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2016年3月1日(火)


2016年3月1日(火)日本経済新聞 公告
債務引受に係るお知らせ
中日本高速道路株式会社第40回ないし第50回社債の債権者各位
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
中日本高速道路株式会社
(記事)


2016年2月16日(火)日本経済新聞 公告
資本金の額の減少公告
株式会社スタイリングライフ・ホールディングス
準備金の額の減少公告
タツモ株式会社
投資主総会開催公告
コンフォリア・レジデンシャル投資法人
資本金及び準備金の額の減少公告
日本アジア・アセット・マネジメント株式会社
(記事)


2016年2月16日(火)日本経済新聞 公告
吸収分割公告
関電不動産株式会社
合併公告
関電不動産株式会社
吸収分割公告
MIDファシリティマネジメント株式会社
合併公告
MIDファシリティマネジメント株式会社
関電ビルマネジメント株式会社
(記事)


 



今日は、主に次の3つの記事を題材にして、コメントを書きたいと思います。

 

2015年5月30日(土)日本経済新聞
GE日本法人の融資債権 新生銀、650億円分取得
(記事)

2015年6月10日(水)日本経済新聞
車ローンを証券化 上海GM子会社、730億円調達
(記事)

2015年12月31日(木)日本経済新聞
大和証券を提訴 リーマン破綻時の取引巡り 清算法人
(記事)

 

Non-recourse. (非遡及型)

 

Securitization. (証券化)

 

Until which date is a company able to act legal conduct
when the company is on the point of entering into a liquidation procedure?

会社がまさに清算手続きに入ろうとしている時、会社は一体いつまで法律行為を行うことができるのですか?

 



会社清算や事業再生について考えていましたら、
大和ハウス・レジデンシャル投資法人のサイトに参考になるプレスリリースがたくさんありました。
大和ハウス・レジデンシャル投資法人を紹介しながら、コメントを書いていきたいと思います。
大和ハウス・レジデンシャル投資法人は、現在「再生債務」と呼ばれる債務を負っています。
大和ハウス・レジデンシャル投資法人は、民事再生手続きを経た法人と合併を行ったことから、
その法人が負っていた債務のことを、従来から自分自身が負っていた債務とは区分し、特に「再生債務」と呼んでいるようです。
大和ハウス・レジデンシャル投資法人は、当然のことながら、「再生債務」も各期日に弁済を進めて行っているわけです。

 

2015年1月23日
大和ハウス・レジデンシャル投資法人
資金の借入れ及び再生債務の返済に関するお知らせ
ttp://www.daiwahouse-resi-reit.co.jp/file/20150123_153443UHcR.pdf

2. 本件返済の内容
(2/3ページ)


The purpose of a new borrowing is to repay rehabilitation debts.
Rehabilitation debts means debts which an already-extinguished rehabilitation debtor had formerly owed.

新たな資金の借入れの目的は、再生債務の返済です。
再生債務とは、既に消滅した再生債務者がかつて負っていた債務のことです。

 


ビ・ライフ投資法人が負っている再生債務についてですが、
ビ・ライフ投資法人は、ニューシティ・レジデンス投資法人から債務を承継しました。
その再生債務の適用利率についても、金融機関と交渉を行っているようです。

 

2011年5月30日
ビ・ライフ投資法人
再生債務の適用利率決定に関するお知らせ
ttp://www.daiwahouse-resi-reit.co.jp/file/20110530_160502H396.pdf

1. 再生債務の内容
(1~2/2ページ)


Some rehabilitation debts are succeeded and others aren't.

承継される再生債務もあれば、承継されない再生債務もある。

 


最初に(2015年5月30日(土)付けの日本経済新聞の記事)、新生銀行がGE日本法人から融資債権(不動産ローン債権)を取得した、
という記事を紹介しました。
この取引は簡単に言うと、新生銀行が新生銀行がGE日本法人から貸付金を譲り受けた、ということです。
このことを借入人の立場から見ると、例えば次のようなプレスリリースの状態になります。


2011年3月31日
ビ・ライフ投資法人
借入金等に関するお知らせ(債権譲渡に伴う債権者の異動)
ttp://www.daiwahouse-resi-reit.co.jp/file/20110331_153610Fhsc.pdf

1.譲渡の内容
2.異動の理由
(1/2ページ)



借入金が譲渡されると、借入人からすると貸付人が変更になるわけです。
再生債務の承継は借入人が変更になりますが、貸付債権の譲渡では貸付人が変更になります。
また、再生債務の承継では、元本金額や利率や返済期日の変更が通常行われますが、
貸付債権の譲渡では、通常は、特段の条件変更は行われません。
その理由については、1つの理論的説明としては、債権が譲渡されても債務者の弁済能力は同じなままだからだ、
という説明付けになるのではないかと思います。
債権譲渡では債権者が変わっただけなのだから、債務者がより厳しい条件への変更に同意するということはあり得ないわけです。
では、債権譲渡に伴い、債務者に有利な方向へ債権債務関係の条件が変更になることはあるでしょうか。
それは考えられます。
例えば、債務者が負っている債務を債務者の親会社が従来の債権者から譲り受ける場合です。
この場合であれば、債権譲渡後、無利息に変更したり、返済期日を延長したり、という条件変更が行われることがあります。
いずれにせよ、債権の譲渡は債権債務関係の条件変更を伴うものでは決してありません。

 

Concerning a borrowing, a transfer of a receivable means the change of a lender.

借入金に関して言えば、債権譲渡が行われるとは貸付人が異動するという意味です。

 



次のようなプレスリリースもありました。


2010年12月24日
ビ・ライフ投資法人
再生債務(投資法人債)の一部買入消却並びに再生債務(その他)の債権買取に関するお知らせ
ttp://www.daiwahouse-resi-reit.co.jp/file/20101224_131750vD90.pdf

3.本件債権買取の内容
(2/2ページ)



ビ・ライフ投資法人は、承継した再生債務(その他)の債権買取を行う、という内容になります。
ただ、1つ気になるのは、

>買取実行と同時に混同により債権は消滅します。

と書かれている点です。
「混同」と書かれていますが、これは間違いではないかと思います。
ビ・ライフ投資法人は、再生債務(その他)を旧債務者から承継しています。
したがって、旧債務者の債務(再生債務)は、呼び名はどうあれ、現在では法律上は「ビ・ライフ投資法人の債務」です。
旧債務者の債務(再生債務)は条件次第ではビ・ライフ投資法人は弁済しなくてよい、などという話はないわけです。
そうしますと、このプレスリリースでビ・ライフ投資法人が債権者から買い取ると言っている債権とは、
自分自身が負っている債務そのものであるわけです。
そのような行為は、まさに「債務の弁済」であって、”債権の買取”とは言わないでしょう。
プレスリリースで言っている再生債務は、まさに「弁済」(債務者が債務の目的である給付内容を実現する行為)
という行為により消滅するのであって、混同により消滅するのではありません。
民法上定義される「混同」(物権混同と債権混同のどちらの混同も)という状態は、私の理解では、
自然人の場合は相続が行われた時のみ、法人の場合は合併が行われた時のみ、生じ得ることだと思います。
漠然とした言い方になりますが、”包括的に権利が承継された結果、混同という状態が生じ得る。”というふうに私は思います。
物権にせよ債権にせよ、個別に譲渡なり承継なりがなされた場合というのは、混同が生じたのではなく、
法理的に従来の債権債務関係が果たせない状態になった、というふうに取引を整理するべきなのだと思います。
敢えて言うならば、それは混同ではなく、従来の契約の解除、ということではないでしょうか。


Confusion on law happens only when inheritance and a merger.

法律上の混同が生じるのは、相続と合併の時だけです。

 



ビ・ライフ投資法人が、民事再生手続きを行ってきたニューシティ・レジデンス投資法人と合併を行った時のプレスリリースです。


2010年4月1日
ビ・ライフ投資法人
ニューシティ・レジデンス投資法人との合併成立に関するお知らせ
ttp://www.daiwahouse-resi-reit.co.jp/file/20100401_1816155gr9.pdf


2010年5月28日
ビ・ライフ投資法人
再生債務及び別除権付再生債務の適用利率決定に関するお知らせ
ttp://www.daiwahouse-resi-reit.co.jp/file/20100528_154837ZXfS.pdf


合併の効力発生日と再生債務に適用される利率の変更日がズレているということは、
承継した再生債務については、承継時点ではニューシティ・レジデンス投資法人が負っていた利率のままだったのだが、
合併後金融機関と交渉を行い、再生債務については新しい利率を適用することになった、ということなのかもしれません。
ただ、本来なら、民事再生手続きの中で、新しい利率を適用するようにするべきなのではないか、と思います。
つまり、合併時点で、再生債務には新しい利率が適用されていなければならないように思います。
このことは、再生手法(どのような手法で「事業」の再生を行っていくか)とも関連がある論点になります。
「ニューシティ・レジデンス投資法人との合併成立に関するお知らせ」には以下のようなことが書かれています。


3. その他
(2/2ページ)

>NCRは、平成21年10月14日に民事再生手続開始決定を受け、平成21年11月9日付再生計画案(平成22年1月5日に認可確定)
>に基づき再生計画を遂行してきましたが、平成22年3月30日付で東京地方裁判所から再生手続を終結する旨の決定がでています。
>これにより、合併後の本投資法人は、
>民事再生法に基づく裁判所の監督下にない通常の投資法人として、業務遂行が可能となっています。

 



この記述を読んでまず思ったことは、現行の民事再生法は見ていませんが、
民事再生法に基づく裁判所の監督下では、再生債務者は通常の法律行為は行えない、ということだと思います。
つまり、民事再生法に基づく裁判所の監督下では、再生債務者は合併という法律行為を行うことは法律的にできない、と思います。
ニューシティ・レジデンス投資法人の場合も、再生手続を終結する旨の決定がなされたからこそ、
ビ・ライフ投資法人と合併を行うことができるようになった、ということだと思います。
最初にこの記述を読んだ時は、
”民事再生法に基づく裁判所の監督下でも、再生債務者は他の法人と合併という法律行為自体は行えるのだが、
合併後の存続法人が引き続き・自動継続的に民事再生法の適用を受けることになるため、
存続法人は民事再生法に基づく裁判所の監督下に置かれ、通常の投資法人としての業務遂行は行えない。”
という意味なのだろうか、と思ったのです。
単純に考えて、民事再生法に基づく裁判所の監督下では、再生債務者は合併という法律行為を行うことは法律的にできない、
ということではないかと思うのですが、ひょっとしたら現行の民事再生法では、
再生債務者は合併という法律行為を行うことが実はできる(民事再生手続き自体を存続法人が引き継ぐ)のかもしれません。
また、この「再生債務者もしくは再生完了債務者との合併」という「事業」再生手法は、
法理的にはともかく、個人的には興味深いと思います。
というのは、事業再生という場面では、基本的には事業1つ1つを債務者から承継する、という考え方を行うからです。
”事業1つ1つを”という言葉の意味は、「資産負債を1つずつ」という意味です。
つまり、事業再生という場面における承継とは、あくまで事業単位であり、資産負債単位なのです。
その意味において、企業再生(法人再生)という考え方は実はないのです。
長年事業を営む中で、法人には数多くの様々な債務や契約を負います。
その債務や契約が原因で、事業が立ち行かなくなってしまっているわけです。
それで、有望な事業だけは他の法人で営むようにすれば、再生の見込みが出てくる、という考え方を行うわけです。
そのような考え方の下、事業再生を行うための倒産法(会社更生法や民事再生法)が現在では整備されているわけです。
以上のようなことを考えますと、率直に言えば、債務者は法人として消滅させることに、各事業再生手続きの意味があるわけです。
また、債権者の立場から見ても、債務者を存続させたまま債務免除を行いますと、債務者に寄付を行ったことになるわけです。
これは税務上の問題ではなく、経営上の問題です。
すなわち、債権者にとって債務者の債務を免除することは、そのまま株主の利益につながることになるわけです。
債務者の経営が行き詰ったのは、株主が選任した役員が原因です。
それなのに、自分の利益を害してまでなぜ株主の利益になることを債権者がしなければならないのか、という話になるわけです。
債権者の立場からすると、事業再生のため(弁済金額が増加する)ということであるならば、一定度の債務の免除には応じるが、
その前に経営が行き詰った責任を株主が取るようにするべきだ、と言いたいわけです。
それはイコール、いわゆる「100%減資」と呼ばれる行為を行うことであり、
債務者の株主はもはや株主ではなくなる(出資した金額は全てパーになる)、ということであるわけです。
そうでなければ、債権者はとても債務の免除には応じられないわけです。
債務免除を行うと、それは債務者にとって収益(益金)となり、結果利益剰余金が増加します。
それはイコール、株主に帰属している利益が増加するということです。
しかも、債権者に帰属している利益が減少した結果としてです。
ですので、そのような一種の利益の移転が生じないように、債権者は債務免除を行うに際しては株主の責任を必ず追及するわけです。

 



以上のように、債務者を法人として消滅させることに、各事業再生手続きの意味があるわけです。
そうしますと、債務者を存続させたまま事業再生手続きを進めるというのは、一種の矛盾であるわけです。
債務者が法人として存続したままの状態では、債務者に数多くの様々な債務と契約が残ったままになりますし、また、
債務者が法人として存続したままの状態では、債務免除を行っても、利益が債権者から株主へと移転するだけです。
したがって、事業再生手続きの中では必ず債務者は消滅させなければならないわけです。
そういったことを考えますと、ビ・ライフ投資法人がニューシティ・レジデンス投資法人を吸収合併した、というのは、
私からすると極めて驚くべき事例だと思うわけです。
これでは、ニューシティ・レジデンス投資法人の債権者は、債務免除を行っただけ損をしたことになるわけです。
仮に、ニューシティ・レジデンス投資法人単体のままでは債務は弁済していけなかったのだが、
ビ・ライフ投資法人と合併すれば、ニューシティ・レジデンス投資法人はニューシティ・レジデンス投資法人の債務を弁済できる、
ということであるならば、それはビ・ライフ投資法人の投資主や債権者の利益を害している、と言わねばならないでしょう。
仮にそれでもビ・ライフ投資法人は債務不履行を起こさないとしても、特に投資主の利益は害されているわけです。
なぜなら、合併しなかったならば本来は社内に留保されていたはずの現金が、
ニューシティ・レジデンス投資法人の債務を弁済した結果、減少(社外流出)してしまったからです。
ニューシティ・レジデンス投資法人単体のままでも債務は弁済していけた、ということであるならば、
ビ・ライフ投資法人の投資主の利益は害されていないといえるわけですが、
仮に、ニューシティ・レジデンス投資法人単体のままでは債務は弁済していけなかったのだとすると、
ニューシティ・レジデンス投資法人の債務はビ・ライフ投資法人の投資主に帰属している利益(現金)で替わりに弁済を行う、
ということになるわけです。
債務者が債務を履行できないという状況下では、どのように事業再生手続きを進めるにせよ、債務者は消滅させる他ないわけです。
そうしないと、ニューシティ・レジデンス投資法人の債権者の利益が債務免除を行った分株主に移転するか、
ニューシティ・レジデンス投資法人の債務を承継した結果、ビ・ライフ投資法人の投資主の利益が害されるかするわけです。
債務者を存続させたままの事業再生手続きというのが、会社の原理的にあり得ない、と言わねばならないと思います。
その意味において、事業再生手続きの中で債務者を他の法人が吸収合併するということは本来的にはあり得ない、
と言わねばならないと思います。

 

Some rehabilitation is implemented through an individual transfer of assets and debts of a rehabilitation debtor's
and other is implemented through the absorption of an already-rehabilitated debtor itself.

再生債務者の資産と負債を個別に譲渡するという再生手法もあれば、
既に再生を果たした債務者そのものを吸収するという再生手法もある。


Is a rehabilitation debtor able to act legal conduct?

再生債務者は法律行為を行えるのですか?