2016年4月16日(土)
2016年4月16日(土)日本経済新聞 大機小機
取締役会と秘密投票
(記事)
【コメント】
物事の議論や採決というのはどのように行うべきなのだろうかと思いました。
記事には、
>政治の世界では、投票の秘密が守られない選挙は民主的とは言わない。
>民主国家においては議員の選挙は秘密投票だ
と書かれています。
私には政治のことは分からないわけでが、
一般論としては、議論や採決というのは何に関してであれ、意見の表明者は常に明確でなければならない、
というのは当たり前のことであろうと思います。
選挙の世界で言えば、「記名投票」が実は大原則であると考えなければならないわけです。
無記名投票で決めるとされている政治・選挙の世界の常識は、実は根本的に間違っているわけです。
一般論としては、誰がどのような意見を言ったや誰がどのような投票を行ったを知られたくないのであれば、
人は「棄権」をするしかないわけです。
特に意見は表明しないや投票はしないというのも場面によっては1つの意思表示であると言えると思いますが、
結局のところ、意思表示というのはその意思表示を行う人と1セットなのではないかと思います。
ここにある意見があるのだが誰の意見かは分からない、では全く意味がないわけです。
これは何と言いますか、上手く言えませんが、当たり前のことであろうと思います。
法律行為を行うのは「人」なのです。
アメリカでは、猿に著作権はないという判決が今年1月に出たそうですが、猿に著作権がないのは当たり前でしょう。
なぜなら、猿は権利の主体(法律上の主体)になれないからです。
一方で、意見を表明したり投票をするというのは、一種の法律上の行為であるわけです。
「票を投じる」という行動は、実は1つ1つが法律行為です。
ある法律行為が行われたのだが、その法律行為の主体の名称は不明である、というのは意味を成さないわけです。
日常生活においても、どんな些細な事であれ、何かをすると、「名前を書いて下さい。」と言われるかと思います。
それは結局、その行為を行った人物にその責任を負わせるという意味が含まれているわけです。
政治の世界では、”無責任政治”と言ったりしますが、何のことはなく、議員を選出する時点で実は国民は無責任に選出している、
と言わねばならないのではないでしょうか。
無記名投票とは無責任投票という意味です。
大臣が不祥事を起こす度に、総理大臣が「任命責任についてどう思われますか。任命権者はあなたでしょう。」と詰問されている
場面がありますが、では議員が不祥事を起こした時、
国民は「任命責任についてどう思われますか。任命権者はあなたでしょう。」と詰問されるでしょうか。
議員の任命権者は国民のはずですが。
「政治家はけしからん」という前に、国民はその政治家を任命した責任を問われなければならないのです。
結局、誰が誰に投票したか分からないという状態は無責任な状態を作り出してしまうことになるわけです。
ですので、極端なことを言えば、誰が表明したか分からない意見というのはその時点で無効であると考えなければならないわけです。
そうでなければ、それこそ勝手にこの意見は誰某の意見だと決め付けられ利用されてしまう恐れがあるわけです。
その意味では、無記名投票は全て無効である、と考えなければならないでしょう。
相手方(表明者)への確認を取るという意味でも、
表明された意見・投じられた票への記名は必須であると言わねばならないでしょう。
議事録を取る場合でも、発言者は常に明記されているかと思います。
発言者名がない議事録は怪文書か何かでしょう。
また、発言者と共に会議中の議事録は取るが、最後の投票だけは無記名投票、というのも意味はないわけです。
「発言はしたいが私の名前は議事録には載せないでくれ」、と聞くと明らかにおかしいように、
「投票はしたいが投じた票に私の名前は記入したくない」という現代の無名投票の原則は、明らかにおかしいわけです。
「棄権」は場合によっては認められてよいと思います。
しかし、「記名しない」はいかなる場合も認められないのです。
「棄権」の場合も、「私は棄権しました。」と記名しなければならないのです。
It is true that being obedient is very important, but meditating even a
while is also very important.
素直であることはもちろん非常に重要ですが、しばらくの間でもいいので考えてみることもまた非常に重要です。
A man of power probably prefers not holding an election from the
beginning
to retaliating against an elector for his unpleasant voting after
all the way holding an election.
Even the most powerful man will never want
to bother to cope with troubles.
権力者は、わざわざ選挙を行った後で意に沿わない投票を行ったことに対して有権者に報復をするくらいなら、
はじめから選挙を行わない方を選ぶでしょう。
最も権力のある権力者であっても、わざわざトラブルに対処したいとは思わないものです。