2016年9月2日(金)
2016年9月2日(金)日本経済新聞
ノバレーゼを買収 投資ファンド ポラリスがTOB
(記事)
2016年9月2日(金)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
NAPホールディングス株式会社
(記事)
H28.09.02 10:16
公開買付届出書
NAPホールディングス株式会社
(EDINETと同じPDFファイル)
H28.09.02 10:54
意見表明報告書
株式会社ノバレーゼ
(EDINETと同じPDFファイル)
2016年9月1日
株式会社ノバレーゼ
NAPホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://www.novarese.co.jp/corp/ir/data/item/2016/09/20160901.1.pdf
(ウェブサイト上と同じPDFファイル)
2016年9月1日
株式会社ノバレーゼ
平成28年度12月期配当予想の修正及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ
ttp://www.novarese.co.jp/corp/ir/data/item/2016/09/20160901.2.pdf
(ウェブサイト上と同じPDFファイル)
2016年9月1日
株式会社ノバレーゼ
NAPホールディングス株式会社による株式会社ノバレーゼ株式(証券コード2128)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttp://www.novarese.co.jp/corp/ir/data/item/2016/09/20160901.3.pdf
(ウェブサイト上と同じPDFファイル)
2016年9月1日
株式会社ノバレーゼ
NAPホールディングス株式会社による株式会社ノバレーゼ株式の公開買付・応募事務手続きのご案内
ttp://www.novarese.co.jp/corp/ir/data/item/2016/09/20160901-4.pdf
(ウェブサイト上と同じPDFファイル)
2016年9月1日
株式会社ノバレーゼ
【野村ネット&コール】公開買付け応募事務手続きのご案内
ttp://www.novarese.co.jp/corp/ir/data/item/2016/09/20160901.5.pdf
(ウェブサイト上と同じPDFファイル)
【コメント】
2016年8月27日(土)、2016年8月28日(日)、2016年8月29日(月)に、株式会社さが美株式に対する公開買付について
コメントを書いたわけですが、その事例では、株式会社さが美株式は公開買付後も上場が維持される計画となっていました。
今日の株式会社ノバレーゼ株式に対する公開買付では、株式会社ノバレーゼ株式は公開買付後は上場が廃止される計画となっています。
公開買付後に上場が維持されるのか上場は廃止されるのかでは、投資家にとっては株式の取り扱いが完全に異なってしまいます。
当然、公開買付が株価に与える影響も両者では大きく異なることになります。
公開買付が株価に与える影響について、少しだけ見てみましょう。
「○公開買付後も上場は維持される場合の買付期間中の値動き」(株式会社さが美株式の値動き)
「○公開買付後は上場廃止(完全子会社化)が計画されている場合の値動き」(株式会社ノバレーゼ株式の値動き)
株式会社ノバレーゼ株式に対する公開買付は、昨日2016年9月1日(木)の夕方に発表されたばかりですので、
株式会社ノバレーゼ株式の値動きは本日2016年9月2日(金)の分しかありません。
また、2016年9月1日(木)の終値は792円であったわけですが、株価が買付価格にさや寄せする結果、
今日はストップ高のまま取引が終了したようです(本日の終値としては「942円」であったようです)。
ですので、このチャート図(値動きの様子)にはストップ高の状態が示されているだけであり、
公開買付そのものの株価への影響が示されているわけではありません(もちろん、買い注文が殺到している理由は公開買付ですが)。
株式会社ノバレーゼ株式の値動きについては、もう少し時間をかけて見てみなければならないと思います。
株式会社さが美株式の値動きは、この場合の公開買付は株価へは影響を与えていないことを示していると思います。
ところで、このたびの株式会社ノバレーゼ株式に対する公開買付の買付価格は「1,944円」とのことです。
2016年9月1日(木)の終値は「792円」であったわけですが、プレミアムは直近の終値に対し145%となっています。
他の言い方をすれば、買付価格は直近の終値の2.45倍です。
公開買付者は、直近の株価水準よりも著しく高い価格で株式会社ノバレーゼ株式を買う、と言っているわけです。
公開買付者には公開買付者なりの経営戦略があって、このような買付価格を設定しているのだろうと思いますので、
買付価格については特に言うことはありません。
ただ、ここでふと私が思ったのは、このような著しく高いプレミアムが付けられた買付価格による公開買付後も、
株式会社ノバレーゼ株式の上場は維持される計画となっている場合は、値動きはどのようになるのだろうか、と思いました。
単純に考えると、買付期間中は株価は買付価格にさや寄せし、
買付価格が終わると同時に株価は少なくともさや寄せの状態ではなくなる、という値動きになるのだろうと想像はできます。
ひょっとすると、過去の複数の事例においても、そのような値動きだったのではないだろうか、と思います。
ただ、仮に私が株式会社ノバレーゼの株主であると想定してみますと、そのような公開買付が実施されるとなりますと、
私であれば買付期間中に市場で株式会社ノバレーゼ株式を売却することはしません。
なぜならば、売却益を得たいならば公開買付に応募する方が利益額が大きいからです。
市場の投資家も、買付価格以上の価格では株式会社ノバレーゼ株式を買わないでしょう。
また、株式会社ノバレーゼは株主優待制度が非常に充実しています。
株主優待を目的に、株式会社ノバレーゼ株式を買う株主もいることでしょう。
そうしますと、たとえこのたびの買付価格が著しく高いとしても、公開買付後も株式会社ノバレーゼの株主のままでいよう、
と考える株主はいるわけです。
その場合は、その株主は、すなわち、売却益を得たいとは考えない株主は、
やはり買付期間中に市場で株式会社ノバレーゼ株式を売却することはしないわけです。
そうしますと、両方の話をまとめますと、
売却益を得たいと考える株主は買付期間中に市場で株式会社ノバレーゼ株式を売却することはしませんし、
売却益を得たいと考えない株主も買付期間中に市場で株式会社ノバレーゼ株式を売却することはしない、
ということになるわけです。
そうなりますと、どの株主も買付期間中に市場で株式会社ノバレーゼ株式を売却することはしない、ということになりますので、
買付期間中は株式市場に売り注文が出されることがない、ということになる気がします。
株式市場に売り注文が出されないとなりますと、市場において株式の売買が成立しないわけですから、
買付期間中は対象会社株式の売買は結果としてなされない、というようなことが言えるのかもしれないな、と思いました。
細かいことを言い出すと、ある株主は公開買付の決済日以前に資金が必要になったので買付期間中に急遽市場で株式を売ることにした、
といったことや、ある株主は様々な要因から公開買付は結局成立しないのではないかと予想したので、
公開買付とは無関係に市場で株式を売ることにした、といったことが起こることは考えられます。
ただ、そういったやや現実的なことを度外視し、公開買付が成立する可能性は非常に高い場合などを考えますと、
理詰めで考えると、買付期間中は対象会社株式の売買は市場でなされない、という結論が導き出されるように思いました。
この結論は、「公開買付後も株式の上場は維持される場合かつ買付価格には直近の株価水準に対しプレミアムが付いている場合」、
ということになります。
また、「公開買付後は株式は上場廃止の場合かつ買付価格は直近の株価水準に対しディスカウントとなっている場合」は、
今度は株式の買い手が現れない(市場において買い注文が出されない)ということになり、
やはりこの場合も、買付期間中は対象会社株式の売買は市場でなされない、という結論になるように思います。
公開買付の成立可能性なども言い出すと、非常に多くの設例が考えられるとは思いますが、
公開買付は成立することを前提として考えますと、以上の結論になると思いました。
”公開買付期間中は株価は買付価格に張り付く”とよく言われますが、理詰めで考えてみると、
実はそうなる場面・状況・要因はあまりないのかもしれないな、と思いました。