2016年8月20日(土)



2016年8月20日(土)日本経済新聞
日水54年ぶり公募増資 最大167億円 工場建設に充当
(記事)




2016年8月19日
日本水産株式会社
新株式発行及び株式の売出しに関するお知らせ
ttp://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06310/0f6f9a6d/7adc/49a4/b087/255c1039f1c5/140120160819478805.pdf

 


2016年6月28日
日本水産株式会社
第101期(平成27年度)有価証券報告書
ttp://www.nissui.co.jp/ir/download/yuho/20160628_yuho.pdf

 


「新株式発行及び株式の売出しに関するお知らせ」
5.その他
(3)過去3年間に行われたエクイティ・ファイナンスの状況等
@ エクイティ・ファイナンスの状況
(9/9ページ)

>該当事項はありません。

 

 

「第101期(平成27年度)有価証券報告書」
第一部 【企業情報】
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】

(1) 【株式の総数等】
@ 【株式の総数】
A 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
(4) 【ライツプランの内容】
(5) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(33/122ページ)


(8) 【議決権の状況】
@ 【発行済株式】
A 【自己株式等】
(9) 【ストックオプション制度の内容】
(35/122ページ)

 


【コメント】
日本水産株式会社は、実に54年ぶりに公募増資を行う計画であるようです。
記事によりますと、前回公募増資を行ったのは、1962年と書かれています。
記事には、日本水産株式会社が考えている公募増資を行う目的の1つとして、

>個人投資家を中心とした株主の層も広げたい。

と書かれています。
募集方式は「公募による新株式発行(一般募集)」ということで、個人投資家を主な引受先とすることを考えているようです。
54年前に日本水産株式会社の公募増資を引き受けた個人投資家は、
今ではもうその時に買った日本水産株式を売ってしまったか本人が亡くなったかしてしまっているのではないかと思います。
そこで、個人投資家になったつもりで、記事とプレスリリースに加え、日本水産株式会社の有価証券報告書を見てみました。
有価証券報告書全体(PDFファイル)を、「増資」、「新株式」、「公募」、「第三者割当」というキーワードで検索してみましたが、
これらのキーワードでは1件もヒットしませんでした。
日本水産株式会社は、「増資」、「新株式」、「公募」、「第三者割当」というキーワードとは縁遠い会社なのだろう、
ということが分かります。
記事を読みますと、54年ぶりの公募増資ということなのですが、1つ気になったのは、
日本水産株式会社は54年間一度も新株式の発行は行ってはおらず、また、54年間一度も資本金の増加は行ってはいない、
ということなのだろうか、という点です。
例えば、前回の公募増資は1962年であったとのことですが、
日本水産株式会社の現在の資本金の金額は237億円、資本準備金の金額は60億円です。
1962年の資本調達額がいくらであったのかは分かりませんが、1962年以来一度も資本調達を行っていないのだとすると、
逆から言えば、1962年の時点で日本水産株式会社は合計297億円の資本を調達できた、ということになります。
日本水産株式会社は、元々は昭和18年3月に「日本海洋漁業統制株式会社」として設立されたがはじまりであったようです。
昭和18年3月の「日本海洋漁業統制株式会社」資本金額(設立当初)がいくらだったのかは分かりませんが、
その後、物価水準がどんどん上昇していったかと思いますので、事業を拡大させようと思いますと、
事業が順調に推移していても、物価水準との関係から、当初の資本金では会社の資金が足りなくなるわけです。
物価水準の上昇に合わせ、会社の資本金額も自動的に増加するというわけではないからです。
当然、1962年の物価水準と比較しても、現在の物価水準の方がはるかに高いのは間違いないわけです。
必要な資金は内部留保や負債で賄う、という方法もあるかとは思いますが、物価水準が上昇するという場面では、
内部留保では資金が需要に追いつかない(物価上昇時、資金を負債で賄っていくと、必然的に自己資本比率が逓減していく)ため、
事業運営上増資を迫られるという場面が多いのではないだろうか、と思い、その辺りのことを知りたいと思ったわけです。
有価証券報告書の中から関連がある箇所をざっと見る限り、会社法制度上比較的最近になってのことであろうと思いますが、
日本水産株式会社は自己株式の取得はしたことがあるようです。
しかし、1962年以降の増資(新株式の発行)の状況というのは分かりませんでした(特段の記載はないようです)。
1962年以降になって、日本水産株式会社は公募増資ではなく実は第三者割当増資を行ったことはあっのではないか、
とは疑ったのですが、有価証券報告書を読む限り、これ以上のことは分かりませんでした。

 


As far as natural person shareholders, among all shareholders who bought Nissui shares 54 years ago,
few probably have held the shares even now.

自然人の株主に関して言えば、54年前に日本水産株式を購入した全ての株主の中で、
今でもその株式を所有している株主はほとんどいないでしょう。

 


Equity financing after a 54 years' interval.

54年ぶりのエクイティ・ファイナンス

 


Does this article mean
that neither the amount of a capital nor the number of shares issued of Nissui has increased at all for 54 years?

この記事は、日本水産の資本金額も発行済株式総数も54年間一切増加していない、という意味ですか?

 

The Comprehensive Report discloses that Nussui has acquired some its treasury shares up to this day anyway.

有価証券報告書には、日本水産はこれまでにとにかく自己株式の取得をしたことがある、ということが開示されています。