2015年11月11日(水)


2015年11月11日(水)日本経済新聞 公告
発行価格等の決定に関するお知らせ
日本ヘルスケア投資法人
(記事)

 

 



TAMAXがタマホーム株式を公開買付け

 タマホーム(株)(東証一部、玉木康裕社長)は11月10日、
(株)TAMAX(玉木伸弥社長)がタマホームの普通株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。
 TAMAXは、有価証券の保有、運用および売買を目的に2015年9月に設立されたもので、
同社の株式は(株)ハッピーライフが60%、(株)KRCが40%を保有する。
ハッピーライフは玉木康裕氏の長男・伸弥氏の資産管理会社、KRCは次男・克弥氏の資産管理会社である。
 今回の買付けは、創業者一族が保有する株式の一部を取得することが目的で、
第三者からの株式取得は目的としていないとしており、買付価格は430円。
 公開買付けの成立を条件としてTAMAXは、三井住友銀行から総額45億円を限度として借入を予定している。
取得する株式の一部に担保権が設定され、玉木康裕氏が連帯保証人となる予定だ。
また公開買付けの決済後、玉木康裕氏から総額25億円を限度として借入を行う予定としている。
(NetIB News 2015年11月11日 14:48)
ttp://www.data-max.co.jp/27111_dm1305/

 

 

タマホームの株式を公開買付けにより取得

TAMAXは、10日、タマホーム【1419】の株式を公開買付けにより取得すると発表した。
TAMAXは、有価証券の保有、運用及び売買をすることを主たる目的として、平成27年9月14日に設立された株式会社で、
代表取締役である玉木伸弥氏は、タマホームの代表取締役副社長兼COO、
取締役である玉木克弥氏は、タマホームの専務取締役となっている。
今般、TAMAXは、創業者一族が保有する対象者株式14,878,000株(所有割合:49.50%)の
一部(9,506,700株、所有割合:31.63%)を取得する見込みで、
タマホームは今回の公開買付けに賛同の意向を表明している。
買付け期間は、平成27年11月11日から平成27年12月9日までの予定で、
公開買付期間は、平成27年12月24日まで延長となる可能性がある。
買付け価格は普通株式1株につき、430円。
(M&A Times 2015/11/11 )
ttp://ma-times.jp/23699.html

 



2015年11月10日
タマホーム株式会社
株式会社TAMAXによるタマホーム株式会社(証券コード1419)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttp://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03963/1dba7cd2/f0e6/4d0b/88a9/dca6dbde24a9/140120151110442748.pdf

 

2015年11月10日
タマホーム株式会社
株式会社TAMAXによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03963/fedacca8/999b/473a/b4c3/6d2cc8d3bdef/140120151110442774.pdf

 


2015年11月11日(水)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社TAMAX
(記事)


 


【コメント】
記事やプレスリースを読んで、このたび株式会社TAMAXが実施する公開買付の目的がよく分からないな、と思いました。
記事やプレスリリースには、公開買付者(株式会社TAMAX)は、
創業者一族が保有するタマホーム株式(所有割合:49.50%)の一部(所有割合:31.63%)を取得することが目的だ、
と書かれています。
ただし、創業者一族以外の第三者から対象者株式を取得することは目的としていない、とも書いてあります。
それで買付価格は直近の株価よりも低い水準に設定されているわけです。
まず最初に思ったのは、株式会社TAMAXも創業者一族が資産管理のために設立した会社ということであり、
なおかつ、目的の保有割合は31.63%のみということですので、
単純に創業者一族と株式会社TAMAXとが相対取引を行えばいいのではないか、ということです。
上場株式であっても3分の1以下の取得であれば、公開買付を行う義務はないのではないか、と思います。
このたびの株式会社TAMAXの株式取得は、金融商品取引法上は「特別関係者からの買付け等」に該当するのではないかと思いますが、
「特別関係者からの買付け等」であれば、3分の1超の取得であっても、、義務的公開買付けの適用除外とされているようです。
ですので、このたびの株式会社TAMAXの株式取得は、法律上は相対取引でよいのではないかと思います。
さらに、プレスリリースには、
「創業者一族の所有割合を引き上げることは目的とはしていない」と書かれていまして、
そうであるならば、なおさら公開買付を実施する理由はないと思います。
敢えて表現するならば、このたびの株式会社TAMAXの株式取得は、一族間における株式所有構造の整理・集約、に過ぎないわけです。
法律面でも創業者一族以外から買い増すわけではないという点からも、株式会社TAMAXは公開買付を実施する理由はないと思います。

 



ただ、このたびの株式会社TAMAXの株式取得は、公開買付による、ということですので、
記事やプレスリリースを読みながら、わざわざ公開買付を行っている理由を考えているところです。
以下、公開買付を実施することを所与のこととして考えてみたいと思うのですが、
プレスリリースで関連がある部分をキャプチャーしてみました。


「株式会社TAMAXによるタマホーム株式会社(証券コード1419)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」
買付け等の目的等
(2〜3/13ページ)



全体を通して意味がよく分からないのですが、一番妙なことが書かれてあるなと思ったのが以下の部分です。

>全部買付義務及び全部勧誘義務が生じることがない(本公開買付け後の株券等所有割合が3分の2を下回る)範囲で
>対象者株式を取得するため、仮に公開買付者の特別関係者以外の全ての第三者が、その保有する対象者株式の全部を応募した場合でも、
>本公開買付け成立後に公開買付者及びその特別関係者(法第27 条の2第7項に規定される者)が所有することとなる対象者株式の
>議決権割合(注2)の合計が66.65%を超えることがないよう、
>9,506,700 株(所有割合:31.63%)を買付予定数の上限として設定しております。

結局、相対取引ではなく公開買付という手段を用いることから、創業者一族以外の第三者が公開買付に応募する可能性があるわけです。
それで、全部買付義務及び全部勧誘義務を避けるため、公開買付者自身を含む創業者一族の所有割合が3分の2を下回るように
することも予め考慮しているようでして、その方策が「買付予定数の上限を31.63%」に設定することだ、とのことです。
しかし、これは全く意味をなさないのではないでしょうか。
なぜなら、創業者一族以外の第三者がどれだけ公開買付に応募するかは全く分からないからです。
このような上限の定め方ですと、何のために株式会社TAMAXが公開買付を実施するかが不明確になるのではないでしょうか。
株式会社TAMAXには、目的とする明確な株式所有割合があるはずです。
このような定め方ですと、株式会社TAMAXの株式所有割合は決まらないわけです。
もちろん、31.63%以上の応募があれば、株式会社TAMAXの株式所有割合は31.63%と決まります。
しかし、私が言いたいのは、このような所有株式の移転を行うという場合は、
創業者一族のAさんは何%、Bさんは何%、Cさんは何%、そして株式会社TAMAXは何%、
というふうに、明確に各所有割合を整理したいわけです。
それなのに、創業者一族以外の第三者がどれだけ公開買付に応募するかで、各所有割合が変動する、ということですと、
何のための株式所有構造の整理・集約か分からなくなるわけです。

 



そもそも、創業者一族だけで42.62%もの株式を公開買付に応募するわけです。
これだけで既に「買付予定数の上限」を超えているわけです。
このような公開買付はないわけです。
結局、公開買付を行うから、公開買付後の各所有割合が不明になるわけです。
煎じ詰めれば、このような場合は相対取引を行って株式所有構造の整理・集約を行うしかないと思います。
一応、「買付予定数の上限」である「31.63%」という数値の意味について、解説も兼ねて表を書いてみました。
以下の表を見れば、確かに「買付予定数の上限」を「31.63%」に設定すれば、
確かに創業者一族と公開買付者の合計の所有割合が3分の2未満になる、ということが分かると思います。


プレスリリース中の「31.63%」の意味

(PDFファイル)

 

(キャプチャー画像)




ただ、上の表は、結果が分かった上での言わば検証のための逆算に近いと思います。
計画立案に際しては、株式会社TAMAXは、この「31.63%」を「x」と置いて、

42.62×(1−x/0.9312)+x×100=66.65

という方程式を立て、解いたのだと思います(より厳密には、所有割合ではなく株式数で方程式を立てて計算する必要があります)。
プレスリリースにも記載がありますが、ここでは公開買付へは創業者以外の第三者が全株式を応募する、という前提を置いています。
上の式で言えば、ここでは「0.9312」を所与の数字としているわけですが、
実際には公開買付にはどれだけ応募があるか分からないわけですから、
「0.9312」という数字も事前には分からず、結果、「31.63%」という数値も算出はできない、ということになります。

 



さらに言えば、このたびの公開買付では、創業者一族以外の第三者から対象者株式を取得することは目的としていない、とのことですが、
公開買付に第三者が応募することを想定している時点で、創業者一族以外の第三者から対象者株式を取得すること前提にしている、
と言っていいわけです。
目的と手段とが全くちぐはぐであるわけです。
プレスリリースには、「創業者一族の所有割合を引き上げることは目的とはしていない」と書かれていますが、
現に、公開買付の結果、創業者一族の所有割合は、49.50%から66.65%へ増加する見込みです(第三者が全株式を応募した場合)。
それだけならまだしも、プレスリリースには、

>本公開買付け成立後に公開買付者及び創業者一族が所有することとなる対象者株式の所有割合の合計が50%を超えることとなる場合には、
>創業者一族は、公開買付者及び創業者一族の所有割合の合計が50%を超えた部分について、
>法令の範囲において、市場売却等の方法により所有する対象者株式を処分することを予定しているとのことです。

とまで書かれています。
現時点で創業者一族が所有している所有割合は49.50%なのです。
50%になるまで所有株式を売却す予定だ、などと言い出すなら、
それは、公開買付で取得した株式の全て(0.50%を除いた分ですが)をすぐに売却する、と言っていることと同じです。
全く意味不明な公開買付だと思います。
「株式の買い増しは一切行わないのならば、はじめから相対取引を行う。」がやはり一番簡単な結論だとは思います。
しかし、公開買付を行う(株式の買い増しを行う)ことと全部買付義務及び全部勧誘義務を避けることを所与のこととするならば、
以下の2つの方策が答えなのではないかと思います。

@創業者一族は公開買付には一切応募せず、「買付予定数の上限」を「17.15%」(=66.65%−49.50%)に設定する。

A創業者一族は公開買付に全株式を応募し、「買付予定数の上限」を「66.65%」に設定する。

結局、株式会社TAMAXや創業者一族の目的がはっきりとしないため、どのような方策とすればいいのかもはっきりとしません。
基本的にやはり相対取引を行うというだけかと思うのですが、
公開買付という不特定多数の株主が売り手となる(応募がどれくらいあるかも不明な)手段を取ることにしているために、
公開買付後の各所有割合も決まらない、ということになってしまっているわけです。

 

 


2015年11月10日(火)日本経済新聞
ブリヂストン、14%減益 1〜9月最終1951億円 ベネズエラ現法 連結除外 資産再評価で特損423億円
(記事)


 

2015年11月9日
株式会社ブリヂストン
平成27年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
ttp://www.bridgestone.co.jp/ir/library/result/pdf/h27_4_3.pdf

第3四半期決算補足資料
ttp://www.bridgestone.co.jp/ir/library/result/pdf/h27_4_3_support_doc.pdf

決算説明会スライド
ttp://www.bridgestone.co.jp/ir/library/result/pdf/h27_4_3_presentation.pdf

 

「平成27年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」の表紙
(キャプチャー)


 



【コメント】
記事には、

>米国子会社傘下のベネズエラの現地法人を連結対象から除外するのに伴い、資産評価の見直しなどで423億円の特別損失が発生した。

>ベネズエラでは外貨規制などでドルを十分に確保できず、ブリヂストン本体の孫会社にあたる
>「ブリヂストン ファイアストン ベネズエラ」のタイヤ生産が計画を大幅に下回っている。
>この会社を傘下に持つ米国子会社が採用する米国会計基準では、十分に経営管理できない恐れがある子会社は、
>連結対象から外す必要がある。
>特別損失には、連結対象からの除外に伴うベネズエラ内のタイヤ工場など資産の評価損と、
>ブリヂストングループから現地法人への売掛金に対する貸倒引当金の計上などが含まれる。

と書かれています。
開示されている決算短信には、

>当第3四半期連結累計期間においては、当社のベネズエラ子会社(BRIDGESTONE FIRESTONE VENEZOLANA, C. A. 及びその子会社)を
>連結除外し、関連損失423億円を特別損失として計上しております。

と書かれてあるだけです(4/13ページ)。
連結損益計算書には、「子会社連結除外関連損失」という勘定科目名の特別損失が計上されているだけです。
まず、記事やプレスリリースの内容を所与のこととしてコメントを書きます。
ある会社を連結対象から除外するというだけでは、個別上も連結上も何の損益も計上されません。
ただ、例えば、連結子会社が倒産した(その結果連結対象から除外された)という場合ですと、
その連結子会社株式の減損損失が個別上計上されることになり、連結上もその減損損失がそのまま計上されることになります。
しかし、これは単体で所有していた連結子会社株式の価値が減少した結果の会計処理(あくまで個別上の会計処理)に過ぎません。
つまり、連結会計の観点から、連結対象から除外された連結子会社の資産について見直しや再評価を行った、
ということとは根本的に異なる会計処理です。
ある連結子会社が連結の範囲からは除外された場合は、連結会計上はただ単にはじめから連結子会社ではなかった、
という取り扱いになるだけです。

 


親会社から連結子会社に対する売掛金への貸倒引当金に関して言えば、
確かに、連結の範囲に含まれていた時は内部取引ということで相殺消去され、貸倒引当金が連結上は計上されていなかったのだが、
その連結子会社が連結の範囲から除外されると同時に、連結上貸倒引当金が計上される、ということはあると思います。
しかし、その貸倒引当金も、連結会計上はそれまで内部取引ということで相殺消去されていただけのことであり、
実は個別上は連結の範囲に含まれていた時から貸倒引当金は計上済みであったわけです。
つまり、連結の範囲から除外されたことをきっかけとして、旧連結子会社の資産内容を再評価した、
ということとは根本的に異なる話であるわけです。
記事に書かれているような、連結の範囲から除外されたことを理由とした連結上の会計処理というのは、はっきり言えばないのです。
端的に言えば、ある会社の資産の収益性はその会社のみで決まる、ということであり、
誰が株主かや誰が親会社かは資産の収益性とは関係がない、ということです。
そして、連結の範囲から除外されたならば、旧連結子会社の資産内容や収益性、損益の状況等は、
連結上は全く関係がない(連結財務諸表に一切反映されない)、ということになります。
次にですが、記事によりますと、米国会計基準では十分に経営管理できない恐れがある子会社は連結対象から外す必要がある、
とのことです。
この点に関する詳しい基準は見ていませんが、率直に言えば意味不明な考え方だと思います。
これは、思ったような収益を計上し切れていない子会社は連結の範囲から除外してよい、と言っているようにも聞こえるわけです。
赤字の子会社は連結の範囲から除外してよい、と言っているようなものでしょう。
連結会計とは、意思決定機関を支配している会社を自社と同じ会社であると見なし、
その会社と自社とを1つの会社であると見なして財務諸表を作成することです。
親会社としてその会社の意思決定機関を支配している以上、上手く経営管理ができないことも含めて経営管理でしょう。
会社単体で考えてみても、上手く経営管理ができないため会社に赤字の事業があるという場合、赤字の事業は財務諸表に反映させない、
などということは認められないでしょう。
それと同じです。
連結の範囲に含まれれるのか否かは、意思決定機関を支配しているのか否かだけできまるのです。
煎じ詰めれば、その絶対的な基準が所有議決権割合なのです。
最後に、米国基準だベネズエラだという話が全く無意味に思えるほど、極めて基本的・根本的な間違いがこの議論にはあります。
それは、株式会社ブリヂストンは連結財務諸表を作成するのに日本基準を適用している、という事実です。
日本基準で連結財務諸表を作成するという場合、連結の範囲に含まれる全ての会社に日本基準を適用しなければなりません。
日本基準で作成した財務諸表と米国基準で作成した財務諸表とは合算できないのです。
ですので、株式会社ブリヂストンの連結財務諸表について、米国基準の話をしている時点で根本的に間違っているのです。
私は、株式会社ブリヂストンは個別上も連結上も従来から米国基準を適用しているのだろう、と思っていましたが、
開示されている決算短信を見て、タイトルに〔日本基準〕と書かれてあるのを見て、逆に驚いたところです。
日本基準で連結財務諸表を作成するという場合、たとえ連結子会社が米国の会社であろうとも、
米国基準の考え方や解釈は一切財務諸表に織り込んではならないのです。

 



For a parent company, whether a company is a subsidiary or not has nothing to do with the profitability of the company.

親会社にとって、ある会社が連結子会社かそうでないかはその会社の収益性には無関係です。

 

I have a question for you.
In accordance with which accounting standard are these consolidated financial statements are prepared?

あなたに質問があります。
この連結財務諸表はどの会計基準に従って作成されているのですか。

 

A bicycle goes, but it goes without saying that the U. S. accounting standard
has nothing to do with financial statements in accordance with the Japanese one.

自転車は動くのでしょうけど、米国会計基準は日本基準で作成された財務諸表とは何の関係もないのは言うまでないでしょう。

 

If I were the President of Bridgestone, I would fire our accounting manager.

もし私がブリヂストンの社長だったら、経理部長を首にするでしょう。

 

I want staffs in charge of finances at Bridgestone "to cross it by hitting the stone bridge",
which is equivalent of the proverb "Look before you leap." in English.
Otherwise, I will say, "Stone the crows!" again.

ブリヂストンの経理部員には、「石橋を叩いて渡る」―英語の諺「跳ぶ前に見よ」に相当しますーようにしてもらいたいと思います。
さもないと、私はまた「おやおや」ということになるでしょう。