2015年6月18日(木)


2015年6月18日(木)日本経済新聞
東京物、社債100億円 来月、初の個人向け発行 投資資金に
(記事)




2015年6月4日(木)日本経済新聞
個人向け社債 利率1.36% ソフトバンク、1000億円発行
(記事)



2015年5月21日(木)日本経済新聞
個人向け社債1000億円 ソフトバンク、来月発行
(記事)



2015年6月4日(木)日本経済新聞
転換社債で150億円調達 エディオン 旗艦店など投資
(記事)





関連資料


トヨタ自動車株式会社
第111回 定時株主総会 (平成27年6月16日開催)
議決権行使の結果報告(臨時報告書)
ttp://www.toyota.co.jp/jpn/investors/stock/pdf/2015/extraordinary_report_j.pdf

決議ご通知
ttp://www.toyota.co.jp/jpn/investors/stock/pdf/2015/resolutions_adopted_j.pdf

 



【コメント】
トヨタの新型株式は元本保証が付いている、というような言い方がされています。
しかし、その考え方は間違いです。
トヨタの新型株式を一種の社債だと考えたのだとしても、元本保証という言い方は間違いです。
確かに、トヨタの財務体質や手許現金の豊富さを考えれば、
新型株式の引き受け手にとっては元本保証が付いているも同然です。
新型株式が債務不履行を起こすか否かという観点から言えば、確かに新型株式は必ずと言っていいほど元本は償還されるでしょう。
しかし、それでもやはり、「元本保証が付いている」という言い方は法理的には間違いです。
なぜなら、誰もその新型株式の元本など保証していないからです。
確かに、トヨタ自動車株式会社は、このたび発行する新型株式の元本は必ず償還できると言っています。
トヨタの財務体質や手許現金の豊富さを考えれば、確かにその通りだと思います。
しかし、「債務を保証する」とは「第三者が保証する」という意味なのです。
債務者自身では保証はできないのです。
債務者にあるのは、「債務を履行するという義務」だけなのです。
債務者に、自身の債務を保証するという概念もなければ、自身の債務を履行しないという概念もないのです。
債務を履行できるのであれば、債務者は必ず債務を履行しなければならないというだけですし、
万が一債務を履行できないということであれば、債務者は他の手続きに入っていかなければならないというだけなのです。
いずれにせよ、債務者が自身の債務の履行を保証することはできないのです。

 


A guarantor should be the third party. An obligor himself can't be a guarantor.

保証人は第三者でなければなりません。債務者自身は保証人にはなれないのです。

 

Let's think that the parties concerned can determine which transaction is a profit and loss transaction
and which transaction is not a profit and loss transaction arbitrarily.

当事者が、どの取引は損益取引でありどの取引は損益取引ではない、と任意に決めることができる、と考えてみましょう。

 

 


2015年6月18日(木)日本経済新聞 公告
第17期決算公告
株式会社BSジャパン
役員の選任
株式会社BSジャパン
(記事)


2015年6月18日(木)日本経済新聞
わかる総会 H 株主提案
問題提起し経営参加
(記事)


2015年6月4日(木)日本経済新聞
議決権活用 企業と対話 社外取締役・ROE・成長投資 機関投資家が基準 株主総会シーズン目前
企業、改革で株主呼び込み 三菱重工 ROE10%以上
(記事)


2015年6月3日(水)日本経済新聞
会社研究 ファナック
株主重視への転換、道半ば
(記事)


2015年3月14日(土)日本経済新聞
ファナック株急騰、最高値 「自社株買いより増配を」 市場、還元具体策を注視
方針転換「喜ばしい」 米投資ファンド
(記事)

 



【コメント】
株主総会議案は、法理上の正解はやはり「株主の側が作成・提出する」だと思います。
そうでないと、例えば役員の選任議案に関してであれば、
「委任される側」が議案を作成するという、矛盾にも似た状態が生じるからです。
確かに、委任する側(株主の側)はその議案内容が気に食わないのであれば否決すれば済む話であるわけですが、
しかし、議案を否決するだけでは希望する選任議案はいつまで経っても作成・提出されないわけです。
過半数の株主が納得する議案が作成・提出されるまで、何回議案を待てばよいというのでしょうか。
最後まで過半数の株主が納得する議案が提出されないという状況を考えてみると、そのおかしさが分かるのではないでしょうか。
そもそも、株主に議決権がある、すなわち、株主に決める権利がある、というのは、
株主に議案を作成・提出する権利がある、ということを前提にしているということであるようにも思えます。
株主がそれぞれ自身が希望する議案を作成・提出する、その中で、どの議案が一番望ましいかを議決権行使によって決定する、
という流れでなければならないわけです。
委任される側というのは、本来的・法理的には。議案の作成や提出とはむしろ無関係であるべきではないでしょうか。
株主と株主とは議論ができるといいますか、むしろ、株主総会がその議論のための場だ、という言い方ができるかと思います。
他の言い方をすれば、株主は皆、株主総会という会社機関の構成員だからこそ、株主は互いに議論ができるわけです。
しかし、委任される側である役員は、株主総会の構成員ではありません。
株主総会の構成員である株主と、株主総会の構成員ではない役員とが議論をする、というのは、法理的に考えておかしいのだと思います。
株主と役員とでは、法理・法律的な立ち位置が根本的に異なるのではないでしょうか。
株主と役員とは実は法理・法律的には議論できない、という言い方ができるようにも思います。
株主と役員との対話は、実は、株主総会の決議事項をもってのみ、という言い方ができるのではないだろうかという気がします。
株主が役員に対して、株主総会の決議事項以外の形で依頼や要求をするというのは、法理的に考えれば実はおかしいのだと思います。
極端に言えば、短期売買目的の株主であるファンドであれ、全株式を所有している株主であれ、株主は役員とは会ってはならない、
という言い方をしてもいいのではないでしょうか。
株主が役員そして会社側に要求したいことがあるのならば、必ず株主総会の決議事項をもって行わなければならない、
というのが、株式会社の概念・制度ではないでしょうか。
そうでないと、株主間の平等が担保されないと言いますか、一部の株主にだけ有利な議案が作成されかねないわけです。
逆に、株主間の平等を担保するために、議論の場は株主総会一本に絞られるべきなのではないでしょうか。
例えば、一部の株主が会社側に要求したい財務資料や経営戦略に関する資料等がある場合は、
正式な株主総会決議をもって会社側に請求をするべきであり、そして、会社は株主総会に対して請求があった資料を提出する、
という手続き・流れを踏まえるべきなのだと思います。
株主総会の構成員である株主は皆、株主総会に提出された資料を自由に閲覧することができる、
という請求・開示の仕方であるべきなのだと思います。

 


この株主総会という概念的な機関の捉え方は非常に重要であり、例えば配当金に関しても、
会社は株主総会に対して(株主総会を通して)配当金を支払う、という捉え方をするべきなのだと思います。
会社は株主総会に配当金を支払い、その配当金は株主総会の構成員である株主に分配される、という捉え方をすると、
株主総会が株主間の平等を担保する仕組みになっている、と分かるのではないでしょうか。
この考え方は、株主と会社との間の全ての取引・全ての対話に当てはまる・当てはまるべき考え方なのだと思います。
株主と会社との間の取引・対話は、株主総会決議を通していればフェア、株主総会決議を通していなければフェアではない、
という言い方ができるのだと思います。
個々の株主と会社との間に、必ず株主総会が入らなければならないわけです。
株主総会が個々の株主と会社との間に入ることが、株主間の平等を担保するためには必要なのだと思います。
言うまでもなく、株主総会とは株主が議決権を行使する場でもあります。
「他の形による対話ではなく、議決権行使のみによって決めることにしよう。」という考え方が、
株主間の平等を担保するためには必要なのだと思います。
少し俗っぽい言い方をすれば、各株主と会社とのパイプは株主総会だけであるべきだ、という言い方になると思います。

 


The only way through which shareholders talk with a company is a voting right.
Something except for a voting right, whether it is verbal or nonverbal,
should not have any legality nor influences to a company.

株主が会社と対話をする唯一の道は議決権だけなのです。
議決権以外の何かは、それが言語上のものであれ非言語的なものであれ、
会社に対し法的な効力を持つものであってはなりませんし何らの影響を与えるものであってはならないのです。

 


Why does a market price rise up or come down?

なぜ市場株価は上がったり下がったりするのだろうか?

 

 


2015年6月18日(木)日本経済新聞
星野Rリート 純利益3%増 前期、分配金426円増
(記事)


2015年6月17日
星野リゾート・リート投資法人
平成27年4月期 決算短信(REIT)
ttp://www.hoshinoresorts-reit.com/site/file/tmp-XuZk3.pdf


 



【コメント】
トヨタの新型株式は社債の性質も極めて強いということで、改めて、資本と負債との違いについて考えているところです。
「資本と負債の違いは何か?」、という点について考えてみますと、
議決権の有無といった法理的な観点からではなく、会計面や法人税法の観点からの方が説明できるかもしれないな、と思っています。
負債に関する費用は法人税法上損金算入できますし、資本に関する費用は法人税法上損金算入はできないわけです。
では、例えば、借入金の支払利息の原資を利益剰余金に求めることはできるでしょうか。
そして、優先株式の配当金の原資を利益剰余金以外に求めることはできるでしょうか。
概念的に考えても、法人税法に照らしても他の法令や会計基準に照らしても、それはできないというのは分かると思います。
これは何を意味しているのかと言えば、貸借対照表で表現すれば、負債の部は負債の部内で取引が完了されるべきであり、
資本の部は資本の部内で取引が完了されるべきである、ということを意味しているのではないかと思います。
負債の部内で完了される取引に関しては、その費用は法人税法上損金算入でき、
資本の部内で完了される取引に関しては、その費用は法人税法上損金算入できない、
というふうに、概念上も、企業会計上も、法人税法上も、費用の概念を整理しているのだと思います。
「それに関する費用の支払いは何を原資とするのか。」で、
資本か費用かを概念的に(したがって法律的に)分けることができるのだと思います。
負債に関する費用というのは、特段に負債の部に計上されることはありません。
逆から言えば、負債に関する費用というのは、特段の事前計上された勘定科目なしに支払うことができる、ということです。
一方、資本に関する費用というのは、明確に資本の部に予め計上されていなければならないものです。
逆から言えば、資本に関する費用というのは、利益剰余金がなければ絶対に支払えないものであるわけです。
そして、資本の部に予め計上されたその利益剰余金というのは、法人税を支払い終わった後の金額でなければならないわけです。
資本に関する費用というのは、現金支出という観点から見れば経営上の費用という言い方になりますが、
税法理上は会社が稼いだ利益を出資者に分配しているだけだ、という見方になりますから、
法人税法上は資本に関する費用、すなわち、配当金の支払いは損金算入はされないわけです。
ここで重要なのは、それは資本なのか負債なのかが明確に区分されていなければならない、という点なのだと思います。
そうでないと、それに関する費用の支払いの原資が不明確になってしまうでしょう。
実務上の話をすれば、法人税法上、その現金の支払いは損金算入を認めてよいものかどうかが不明確になる、ということになると思います。
ある証券が優先株式なのかそれとも借入金なのかは、税法理上は定義付けが難しいように思います。
その証券は資本金を構成していると言われれば優先株式ということになるのかもしれませんし、
その証券は負債の部に計上されていると言われれば借入金ということになるのかもしれません。
しかしここで、利益剰余金というのは、資本に関する費用を事前計上したもの(利益分配の原資)、という見方をしてみますと、
優先株式の償還の説明が付かないように思います。
なぜなら、優先株式の償還は、費用の支払いではなく、元本の償還という見方になってしまうからです。
他の言い方をすれば、利益剰余金は、本来は費用の支払いにしか使えないにも関わらず、
元本の償還に使ってしまっている、という言い方になるのだと思います。

 


この論点は優先株式だけではなく、自己株式の取得全般に当てはまる論点になろうかと思いますが、
この論点を取引の相手方の立場から見れば、会社の利益剰余金は自身(出資者)にとっては本来は損益取引にしかならないものだ、
という言い方ができるような気がします。
利益剰余金を原資に何らかの現金を会社から受け取った、それは全て損益取引ということになるのではないでしょうか。
なぜなら、その人は利益の分配を受け取ったからです。
配当とは、現に会社が稼いだ利益を受け取ることです。
別の言い方をすると、利益剰余金は出資の払戻しには本来使えないものだ、という言い方になるのだと思います。
利益剰余金は、利益の分配にしか使えません。
この考え方を踏まえれば、優先株式にせよ普通株式にせよ、実は資本の払戻しの原資は資本金のみだ、
という考え方に行き着くのではないかと思います。
資本金は資本の払い込みを受けたものです。
資本を払い戻すとなると、その原資は資本金であるべきだと考える方がむしろ自然であるように思います。
そこに債権者保護の観点を持ち込むから、資本の払戻しの原資は利益剰余金であるべきだ、という理屈が出てくるのだと思います。
確かに、債権者保護の観点は債権者保護の観点でもちろん重要です。
しかし、「資本と株式のつながり」、そして、「利益剰余金は会社が稼いだ利益を分配するためのものだ」、
という観点から考えていくと、やはり、資本の払戻しの原資は資本金であるべきだ、という考え方に行き着くと思います。
利益剰余金を原資に株式を償還する、という考え方を制度上の前提にするならば、
優先株式の発行や償還という考え方が出てきてしまう、というだけなのではないでしょうか。
利益剰余金を原資にして株式を償還するという考え方などない、ということを前提するならば、
その証券が資本か負債かは実は自ずと一意に決まる、ということではないでしょうか。
償還があるなら負債であり、償還がないなら資本だ、の一点で説明が付くように思います。
もちろん、例えば優先株式に関してであれば、配当金の算定方法・支払方法や議決権の有無などの論点も別途あろうかと思いますが、
基本的には、償還ということがあるのかどうかが、資本か負債かの違い、ということではないでしょうか。
法人税法の観点から言えば、償還される証券に関する費用の支払いは損金算入を認め、
償還されない証券に関する費用の支払いは損金算入を認めない、
というふうに費用の概念を整理できないでしょうか。
償還されない証券に関する費用の支払いは損金算入を認めないとは、利益剰余金のみが費用支払いの原資ということであり、
そして、利益剰余金を原資として会社から現金を受け取った場合は、全て損益取引(会社から利益の分配を受けたもの)である、
という意味になります。
利益剰余金は利益の分配にしか使えない、このように考えないと、ある証券が資本か負債かに答えが出ないのだと思います。
法人税法の観点から言えば、その証券に関する費用の支払いについて損金算入を認めるか否かは、
その証券は償還されるか否かで決まる、という言い方になるのだと思います。