日本経済新聞
きょうのことば 通信とメディアの融合
スマホ普及が引き金
(記事)

 


タワーマンション 高層階ほど高税率検討 政府・与党


 政府・与党は、高層マンション(タワーマンション)の固定資産税について、高層階ほど税金が高くなるよう見直す方針を固めた。
高層階ほど販売価格が高いが、固定資産税は階層に関係なく床面積が同じなら同額となっており、不公平との指摘が出ていた。
年末にまとめる2017年度税制改正大綱に盛り込み、18年1月からの施行を目指す。
 マンションの固定資産税は、土地の公示価格や建物の時価などを参考に1棟全体の評価額を算定したうえで、
床面積の割合に応じて各戸の税額を算出している。そのため階層に関係なく床面積が同じなら同じ税額となっている。
だが、実際の販売価格は、眺望が良く人気の集まる高層階の方が低層階より高く、「税額が同じなのは不公平」との指摘が出ていた。
 見直しでは、地方税法を改正し、高層階ほど税負担を重くする方針。マンション1棟全体の税額は変えないため、
高層階の所有者は増税になる一方、低層階の所有者は減税になる見通し。
今後新築される20階建て以上(高さ60メートル以上)のマンションを対象とする方向で検討する。
菅義偉官房長官は24日の記者会見で「課税適正化の観点から実際の取引価格を踏まえた方法を検討している」と述べた。
 タワーマンションを巡っては、高層階の税額が相対的に低いことに目をつけた富裕層が高層階を購入して相続税の節税対策とする
動きが広がっている。
相続税を算出する際に固定資産税の評価額を使うためだ。
 15年1月の相続税増税以降に増え、国税庁は過度な節税の温床になっていると問題視している。
高層階の固定資産税が増税されると、相続税も引き上げられ、節税の抑制につながる可能性もある。

 【ことば】タワーマンション
 一般的に20階建て以上(高さ60メートル以上)のマンションを指す。規制緩和で都市部の容積率が緩和されたことなどを受け、
2000年代以降に首都圏を中心に急増。不動産経済研究所によると、
16年以降に完成が予定されているのは全国で238棟(約9万戸)。
(毎日新聞 2016年10月24日 20時26分(最終更新 10月24日 20時36分))
ttp://mainichi.jp/articles/20161025/k00/00m/020/072000c

 



高層階の課税強化=タワーマンションで検討−政府・与党

 政府・与党は24日までに、タワーマンションの固定資産税額の算出方法を見直す検討に入った。
現在は床面積が同じなら階層にかかわらず各住戸の税額は同じだが、
見直しでは高層階ほど課税を強化する一方、低層階は減税する方向。
年末の2017年度税制改正作業を経て、早ければ18年1月から導入する。
 タワーマンションは、眺望の良さで人気が集まる高層階ほど販売価格が高まる傾向がある。
一方、固定資産税額はマンション全体の評価額を基に床面積に応じて計算されるため、
床面積が同じなら高層階でも低層階でも税額は変わらない。
そのため不公平さを指摘する声が出ていた。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で
「課税適正化の観点から、実際の取引価格を踏まえた固定資産税の案分方法を検討している」と語った。
(時事通信 2016/10/24-16:22)
ttp://www.jiji.com/jc/article?k=2016102400544

 


関連する過去のコメント

2016年10月23日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201609/20161023.html

 


【コメント】
昨日2016年10月23日(日) は、「減価償却期間の中途にある建物(中古物件)を取得した場合の減価償却手続き」について、
減価償却手続きの原理的な側面から考察を行いました。
その考え方を一言で言えば、

>取得原価から「減価償却後の建物の帳簿価額(未償却残高)」から減価償却期間から何から何まで建物に関する全部を、
>買主は売主から承継する、という考え方になります。

となります。
昨日紹介した記事を見て欲しいのですが、昨日紹介した記事について

>記事には、海外投資家による日本の不動産の購入額と売却額を示したグラフが書かれています。

と書きました。
この記事中のグラフは、海外投資家による日本の不動産の購入の合計額と売却の合計額を表しているわけなのです。
すなわち、マクロ経済的な視点から見た不動産の購入額と売却額を表しているわけです。
そうしますと、マクロ経済的な視点から見ますと、建物の売買については「購入額>売却額」という状態になるはずだと思います。
なぜならば、売却時には、減価償却手続きの分、購入時よりも建物の価値は減少しているはずだからです。
すなわち、マクロ経済的な視点から見れば、理論上は金額について「売り越す」という状態は生じない、と言えるわけです。
記事中のグラフで言えば、「買越・売越額」という折れ線グラフがありますが、
この「買越・売越額」という折れ線グラフは、理論上は常にx軸よりも上側で推移することになるわけです。
記事中の折れ線グラフを見ると、2009年以降、7年連続でx軸よりも下側で推移しています(2012年だけわずかにプラスでしょうか)。
2016年に至っては、5950億円もの大幅な「売り越し」の状態になっています。
しかし、理論的には、ある建物の購入金額よりも売却金額の方が大きくなるわけはないのですから、
マクロ経済的な視点から見れば、毎年毎年「買い越し」の状態が常に続く、ということになるはずなのです。
例えば、円安になり、海外投資家による日本の不動産の購入が活発になり、買い越し額が非常に大きくなる、
ということはあり得ますが、
円高になり、海外投資家による日本の不動産の売却が活発になり、売り越し額が非常に大きくなる、
ということはあり得ないのです。
なぜなら、理論上は、どの建物の価値も「購入時>売却時」となるからです。
建物の売買の金額は、原理的に「売り越し」にならない、のです。
ミクロ経済の視点で見ると、すなわち、個々の取引ベースで見ると、「売り越し」になる場合はあり得ます。
例えば、島耕作が万亀会長からマンションをただでもらって一時期住んでいたのだが、
万亀会長が亡くなったので、島耕作は引っ越すことにしてそのマンションは不動産業者に提示された価格で売却した、
という場合、この建物について島耕作は「売り越し」の状態になった、と言えるでしょう。
なぜなら、購入のための現金支出額は0円、売却による現金収入額はある正の金額だからです。
しかし、この記事は商取引という場面ですし、やはり、マクロ経済的な視点から見ますと、常に「買い越し」の状態になるわけです。

 



もしくは、次のような場合も「売り越し」の状態が生じ得ます。
例えば、建物の購入は何年間かも渡ってこれまで経常的に行われてきたのだが、
2016年になって何か国際事情が変化し、これ以上日本での事業は無理だと判断されて、建物の売却が集中した、という場合ですと、
結果的に、統計上は2016年だけは「売り越し」の状態になった、ということは起こり得ると思います。
しかし、経常的にはどのような状態になるのかという意味では、常に「買い越し」の状態になる、と言えるわけです。
実務上はどうなのでしょうか、例えばあるマンションを1億円で買ったのだが数年後には1億1000万円で売れた、
などということは現実にはあるのでしょうか。
マクロ経済的な不動産相場の上昇といったようなことが原因で、
建物を自分が買った時よりも不動産会社が高い価格で買ってくれた、
ということは、マクロ経済的には考えれそうですが、自分がマンションを買う場面を頭に思い浮かべてみますと、
マンションが買った時よりも高い価格で売れる、というのはやはり何かおかしい気がします。
やはり、買った金額よりも安い金額でしか売れない、というのが現実的な感覚ではないでしょうか。
私のこの感覚が正しいなら、やはり、常に「買い越し」の状態になる、と言えると思います。
仮に国が建物の価格を政策的理由により操作したい場合は、「新築の建物の販売価格」を操作することになると思います。
なぜなら、昨日書きましたように、新築の建物が販売された後は、すなわち、一番最初の購入者が新築の建物を取得した後は、
理論的には、その建物の価額は変えられない("immovable")からです。
理論的には、国は中古物件の販売価格は操作できない、ということになるわけです。
実務上は、国は中古物件の販売価格を操作しようと思えば操作できるわけですが、
もしそうしてしまいますと、昨日書きましたように、理論上減価償却手続きと不整合が生じてしまうのです。
「新築の建物の販売価格」は任意に決められますが、一番最初の購入者が新築の建物を取得した後は、
その建物の価額は途端に「rigid」(硬直した、融通が利かない)になるのです。
「rigid」には「硬くて無理に曲げると折れる」というニュアンスがあるようですが、
まさに、一番最初の購入者が取得した後に無理に建物の価額を変えると理論上減価償却手続きと不整合を生じるのです。
不動産相場の上昇云々の話は、新築物件についてであれば起こり得る話であろうと思います。
しかし、その場合であっても、やはり建物の売買の金額は常に「買い越し」の状態になるのです。
昨日紹介した2016年10月22日(土)の記事とグラフは、間違っているのかもしれません。
最後になりましたが、今日はタワーマンションに関する記事を2つ紹介しました。
これは、「固定資産税」の一種の”累進課税”(高層階ほど増税、低層階ほど減税)についての税制改正であると言えるでしょう。
「タワーマンションは高層階の方が低層階よりも、固定資産税と相続税について節税効果が高い」という問題は
実は何十年も前からあったようです(昔は中低層のマンションしか税制上想定されていなかったということでしょう)。
眺望の良さなどで実際の販売価格は非常に大きく異なるにも関わらず、マンションの固定資産税は、現在の税制では、
まず1棟全体で価値を評価して税額を算出し、フロアに関係なく、各部屋の床面積に応じて税額を割り振っている、とのことです。
確かに、この算定方法では、そもそも「資産価値」に基づいて固定資産税を課していない、と言わねばならないでしょう。
簡単に言えば、販売価格が資産価値のはずです。
現在の税制(固定資産税の算出方法)が理論的に完全に間違っているのですから、これは全く正しい改正であると思います。
また、現行の制度上、相続税を算出する際に固定資産税の評価額を使う(すなわち、両税で「課税標準」が同じ)関係上、
”高層階の固定資産税が増税されると、結果、相続税も引き上げられる”ということになります(これはこれで理屈に合っています)。