2015年3月31日(火)


2015年3月31日(火)日本経済新聞
バンダイナムコ パックマンやゼビウス 懐かしゲーム 利用権を開放
音楽やシナリオ、自由に 眠る知財、収益源化
(記事)




2015年3月23日(月)日本経済新聞 法務
音や動き 商標登録可能に 新たな工夫必要
東レ 独自技術の視覚化
久光 CMのメロディー
(記事)



特許庁
更新日 2015年3月30日
新しいタイプの商標の保護制度について
ttps://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/new_shouhyou.htm

 


【コメント】
明日4月1日に改正商標法が施行されるようです。
改正点は、記事を引用すると以下のようになります。

>現在、日本で出願できる商標は文字、図形、記号、立体、それらの結合、それらと組み合わせた色彩。
>新たに「動き」「音」「ホログラム」「色彩」「位置」の5つが加わる。

「色彩」や「位置」に関しては、従来の文字やロゴマークと概念的に近いのだと思いますが、
やはり「音」と「動き」(「ホログラム」も「動き」に含まれると思います)は、
これまでの商標とは極めて大きく異なる”自社”表現なのだろうと思います。
特に、「音」というのはこれまで全く商標とは考えられてこなかった表現分野であろうと思います。
「音」と言いますと、CDをはじめ、既に音楽の著作権というものがあります。
ここで保護しようとしているのは、何分間にも及ぶ歌や楽曲ではなく、
時間で言えばおそらく10秒未満の長さのリズムやテンポなのだろうと思います。
そのリズムや音声を聞けば、消費者が「ああ、あの企業か。」と分かる「音」を、商標権として保護しようということなのだと思います。
記事で紹介されている「ヒ・サ・ミ・ツ」や、ソニーの「It's a sony.」であれば、
企業が消費者に訴えかけたいブランド名(識別要素)が既に文字やロゴマークに含まれているわけです。
しかし、例えば「元気ですか?」だけだと、この世の誰もが行うただの挨拶であるわけですから、
「元気ですか?」という文字だけでは商標にならなかったわけです。
しかし、あの有名なアントニオ猪木氏がマイクを持って叫んだ時の「元気ですか?」ですと、それはもはや挨拶の言葉ではなく、
その言葉を聞くと「ああ、あのアントニオ猪木さんか。」と世の人々(消費者)が識別できるれっきとした自己表現であるわけです。
ですので、アントニオ猪木氏であれば、マイクを持って叫んだ時の声・抑揚・リズム・テンポを含めて1つの「音」として、
「元気ですか?」を商標として登録することができるのだと思います(明日4月1日から出願できるのだと思います)。
もちろん、商標として認められるためには、一定の使用実績があることやその人固有の表現方法であることが必要だと思いますので、
他の人がアントニオ猪木氏のものまねをして「元気ですか?」を出願しても、それは商標として認められないわけです。
他にも、アントニオ猪木氏であれば、
あの「1、2、3、ダー!」の掛け声と動作(身振り)は商標として認められることになるのだと思います。
もちろん、「1、2、3、ダー!」もアントニオ猪木氏固有の表現方法ですので、他の人が出願しても、商標として認められません。

 


特許庁からの発表を読みますと、新たに商標の登録ができる「動き商標」の定義は、
 
>文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標(例えば、テレビやコンピューター画面等に映し出される変化する文字や図形など)

とのことです。
ひょっとすると、「動き」が商標として認められるのは、文字や図形等の「動き」のみであって、
自然人や動物やキャラクターの「動き」は商標として認められないのかもしれません。
もしそうだとすると、たとえアントニオ猪木氏であっても、
あの「1、2、3、ダー!」の掛け声と動作(身振り)は商標としては認められない、ということになります。
「音商標」は、

>音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標(例えば、CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など)

ということですので、声・抑揚・リズム・テンポを含めた「元気ですか?」は、商標として登録することができるのだと思います。
正確なところは、特許庁に問い合わせていただければと思います。

 


いずれにせよ、「音」と「動き」というのは、これまでの商標とは決定的に違う表現方法であると言えます。
これまで「音」や「動き」が商標として認められてこなかった理由は、
「音」や「動き」を定義するのが技術的に難しかったからというわけではないと思います。
楽譜は大昔からあるでしょうし、マルチメディアという言葉がはやったのは20年以上前でしょうか、
「音」をCD-Rやmp3ファイルのような形式で表現・定義することはこれまでも容易にできたのではないかと思います。
また、「動き」に関しても、寸劇の台本や舞台のシナリオを書くように、
「動き」も文字で記述・定義することはこれまでも容易にできたのではないかと思います。
音声(人の声)は楽譜には書けませんが、仮に他の人が真似をしたらすぐに分かるような形で
音声(人の声)も文字その他で定義できたのではないかと思います。
ですので、「音」や「動き」についても、商標権という形で保護しようと思えばこれまでもできたのではないかとは思います。
そういったことを考えますと、これまで「音」や「動き」が商標として認められてこなかった理由は、
商標の保護はあくまで「商取引を行う上での自己と他者との識別」のみを目的としたものだからであって、
特段に企業が消費者に自社をアピールする手段とすることは目的とはしてこなかったからだ、ということが背景にあるのだと思います。
商標は英語で「trademark」と言いますが、商取引において商標や trademark という言葉が意図・意味・目的とするものは、
本来的には「trade name」、すなわち、「商号」のことなのだと思います。
商号(trade name)というだけですと、商法(会社法)だけで十分保護されます。
他社の商号を自社で名乗る(商取引上使用する、登記その他を行う)ことは、商法(会社法)上認められないでしょう。
しかし、当世では、商法(会社法)上の商号とは別に、いわゆるブランド名を企業活動において前面に出すことが多いわけです。
ソニー株式会社(商号)のブランド名はソニーということで商号とブランド名が同じでしたが、
松下電器産業株式会社(商号)の場合は、ブランド名がパナソニックやナショナルということで、
商号とブランド名が異なっていたわけです。
他の会社は、松下電器産業株式会社という商号を名乗ることは商法(会社法)上認められなかったわけですが、
パナソニックやナショナルという名称を商号に用いることは、商法(会社法)上は可能であったわけです。
ですので、商法(会社法)とは別に、商標法という法律が作られたのだと思います。

 


商標法の目的は、パナソニックやナショナルといった、商法(会社法)上の商号とは異なる会社の識別子を保護することです。
ですので、商標として保護する範囲としては、文字やロゴマークだけで十分である、ということだと思います。
商号からブランド名へと会社の識別子を拡張したように、ブランド名に加え「音」と「動き」も会社の識別子として保護しよう、
というのがこのたびの商標法の改正なのだと思います。
元来的には、会社の識別子は「商号」のみだ、と理解しなければならないと思います。
商標の目的は、消費者へのアピールではなく、商取引上他社と自社とを識別することなのです。
商標とは、「商号」同様、商人が営業上、自己を表示するために用いる名称の一類型のことだ、と理解しなければなりません。
「音」や「動き」は商号ではないように、「音」や「動き」は商標ではない、というのがこれまでの考え方だったのだと思います。
商標とは、商法(会社法)上の「商号」に加えて会社が用いる、商標法保護されたもう一つの「商号」のことだ、
と理解するとよいでしょう。
他の言い方をすると、商号も商標もどちらも同じ会社名(会社の名称)のことなのだが、
商号の根拠法は商法(会社法)であり、商標の根拠法は商標法というだけだ、と理解するとよいと思います。
元来的には、商標に消費者にアピールするという目的は一切ない、と理解するとよいと思います。

 

 



2015年3月16日(月)日本経済新聞 公告
新設分割公告
株式会社ガイア
(記事)





【コメント】
昨日、岡山紙業株式会社が実施する吸収分割について書きました。
新設分割と吸収分割の違いを仕訳で表現してみましょう。


会社を設立する仕訳(仕訳@)

(現金)xxx / (資本金) xxx


承継会社が事業を承継する仕訳(仕訳A)

(承継する諸資産) xxx / (承継する諸負債) xxx
                     (資本金) xxx

 

「まず先に@の仕訳を切って会社を設立し次にAの仕訳を切って事業を承継する」という会社分割が「吸収分割」、
「@の仕訳は全く切らずにいきなりAの仕訳を切って会社を設立する(同時に事業を承継する)」という会社分割が「新設分割」、
となります。
仕訳@と仕訳Aを切る時間的な”間”は会社法上全く問題になりません。
また、仕訳@を切った後、その会社で何らかの事業を営んだか否かも会社法上全く問題になりません。
乱暴に言えば、いきなりAの仕訳を切って会社を設立する会社分割が新設分割、それ以外の会社分割は全て吸収分割、と整理できます。

 

 


2015年3月31日(火)日本経済新聞
非上場株 減額認めず 将来の収益性で計算なら 最高裁、株主訴え認める M&A、算定方法統一へ
(記事)



【コメント】
That a thing is able to be transferred requires that the value of the thing is able to be seen objectively.

あるものを譲渡することができるためには、その価額は客観的に分かるということが必要です。

 


This discussion is true especially in case of a stock.

この議論は、株式の場合に特に当てはまります。

 


But at the same time, generally speaking, people are able to transfer a thing they own at any price.
In this context, the fair value of the thing is determined between the parties.

しかし同時に、一般的なことを言えば、人は所有物を自由な価格で譲渡することができます。
この文脈においては、ものの公正な価額は当事者間で決まる、ということになります。

 



All things considered, the reason why a part of the shareholders are complaining about the value of the stock to court
is that they have never agreed about the stock acquisition price with the buyer.
And, the reason why they have never agreed about the stock acquisition price with the buyer
is that the M&A has been approved by the resolution of a meeting of shareholders of the company.

あらゆることを考えてみると、一部の株主が裁判所へ株式の価額について不平を言っている理由は、
それら一部の株主は株式取得価額について買い手と同意をしていないからなのです。
そして、それら一部の株主が株式取得価額について買い手と同意をしていない理由は、
その組織再編行為については会社の株主総会決議で承認されたからなのです。

 

Decision by majority often implies that minority are not able to agree about something decided.
It sometimes comes up to a denial of ownership.

往々にして、多数決で事を決めるということは、少数の者達は決議されたことに同意をすることができないということを暗に含むのです。
それは時に、所有権の否定にまで及ぶのです。

 

What you call a meeting of shareholders enables majority to ignore minority.

いわゆる株主総会が、多数の者が少数の者を黙殺することを可能にしているのです。

 

Decision by majority itself is the cause of this suit.

多数決そのものが、この裁判の原因なのです。




2015年3月1日(日)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 @ 公務員45年
内閣5代で官房副長官 時代の節目、一瞬一瞬大事に
(記事)

2015年3月2日(月)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 A 少年時代
農作業、一度も苦にせず うれしかった 両親の喜ぶ顔
(記事)

2015年3月3日(火)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 B 九州大学へ
受験間際も家業手伝う ゴボウ掘り精神、後に役立つ
(記事)

2015年3月4日(水)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 C 長崎県庁
連日の法律問答が力に 片山氏らの存在、大きな刺激
(記事)

2015年3月5日(木)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 D 厚生省入省
まさかの不合格 直談判 人事課長に熱意訴え内定
(記事)

 


2015年3月6日(金)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 E 年金局
「二階級上の目線」を意識 多士済々の上司、活気あふれ
(記事)


2015年3月7日(土)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 F 鍛錬
「名局長」の宿題に合格 苦闘3ヵ月、論文賞され自信
(記事)

2015年3月8日(日)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 G 結婚
足固め3年 元同僚を妻に 決断は早いが・・・両親気になり
(記事)

2015年3月9日(月)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 H 公害国会
規制法 経済官庁と激論 対策本部、縦割り破る先駆に
(記事)

2015年3月10日(火)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 I 環境庁長官
寄せ集め集団 走り出す 課員に雑誌記事書かせ鼓舞
(記事)

 


2015年3月11日(水)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 J 初の官邸
参事官は睡眠3時間 情報収集に国会内飛び回る
(記事)

2015年3月12日(木)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 K 厚生省復帰
国保予算 橋本氏と談判 老人保健法の成立 喜び格別
(記事)

2015年3月13日(金)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 L 官房総務課長
法案根回し、与野党奔走 村山氏の誠実な人柄に敬意
(記事)

2015年3月14日(土)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 M 首席内閣参事官
後藤田氏らに仕え充実 御用邸での認証式に緊張
(記事)

2015年3月15日(日)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 N 竹下内閣
無念の退陣 心込め案文 表明前日、庭伝いに部屋へ
(記事)

 


2015年3月16日(月)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 O 大喪の礼
極秘準備 行政官の宿命 崩御の朝「空白」なく臨時閣議
(記事)

2015年3月17日(火)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 P 局長・官房長
子育て支援 総理演説に つらかった、幹部の肩たたき
(記事)

2015年3月18日(水)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 Q 厚生次官
政局激動、大臣3人交代 小沢氏の情報に助けられ
(記事)

2015年3月19日(木)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 R 内閣官房副長官
村山内閣で危機管理 破防法適用 決断の舞台整え
(記事)

2015年3月20日(金)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 S 戦後50年
村山談話朗読 異論なし 熱い思い 静まり返る閣議室
(記事)

 


2015年3月21日(土)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 21 橋本内閣
普天間返還 これぞ政治 トップ会談 一気合意に感動
(記事)

2015年3月22日(日)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 22 行政改革
省庁再編 橋本氏の執念 さなかの公務員不祥事 痛恨
(記事)

2015年3月23日(月)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 23 小渕内閣
組閣 元総理の起用進言 ブッチホン 奥底の鋭さ実感
(記事)


2015年3月24日(火)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 24 自自公連立
政策安定 法案ラッシュ 野中長官の情熱と優しさ
(記事)

2015年3月25日(水)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 25 万一のとき
総理倒れる 対応に悔い 青木長官の率直な説明 感服
(記事)

 



2015年3月26日(木)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 26 森内閣
退路断ち切り省庁再編 「官僚丸投げ」批判は当たらず
(記事)



2015年3月27日(金)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 27 小泉内閣
ハンセン病救済へ連携 「やれるのか!」道開け総理叫ぶ
(記事)

2015年3月28日(土)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 28 番記者と
正解には「ノーコメント」 特ダネもらさずミスさせず
(記事)

 


2015年3月29日(日)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 29 8年7ヵ月
新官邸完成、退官を決意 すっと立ち、手握った小泉氏
(記事)

2015年3月30日(月)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 30 皇室との縁
皇位の安定継承願う 典範、有識者会議で議論
(記事)

2015年3月31日(火)日本経済新聞 私の履歴書
古川 貞二郎 31 使命感
政治主導生かす 官の志 生まれ変わっても公務員に
(記事)