2015年2月10日(火)
2015年2月10日(火)日本経済新聞 公告
投資主総会開催及び基準日設定公告
ヒューリックリート投資法人
投資主総会開催及び基準日設定公告
日本アコモデーションファンド投資法人
(記事)
2014年11月27日
ヒューリックリート投資法人
第1期
有価証券報告書
ttp://hulic-reit.co.jp/file/news-5f5e08c3f7c37c1ba9087b1f06de7e4e8a003738.pdf
ヒューリックリート投資法人投資法人規約(2014年2月7日)
ttp://hulic-reit.co.jp/file/library-fd906e96b9aee44a402d1911f1fc891e00a5126a.pdf
日本アコモデーションファンド投資法人 IRカレンダー
ttp://www.naf-r.jp/ir/7-3.html
日本アコモデーションファンド投資法人規約(改定:
平成26年3月1日)
ttp://www.naf-r.jp/ir/pdf/kiyaku_140301_01.pdf
【コメント】
一般に、営業期間の末日を「決算期」と言います。
ヒューリックリート投資法人も日本アコモデーションファンド投資法人も、決算月(決算期)は毎年「2月」と「8月」となっているようです。
他の言い方をすると、両投資法人の営業期間は、@毎年3月1日から8月末日までそしてA毎年9月1日から翌年2月末日まで、であるわけです。
ただ、ヒューリックリート投資法人は「2014年8月期」が「第1期」だったようです。
現在の営業期間である「2015年2月期」は、「第2期」になるようです。
ヒューリックリート投資法人の投資法人規約には、
>但し、本投資法人の第1 期営業期間は、本投資法人成立の日から平成26 年8 月末日までとする。
と書かれています(第34条「決算期」)。
ヒューリックリート投資法人の「第1期 有価証券報告書」を見ますと、1ページ目の表紙に
>【計算期間】 第1期(自 平成25年11月7日 至 平成26年8月31日)
と書かれています。
事業年度(営業期間)の初日(会計期間の期首日)に会社を設立するということは実務上ほとんどないでしょうから、
どの会社でも、「第1期」は変則的な日数(計算期間)となることがほとんどだと思います。
ただ、ヒューリックリート投資法人の場合は、最初の「決算期」(この場合具体的には2014年2月28日)を超えて、
次の「決算期」を営業期間の末日と定め、第1期の営業期間としています。
基本的には、たとえ「第1期」目と言えども、そしてたとえ規約に第1期目の営業期間に関する特段の定めを置いたとしても、
会社の営業期間・事業年度・会計期間が1つの「決算期」を超える、という考え方は概念的にないのではないかと思います。
そもそもの話として、営業期間の末日を「決算期」と言うわけですから。
投資法人の設立の日は規約を作成している段階で概ね固まっている(この場合は大体2013年11月上旬くらいだと)でしょうから、
ヒューリックリート投資法人の第1期営業期間は「投資法人成立の日から2014年2月末日まで」とするべきであったと思います。
それで、以上の「決算期」の考え方を踏まえた上で、ヒューリックリート投資法人と日本アコモデーションファンド投資法人の
「投資主総会開催及び基準日設定公告」を見てみましょう。
公告の内容はどちらもほとんど同じですので、両投資法人のことを会社と書きます。
この公告には、簡単に言えば、会社は2015年5月下旬に投資主総会を開催するのだが、その基準日を「2015年2月28日」と定めた、
と書かれています。
「2015年2月28日」は営業期間の末日(決算期)ですので、基準日が「2015年2月28日」であるのはある意味当たり前のことであるわけです。
では逆に、基準日が営業期間の末日(決算期)以外であるということがあり得るのでしょうか。
投信法や会社法には、基準日は営業期間の末日(決算期)でなければならない、とは書かれていないようです。
しかし、分配金や配当金は営業期間の末日(決算期)の貸借対照表から支払うわけですから、
法理と会計のつながりを踏まえれば、基準日は営業期間の末日(決算期)であると一意に決まると思います。
会社が基準日をわざわざ設定するということは本来は必要ないはずですし、
また逆に、基準日を営業期間の末日(決算期)以外に設定することも本来は認められないはずです。
それから、法人税法の観点から言えば、会社が分配金や配当金を支払う際には、貸借対照表が確定していなければならないわけです。
そのことを踏まえれば、会社が分配金や配当金を支払うことができるのは、
法人税額が確定するサイクルと同じサイクルである「1年に1回」だけ、ということになるわけです。
その意味では、投資法人が6カ月間を1営業期間と区切って、年に2回分配金を支払っているのは、
法人税法の趣旨や観点から言えば、本来は間違いであるわけです。
投資法人も、本来は、営業期間は1年間としか定められないわけです。
ただ、この点について考え出すと、いろいろと議論できる部分はあります。
例えば、法人税法上、計算期間を「6ヶ月間」で明確に区切って法人税額を確定する、
という考え方も理屈ではあるのかもしれないなと思います。
この場合、投資法人は、6ヶ月ごとに確定した法人税額を納付する、ということになるわけです。
投資法人が6ヶ月ごとに確定した法人税額を納付した後であれば、投資法人が6ヶ月ごとに分配金を支払うことも認められると思います。
予め明確に「決算期」を定めておけば、法人税額を6ヶ月ごとに確定させていきそして納付していくことは
何ら不平等な課税ということにはならないとは思います。
しかし、客観性・透明性・公平性により重きを置いて、法人税額の計算期間は1年間のみ、と法人税法は定めているのだと思います。
最後に、最初の方で、ヒューリックリート投資法人の第1期の営業期間がおかしいという点について、
>会社の営業期間・事業年度・会計期間が1つの「決算期」を超える、という考え方は概念的にないのではないかと思います。
と書いたかと思います。
これは法人税法も同じ考え方(定め)になっていると思います。
たとえ投資法人が規約で
>但し、本投資法人の第1 期営業期間は、本投資法人成立の日から平成26 年8 月末日までとする。
と定めても、投資法人が法人として税務当局に届出を提出した「法人の決算期」毎に法人税は課税される、ということだと思います。
ヒューリックリート投資法人が税務当局に何月を「法人の決算期」と届出を提出しているのかは分かりませんが、
6ヵ月毎に課税されたり、届出を提出した決算期を超えて課税額の計算期間が認識される、ということは法人税法上はないと思います。