2016年9月29日(木)
2016年9月28日
株式会社夢真ホールディングス
日本サード・パーティー株式会社株式(証券コード2488)に対する公開買付けの開始及び同社との資本業務提携に関するお知らせ
ttp://www.yumeshin.co.jp/ir/pdf/ir20160928.pdf
2016年9月28日
日本サード・パーティー株式会社
株式会社夢真ホールディングスによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明及び
夢真グループとの資本業務提携契約の締結のお知らせ
ttps://www.jtp.co.jp/wdp/wp-content/uploads/2016/09/2811ca28a768408bcc997d1b523cf334.pdf
「日本サード・パーティー株式会社株式のここ1ヶ月間の値動き」
「日本サード・パーティー株式会社株式(証券コード2488)に対する公開買付けの開始及び同社との資本業務提携に関するお知らせ」
1.
買付け等の目的
(5) 本公開買付け成立後の株券等の追加取得の予定
(11/21ページ)
>当社は、現時点で対象者株式を追加で取得する予定はありません。
随分あっさりとしていますが、不成立の場合は対象者株式を追加で取得する予定はない、とはっきり書かれています。
仮に現在実施している公開買付が成立しなかったならば、株式会社夢真ホールディングスとしては、
日本サード・パーティー株式会社を連結子会社化又は持分法適用関連会社化することは諦め、
日本サード・パーティー株式会社とは業務提携のみを行っていこうと考えているとのことです。
プレスリリースには、「本公開買付けが不成立であった場合の取扱い」として、
プレスリリースに詳述されている日本サード・パーティー株式会社ととの業務提携は、公開買付の成立を条件とはしておらず、
公開買付が不成立であった場合でも実施することとそております、
と記載されています(11/21ページ)。
以上見ましたように、株式会社夢真ホールディングスとしては、残念ながら公開買付に十分な応募がなかった場合は、
日本サード・パーティー株式会社株式の追加取得はしない、という方針を持っているわけです。
では、この事例を題材にして、少しだけ公開買付の条件を変えて、一般論として公開買付とは何かについて考えてみましょう。
仮に、このたびの公開買付において、下限が設定されていないとしましょう。
つまり、公開買付者は、33.33%以上の株式は取得したいと考えているものの、買付の条件として下限は設定していないとしましょう。
また、設例ということで、金融商品取引法上、買付期間中、公開買付の条件は一切変更できない定めとなっているとしましょう。
このような条件の時、公開買付に例えば20%だけ応募があったとしましょう。
下限は設定していませんから、この応募数でも公開買付としては成立です。
したがって、公開買付者は応募があった株式の全てを決済しなければならないわけです。
ところが、公開買付者としては、33.33%以上の株式を取得することがそもそもの目的であるわけですから、
株式の追加取得を行っていきたいわけです。
ここで、現行の金融商品取引法上は、3分の1超の株式を取得する場合は、市場内取引以外では、
公開買付により取得をしていかねばならないと定められています。
したがって、公開買付者は、株式の追加取得のため、2回目の公開買付を実施することになります。
ではここで問題です。
2回目の公開買付の買付価格はいくらでなければならないでしょうか?
答えは、「2回目の公開買付の買付価格は1回目の公開買付の買付価格よりも高い価格に設定する必要がある。」となります。
2回目の公開買付において、1回目の公開買付の買付価格と同じ買付価格を設定しても、もはや誰も応募はしないわけですから、
2回目の公開買付の買付価格を1回目の公開買付の買付価格よりも高い価格に設定するのは当たり前であるわけです。
しかし、そうしますと、1回目の公開買付に応募した株主は、相対的に少ない売却代金しか受け取れない、ということになります。
2回目の公開買付を1回目の公開買付の終了直後に開始する場合などですと、
1回目の公開買付に応募した株主の立場からすると、それなら1回目の公開買付に応募しなければ良かった、と言いたくなると思います。
この辺り、買付価格に差異があるのは投資家保護の観点から見て問題があるのではないか、という意見もあるかもしれません。
しかし、金融商品取引法上は、1回目の公開買付と2回目の公開買付は関係がないという解釈になると思います。
1つの公開買付において(公開買付開始公告から公開買付報告書の提出まで)手続きには法的に問題がなかったかどうかについて
金融商品取引法は定めを置いているのであって、1回目の公開買付と2回目の公開買付とを俯瞰するような定めはないわけです。
概念的には・大きな視点から見ると、買付価格が異なると投資家保護の観点から望ましくない部分もないわけではないと私も思います。
しかし、公開買付者にとっても投資家にとっても、2回目の公開買付が実施されるという保証は事前にはどこにもないわけです。
1回目の公開買付の終了日になって初めて、2回目の公開買付の可能性が公開買付者・投資家双方にとって出てくるというだけなのです。
つまり、「2回目の公開買付」から物事を見ると、投資家保護の観点に反しているかのように見えるだけなのです。
「2回目の公開買付」を行うことを前提に1回目の公開買付を実施する公開買付者はいないのです。
経済的にも、「2回目の公開買付」を行うことは公開買付者の利益には全くならないわけです(金銭的負担が増えるだけ)。
株式投資の際、株式購入後株価が上がるとは分からないことは是であるように、買付価格も上がるとは分からないこととは是なのです。
Naturally, the second tender offer price doesn't have to be the same as the first one.
当然のことながら、2回目の公開買付の買付価格は1回目の公開買付の買付価格と同じである必要はありません。