2015年6月26日(金)


2015年6月26日(金)日本経済新聞 公告
第131期決算公告
三井化学東セロ株式会社
第22期決算公告
MU投資顧問株式会社
第66期決算公告
株式会社神明ホールディングス
合併公告
シーメンスインダストリーソフトウェア株式会社
シーメンスインダストリーソフトウェア・シミュレーション&テスト株式会社
(記事)



2015年6月26日(金)日本経済新聞 公告
第14期決算公告
新生インベスト・マネジメント株式会社
(記事)

 


2015年6月26日(金)日本経済新聞
INV、最大258億円調達
(記事)


2015年6月25日
インヴィンシブル投資法人
新投資口発行及び投資口売出しに関するお知らせ
ttp://www.invincible-inv.co.jp/cms/whats/20150625_1556126pbF.pdf


 



2015年6月26日(金)日本経済新聞 大機小機
シャープが投げかけた税制問題
(記事)

 



【コメント】
記事には、
資本金が1億円以下の中小企業に適用される税の優遇措置を受けるために、大企業が資本金の金額を意図的に減らすことに関して、

>軽減税率が適用されるのは申告所得の800万円までであり、税額に引き直すと100万円前後にとどまる。

と書かれています。
つまり、資本金の金額を減少させても、総資産額や事業そのものの収益性に変動はないわけですから、
例えば申告所得も変動しない、ということになります。
そうしますと、資本金が1200億円もあるシャープの課税所得の金額を鑑みれば、
結局800万円分しか軽減税率の恩恵を受けられず、
それ以上の何十億円、何百億円という課税所得には、資本金の金額を減少させる前の法人税率が適用される、ということになります。
つまり、資本金が1000億円以上もある場合は、総課税所得額のうち、軽減税率が適用される金額は極僅かに過ぎない、
ということになります。
要するに、資本金が1000億円以上もある場合は、資本金の金額を意図的に減少させても実際にはほとんど恩恵はない、
ということなるわけです。
法人税法の規定では申告所得について800万円までという制限が課されているということで、
軽減税率の適用は資本金の金額が1億円以下の会社ということを鑑みますと、ある意味整合性が取れた規定になっていると言えるでしょう。
軽減税率の規定の趣旨や整合性は理解できたように思います。
ただ、税法理の話をしますと、適用する規定によって、税率や課税所得額や税額が変わるというのは本来はおかしいわけです。
何人であろうとも、法人であろうとも自然人であろうとも、適用される税率は同じであり、取引によって課税所得額は一意に決まり、
そして、税額も一意に決まる、というのが税法理上の考え方であろうと思います。
全く同一の取引を行っているのに、自然人でではなく法人を設立して法人で取引を行えば、適用される税率が低くなるであったり、
損金算入される費用項目が増えるであったり、といった考え方は本来はおかしいわけです。
また、同じ法人であっても、資本金の金額の多い少ないで適用される税率が低くなるであったり、
納めなければならない税目が免除されるであったり、といった考え方は本来はおかしいわけです。
例えば外形標準課税は自然人はどうやっても納めようがない(課税標準が概念的に存在しない)かと思いますが、
それなら法人であっても自然人では納めようがない外形標準課税という考え方をするのはおかしいわけです。
要するに、課税上、自然人か法人かに差異があってはならず、もちろん自然人間で差異があってもなりませんし、
そして、同じ法人であっても資本金の金額や営んでいる事業を理由に差異があってもならないわけです。
くだけた言い方をすれば、「このようにすれば節税になる(税額が少なくてすむ)。」ということ自体が課税上あってはならないわけです。
納税者が誰であろうと、同一の取引を行ったならば、
税額は常に必ず同じになる(それより多い税額もあり得ない、それより少ない税額もあり得ない)、
という課税方法・税法の規定が、税法理に沿った考え方なのです。

 

The amount of a tax doesn't increase nor decrease.

税金の金額は、増えることはありませんし減ることもないのです。

 

 



2015年6月24日(水)日本経済新聞
宮崎市で商品券 発行総額33億円 プレミアム付き
(記事)





教科書のスキャン

「前受金勘定(advance、advances by customers)」の解説
(スキャン)

 


【コメント】
商品券は会計上は「前受金」勘定で処理されます。
商品券の発行価額と額面金額が異なる場合、どのように会計処理を行うべきでしょうか。
記事の内容に即して仕訳を考えてみましょう。

 


会計理論上私が正しいと思う仕訳は以下の仕訳です。

 

商品券を発行した時の仕訳

(現金) 10,000円 / (前受金) 10,000円


商品券(1,000円券)が(全12枚のうち)1枚だけ使用された(お客さんは1,000円分(販売価格1,000円)の買い物をした)時の仕訳

(前受金)833円 / (売上高) 833円

 



この仕訳の意味は、前受金勘定はあくまで前もって受け取った現金の金額を表す、という考え方に立っています。
前受金勘定は、確かに、将来その金額分の商品の引渡しを行う義務を会社は負っていることを表しているとも言えますが、
しかし同時に、商品引渡しの対価としてはあくまでその現金額のみであるのも確かであるわけです。
受け取った現金額以上の対価は会社は受け取っていないわけです。
前受金勘定は商品の引き渡しに伴い売上高勘定に振り替えられることを鑑みれば、
前受金勘定はあくまで「商品引渡しの対価」のみを表すべきであろうと思います。
ここで、プレミアム付商品券の場合は、商品券の発行価額と額面金額が異なります。
そうしますと、お客さんはあくまで額面金額分の買い物ができる一方、会社は発行価額分の対価しか受け取らない(受け取れない)、
という状況が生じるわけです。
この状況を会計処理上整合させるためには、会社はプレミアム付商品券を持ったお客さんに対しては商品の値引き販売を行ったもの、
と捉えるしかないように思うわけです。
この設例の場合、お客さんは1,000円の値札が付いている商品をこの商品券1枚で購入しようとしているわけですが、
会社はその商品の引渡しの結果どれだけの対価を受け取れるのかと言えば、全12枚中1枚分のみの対価しか受け取れないわけです。
それは前もって受け取った現金額の12分の1だけ、ということでしょう。
ですから、この場合の売上高は「833円」(=10,000円÷12)となるわけです。
これは、前受金勘定は義務を表す、と考えても説明は可能だと思います。
商品券は全12枚中1枚のみが使用されました。
それはつまり、全義務のうち、12分の1が減少した(義務を履行した)、ということでしょう。
ですから、義務の減少額は10,000円の12分の1であるわけです。
そしてさらに、以上のことを経営や販売という観点から見ますと、結局のところ、
1,000円の商品を833円で販売した、ということと同じでしょう。
ですからこれは値引き販売であるわけです。
その商品は、本来は1,000円なのです。
しかし、プレミアム商品を持っているお客さんに対しては833円で販売したわけです。
会計処理上(仕訳上)は、「値引き」という経営上の行為は表には出ず、単にその価格で販売した、ということを表すだけになりますが、
商品券の額面金額と商品の値札から見れば、会社が実際に受け取った対価はその分少ないわけですから、
経営上は「値引き」をした、という見方になるわけです。
また、概念的な話になりますが、「取引の対称性」や「取引の相手方」という観点からこの商品券を見ますと、
一方にとってプレミアムなら、相手方にとってはそれはディスカウント(値引き)だ、という見方になると思います。
英和辞書にも、discount の対義語は premium と載っています。
経営上は、お客さんが使用するプレミアム付商品券に対する会社の会計処理方法は、やはり「値引き販売」になるように思います。

 



他には、例えば以下のような仕訳が考えられはすると思います。

 

商品券を発行した時の仕訳

(現金) 10,000円        / (前受金) 12,000円
(商品券発行差金) 2,000円


商品券(1,000円券)が(全12枚のうち)1枚だけ使用された(お客さんは1,000円分(販売価格1,000円)の買い物をした)時の仕訳

(前受金)1,000円            / (売上高) 1,000円
(商品券発行差金償却) 166円   (商品券発行差金) 166円

 

法人税法もしくは所得税法の規定については見ていませんが。
法人税法上もしくは所得税法上は、売上高1,000円が益金、商品券発行差金償却166円が損金、ということになるでしょうか。
課税所得額はいずれにせよ私が書いた仕訳を同じになるわけですが。
しかし、経営上は、この仕訳では売上高の過大計上ではないでしょうか。

 


もしくは、以下のような仕訳も考えられはしますが。

 

商品券を発行した時の仕訳

(現金) 10,000円       / (前受金) 12,000円
(商品券発行差損) 2,000円


商品券(1,000円券)が(全12枚のうち)1枚だけ使用された(お客さんは1,000円分(販売価格1,000円)の買い物をした)時の仕訳

(前受金)1,000円  / (売上高) 1,000円

 

商品券発行差損は、商品券発行時に額面金額と発行価額との差額を費用処理する、という考え方に基づくものです。
この場合はどうでしょうか、税法上商品券発行差損は損金算入する、という考え方になるでしょうか。
しかし、額面金額と発行価額との差額はただの寄附ではないでしょうか。
仮に商品券発行差損は寄附だとすると、売上高の認識が1,000円というのは何か違うようにも感じますが。
明らかに益金額が大き過ぎやしないでしょうか。
差額は損金不算入、売上高は対価を受け取っていない分まで含めて益金算入、では税務上整合性を欠くでしょう。
仮に商品券発行差損は損金算入できるとすると、商品券トータルでは一応、損金と益金とは整合性は取れると思います。
しかし、仮に商品券の払戻しが生じた場合はどのように会計処理するべきでしょうか。
前受金の残高は益金算入では、あまりに損金の認識が早過ぎやしないでしょうか。

 



以上の仕訳を考えるに際しては、煎じ詰めれば、「額面金額と発行価額との差額」をどう捉えるのか、が論点になると思います。
イメージ的・概念的には、「額面金額と発行価額との差額」は一種の寄附のようなもの、と捉えることはできるかとは思います。
しかし、いざそのイメージ・概念を会計処理に落とし込むとなりますと、
その差額の損金算入をどのように認めるのか(要件やタイミング)といった論点や、
収益の認識(その取引における「本当に正しい収益額」はいくらか)に関する論点が生じるように思います。
「額面金額と発行価額との差額」は、イメージ的・概念的には確かに一種の寄附のようなものなのかもしれませんが、
それは税法上定義される寄附ではなく、経営上・マーケティング上・営業活動上の寄附、
すなわち、「値引き販売」という捉え方をするべきなのだと思います(値引きして販売を行うことは税法上は寄附ではない)。
商品券の額面金額の残高と貸借対照表の前受金勘定の残高との間の相違・齟齬については、この際度外視する他ないと思います。
税法の規定やその他会計基準等の定めなどは見ていませんが、会計理論上は以上の考え方が正しいように思います。

 


An accounting treatment for this kind of premium coupon is a "discount."

この種のプレミアム付商品券に対する会計処理方法は、「値引販売」です。

 

Advances by citizens.

市民からの前受金