2014年11月10日(月)



2014年11月1日(土)日本経済新聞
オリンパス、上方修正 4〜9月 220億円の最終黒字
(記事)





2014年10月31日
オリンパス株式会社
業績予想の修正に関するお知らせ
ttp://www.olympus.co.jp/jp/common/pdf/td141031.pdf

 


2014年11月7日
オリンパス株式会社
平成27年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
ttp://www.olympus.co.jp/jp/common/pdf/brief147PA_4.pdf

 



【コメント】
記事には、2014年4〜9月期の連結最終損益が従来予想よりも増加したことについて、

>法人税負担が想定より減ったことも寄与した。

と書かれています。
プレスリリース(1/1ページ)には

>営業利益の増益に加え、営業外損益の改善や法人税等が当初の予想に比べ減少したことなどにより、
>四半期純利益が前回発表の予想値を上回る見込みとなった

と書かれています。
「業績予想数値の修正」の表を見ますと、営業利益、経常利益が前回発表予想よりも上回っています。
ただ、売上高だけは微減(ほとんど横ばい)です。
そして、法人税等だけは予想よりも減少の見込みということで、その結果、特に四半期純利益は大幅に増加するという予想となっています。
しかし、基本的には、記事やプレスリリースにあるような利益額の増加の仕方はあり得ません。
現金ベースで考えてきますと、営業利益や経常利益といったいわゆる税引き前の利益額が増加する場合は、
法人所得税も増加するからです。
つまり、税引き前利益が増加する場合は、法人所得税も増加するため、税引後の利益の増加額も一定度に抑えられてしまうわけです。
オリンパス株式会社が当初、法人所得税についてどのような予想を行っていたのかは分かりませんが、
期中に法人税率が変更になることはあり得ないでしょうから、本当に法人所得税が当初の予想よりも減少したのなら、
それはイコール当初の予想よりも課税所得額そのものが減少してしまったということを意味しているわけです。
課税所得額が当初予想よりも減少した、それはイコールまさに業績が悪いということです。
法人税額が減少したことは、その意味では実は決して喜ばしいことではないのです。
また、営業利益や経常利益は課税所得との関連性が相対的に非常に強いため、
営業利益や経常利益が増加したのに課税所得だけは減少するということが本当にあり得るのだろうか、とは思います。
損金算入可能な特別損失を計上したとも考えられますが、それなら、当期純利益も減少するかと思いますので、辻褄が合いません。
企業会計上は損失を計上したが税務上は損金算入されなかった、というのはあると思います。
しかし、企業会計上は損失を計上していないのだが税務上は損金算入された(税法上のある損金項目を企業会計上費用計上しなかった)、
具体的には例えば、有形固定資産の減価償却費を、税法上は損金算入したが企業会計上は費用計上しなかった、
という会計処理方法は債権者保護(保守主義の原則)の観点から絶対に認められません(発生した費用の計上先送りそのものでしょう)。
そういったことを考えると、このたびのオリンパス株式会社が発表しているような利益額の増加の仕方はあり得ないのです。

 


税引き前の利益が増加すると法人所得税も増加し、その結果、税引後の利益の増加額は一定度に抑えられる、ということを表にしてみました。
どのケースにおいても、税引き前の利益の増加額ほどは税引後の利益額は増加しない(ただし、増加率のみは同じ=比例するという意味です)、
ということが見て取れるかと思います。


    
"On the cash basis accounting, a corporate income tax is in proportion to a profit before a corporate income tax,
and a net profit is in proportion to a corporate income tax."    
「現金主義会計では、法人所得税は税引前当期純利益に比例し、当期純利益は法人所得税に比例する。」

(PDFファイル)

 

(キャチャー画像)

 



ところで、オリンパス株式会社の決算短信を見ていて驚くような勘定科目がありました。


連結損益計算書
(9/14ページ)


何と、「過年度法人税等」とのことです。
税というのは全て、各年度年度に帰属しているもの(各年度年度毎に納税者が負担しなければならないもの)です。
税に年度をまたぐという概念はありません。
過年度法人税等を当期に支払うということ自体が概念的にあり得ないかと思います。

ただ、過年度に支払った税額に間違いがあり、当期に不足していた分を支払った、ということはあり得ると思います。
その場合、損益計算書上どのように記載するべきでしょうか。
1つは、過年度の費用の修正ということで特別損失に計上する、という方法が考えられます。
もう1つは、実はこの損益計算書のように、当期の法人税等と並べる形で記載・表示・開示する、という方法が考えられると思います。
というのは、過年度に支払った税額の間違いというのは、当期の費用ではない、という言い方ができるのではないかと思ったからです。
もちろん、当期に修正したという意味では、やはり当期の修正損益ということになると思います。
ただ、何と言いますか、当期の税引き前利益と当期の法人所得税との整合性を鑑みますと、
過年度に支払った税額の間違いは、当期の税引き前利益に反映させるべきではない、という考え方もあるのではないかと思います。
法人所得税に関する記載場所は、税引き前利益と税引き後利益との間というふうに捉えますと、
過年度に支払った税額の間違いは、「修正申告による過年度法人税支払額」といった勘定科目名で当期の法人税等と並べて記載する、
という考え方もあるのではないかと思います。
要するに、その法人所得税の発生原因は過年度にある、と考え、当期の税引き前利益に反映させない、と考えるわけです。
どちらにせよトータルの利益剰余金の減少額は同じになるわけですが、損益計算書の記載場所について考えてみました。
念のため書いておきますと、「過年度法人税等」は好意的に解釈すると、税効果会計における「法人税等調整額」のことである、とも取れます。
ただ、ここでは、税法上・税務理論上は「当期に支払う税額に、過年度分も来年度以降分もない」、という点を強調しておきたいと思います。
過年度の法人税を当期に支払った、ということは、過年度の課税所得が当期にある、という意味不明なことになってしまうわけです。
税務理論上は、過年度の課税所得は過年度のみに帰属しており、当期の課税所得は当期のみに帰属しているのです。

So, you have sales prior periods behind you, don't you?
それなら、「過年度売上高」もあるんですね?

 

 


2013年11月16日(土)日本経済新聞
■サニーサイドアップ 純利益66%減に下方修正
(記事)


2013年11月15日
株式会社サニーサイドアップ
子会社の異動(持分譲渡)とこれに伴う特別損失の発生及び業績予想の下方修正に関するお知らせ
ttp://cdplus.jp/company/download/241523/36752.pdf

 

 

2014年7月30日(水)日本経済新聞
日立金4〜9月 純利益2.6倍に 従来予想上回る
(記事)


2014年2月3日
日立金属株式会社
株式会社ジェイ・パワーシステムズの株式譲渡契約締結のお知らせ
ttp://www.hitachi-metals.co.jp/ir/ir-news/20140203.pdf

 

2013年11月29日
日立金属株式会社
株式会社ジェイ・パワーシステムズの株式譲渡・取得にかかる基本合意書の締結に関するお知らせ
ttp://www.hitachi-metals.co.jp/ir/ir-news/20131129.pdf

 


2014年10月31日(金)日本経済新聞
昭電工の純利益 1〜9月68%減 有価証券評価損響く
(記事)


2014年10月30日
昭和電工株式会社
平成26年12月期第3四半期決算短信
ttp://www.sdk.co.jp/assets/files/ir/library/pdf_tanshin/tanshin2014-3q.pdf

 

2014年7月31日
昭和電工株式会社
投資有価証券評価損(特別損失)の計上、第2四半期累計期間業績予想との差異、 および通期業績予想の修正に関するお知らせ
ttp://www.sdk.co.jp/assets/files/news/2014/20140731_sdknewsrelease_1j.pdf

 


2014年10月31日(金)日本経済新聞
住友電、純利益786億円 4〜9月3倍
(記事)


平成26年10月30日
住友電気工業株式会社
平成27年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
ttp://www.sei.co.jp/iv/pdf/h27_02.pdf

 

2014年7月16日
住友電気工業株式会社
住友スリーエム株式会社の株式売却及び特別利益の計上に関するお知らせ
ttp://www.sei.co.jp/news/press/14/prs065_s.html

 



2014年11月1日(土)日本経済新聞
JVCケンウ30億円赤字
(記事)




2014年10月31日
株式会社JVCケンウッド
2015年(平成27年)3月期 第2四半期決算短信
ttp://www.jvckenwood.co.jp/press/2014/10/press_141031_01.pdf

 

2014年6月17日
株式会社JVCケンウッド
子会社の株式譲渡完了に関するお知らせ
ttp://www.jvckenwood.co.jp/press/2014/06/press_140617.pdf

 

2014年5月14日
株式会社JVCケンウッド
子会社の株式譲渡および特別損失の発生に関するお知らせ
ttp://www.jvckenwood.co.jp/press/2014/05/press_140514_01.pdf

 


2014年11月1日(土)日本経済新聞
資生堂、経常益49%減 今期260億円に下方修正 中国で化粧品在庫圧縮
(記事)


2014年10月31日
株式会社資生堂
平成27年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
ttp://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20141031_945.pdf

 

 

2014年11月1日(土)日本経済新聞
住商、最終赤字384億円 4〜9月 米シェール開発で減損
(記事)


2014年9月29日
住友商事株式会社
通期連結業績予想、配当予想の修正、剰余金の配当(中間配当)、固定資産の譲渡及び減損損失の発生に関するお知らせ
ttp://www.sumitomocorp.co.jp/files/topics/28039_ext_31_0.pdf

 



2014年11月1日(土)日本経済新聞
第一三共が下方修正 純利益今期7%増
(記事)




2014年10月31日
第一三共株式会社
平成27年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
ttp://www.daiichisankyo.co.jp/ir/calendar/files/005246/平成27年3月期%20第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結).pdf

 



【コメント】
記事は上から順に、

株式売却損(関係会社出資金売却損)、株式売却益(投資有価証券売却益)、投資有価証券評価損(特別損失)、
関連会社株式売却益(投資有価証券売却益)、関係会社株式売却損、
棚卸資産評価減(棚卸資産減損損失)、
投資有価証券評価損(個別上)、関係会社貸倒引当金繰入額(個別上)、固定資産評価損(連結上)、
連結子会社が他社と合併を行う場合(その連結子会社株式は過年度に減損処理を行っている)、

について書かれてあります。

 



株式の価額についてですが、利益の内部留保ということを考えますと、やはり「株式の価額は毎期変動する」という結論になると思います。
「利益の内部留保を行えば行うほど、株式の価額は大きくなる。」、この結論自体はやはり意見の分かれようがないと思います。
株式売却損益や株式評価損が発生すること自体は、株式の価額の変動性を考えれば、結果的に当たり前のことと言えると思います。
ただ、この結論は、利益の内部留保を所与のものとした場合の話になります。
戦前の株式会社制度であれば、利益の内部留保を行いませんから、株式の価額は資本金の価額と常に一致していたわけです。
つまり、「株式の価額は決して変動しない。」という結論になるわけです。
この場合、株式の売買に際し、売却損益は発生しないということになります。
それで、なぜ戦前の株式会社制度の話をしているのかと言えば、「そもそも証券とは何だろうか?」、と最近よく考えるからです。
証券の概念にまでさかのぼれば、そもそも証券の価額は変動すること自体がない、というのが元来の証券の捉え方なのだろうと思います。
簡単に言えば、ある証券を持っているだけでその価値が高まるなどということはない、と考えると、
証券の価値というのは決して変わらないのではないか、と思えてくるわけです。
「証券の価額は決して変動しない。」、というのが証券に関する基本的考え方なのだろうと思います。
全般的に言えば、証券の売買に際し、売却損益は発生しないということになります。
このことは、証券の捉え方として、「証券の価額は元本額のみで価値判断する・評価する」という考え方が背景にあるのだろうと思います。
利率年5%の貸付金(貸し付けたことの証書)「100円」と利率年10%の貸付金(貸し付けたことの証書)「100円」、
どちらの貸付金が価値が高いかと言えば、誰がどう見てもやはり利率年10%の貸付金の方でしょう。
利率年5%の貸付金の方が価値が高いと考える人間はこの世に1人もいないでしょう。
しかし、貸付金の価額(証券の価額)はどちらも「100円」であるわけです。
そして、本来は債権を譲渡するという考え方は民法にないわけですが、話の簡単のためここでは債権の譲渡を所与のものとすると、
その貸付金の譲渡価額は必ず「100円」ということになるわけです。
その貸付金を「100円」以外の価額で譲渡すると、譲渡損益が認識されるわけです。

 


ある1人の人物Aさんが、利率年5%の貸付金「100円」と利率年10%の貸付金「100円」の両方を持っているとします。
ここで、Aさんが、利率年5%の貸付金「100円」をBさんに譲渡し、利率年10%の貸付金「100円」をCさんに譲渡するとします。
するとAさんは、Bさんから譲渡代金100円を受け取り、Cさんからも譲渡代金100円を受け取るわけです。
利率年5%の貸付金「100円」と利率年10%の貸付金「100円」とは明らかに価値が異なるにも関わらず、
Aさんは貸付金の対価としてはどちらも同じ「100円」しか受け取っていないわけです。
価値が異なるものを譲渡したならば、受け取る対価も当然違っていなければならないのではでしょうか。
AさんはBさんからもCさんからも同じ「100円」を対価として受け取ったということは、
AさんはBさんにもCさんにも全く同じ価値があるものを譲渡した、ということを意味しないでしょうか。
貸付金の利率が異なる以上、AさんはBさんにはCさんよりも低い価額で、そして、CさんにはBさんよりも高い価額で貸付金を譲渡したい、
と考える方が自然と言いますか、目的物の価値に合致した譲渡価額となるのではないでしょうか。
逆から言えば、この2つの貸付金の譲渡価額が同じ価額であれば、Bさんに不利でありCさんに有利、となるわけです。
Bさんは、貸付金の譲渡価額がCさんと同じなのはおかしい、と思うでしょう。


結論だけ先に言えば、会計上は、証券は元本額だけでその価値を判断する・評価することにしている、ということになります。
証券の元本額、それが証券の価額です。
将来の受取利息合計額を考慮すれば、元本額とは異なる別の公正な価額というのが、証券にはあり得るわけです。
将来の受取利息合計額を考慮すれば、利率年5%の貸付金「100円」と利率年10%の貸付金「100円」とでは、公正な価額が異なるはずです。
しかし、会計上は元本額を証券の価額としています。
会計上は、貸付金の貸借対照表価額は貸付金の取得価額を表す、と整理することはできると思います。
しかし、その取得価額は、譲渡の際の公正な額を表してはいないわけです。
取得価額以外の価額で譲渡すると、譲渡益を認識されていまうわけです。

 


それで、この点について様々なことを考えていますと、ひょっとしたらと思うことがありました。
それは、
「証券は譲渡できない。」
という考え方です。
「証券というのは譲渡できないものである。」、と考えてみると逆に説明がつく気がしました。
証券というのは全て、何らかの権利と義務を表象するものであるわけです。
その権利や義務とは、金銭に関するものかもしれませんし、何らかの行為を請求するものであるかもしれません。
その内容は当事者間の契約により様々であるわけですが、とにかく証券というのは全て、何らかの権利と義務を表象するものであるわけです。
ただ、その証券の「価額」に関しては、金銭に関する権利義務の場合は証券に価額があるわけですが、
何らかの行為を請求・履行する権利義務の場合は証券に価額はない、という違いがあります。
いずれにせよ、証券における債権者と債務者は1対1の関係にあり、そして、お互いに権利を持ち義務を負っているわけです。
(注:「証券」とは元々は「借用証書」の意味であり、「証券」は一般に株券、公・社債券の総称とされています。
しかしここでは、証券を広く捉え、「証書全般」や「契約書類」と捉えています。価額がある証券を特に「有価証券」と呼ぶのだと思います。)
この時、証券は譲渡できるでしょうか?
証券に基づき、契約当事者は固有の権利をもち固有の義務を負っているのです。
証券の譲渡など、そもそもできないのではないでしょうか。
金銭は社会で極めて汎用性が高いために、何となく金銭に関する証券は譲渡できると感じるだけなのです。
証券というのはそもそも譲渡できないものである、したがって、貸付金も譲渡できない、
そう考えると説明が付く気がします。
貸付金は譲渡されないのならば、利率による価値の違いを気にする必要はない(価値の違いを気にする場面がない)わけです。
権利義務は譲渡できないと聞くと当たり前ではないかと思うわけです。
貸付金も同じではないでしょうか。

 



それで、話を最初に戻しますと、では株式の譲渡はどうなるのか、という話になるわけです。
株式は譲渡できることが株式会社制度における最大の特長の一つのはずではないか、という話になるわけです。
株式に関しては、株式も証券の1つですから、実は株式も譲渡できない、という考え方が実は証券の根幹にはやはりあると思います。
ただ、商行為の特則ということで、証券の中でも株式だけは譲渡できる、と商法で特別に・例外的に定めたのだと思います。
その理由は、簡単に言えば、資金調達を容易にするため、と説明できるのではないかと思います。
株式以外の出資を証するもの(出資金といったり出資証券といったりすると思います)についても、
それらも証券の1つですから、本来は譲渡できないのではないかと思います。
ただ、会社法やその他の特別な法律によって、出資は譲渡できる、と特別に定めてあるだけなのだと思います。
出資を証する証券も含め、証券は本来は全て譲渡できない、と考えるべきなのでしょう。
その理由は、先ほども書きましたように、証券は全て権利と義務を表象するものだからです。
ここでは株式の話をしますと、株式を譲渡するとは、権利者が変わるという意味です。
いわゆる物であるならばその所有者(所有権者)が変わるということはあると思います。
しかし、「義務を負っている者に対する権利」という意味での権利というのは、譲渡できないものではないでしょうか。
1つの権利義務関係の中で、権利者が変わるということは概念的にはないのではないでしょうか。
ただ、証券の中でも株式に限っては、「株主総会」という会社機関を概念的に想定し、株主は株主総会の構成員である、
というカラクリを設けることによって、構成員が変わるだけなら会社(債務者)と株主総会(債権者)との権利義務関係に影響は与えない、
という理屈を商法では理論構築しているのだろうと思います。
真の債権者は株主ではなく株主総会の方である、これが株式会社制度のカラクリなのです。
例えば配当は毎期常に株主総会が受け取ることにしているわけです。
株主総会はただ単に構成員に分配しているだけなのです。
構成員は変わっても差し支えはない、これが証券の中でも例外的に株式だけは譲渡できる理由なのだと思います。
そして、例えばREITでは「投資主総会」と言ったりするようですが、総称して言えば「出資者総会」が会社(法人)に対する権利者なのです。
出資を譲渡してよい形態を取っている法人は全て、この「出資者総会」に相当するものが法人機関としてあるのではないかと思います。
「出資者総会」が出資の譲渡を可能にするカラクリなのです。
「出資者総会」がない場合は、出資者は出資を譲渡できないのです。
漠然と言えば、株式というのは会社に対する権利を表象するものなのですが、
もう少し厳密に言えば、株式というのはあくまで株主総会の構成員であることを証する証券であり、
議決権というのは株主総会において行使できる議決権であり、決して会社に対する議決権ではない、という言い方ができるのだと思います。
株主総会において決議された内容に会社は従う義務がある、というだけなのです。
個々の株主と会社との間に株主総会が入っていると表現してもいいですし、
会社が取引をする相手(権利義務の関係を結ぶ相手)は、決して個々の株主ではなく、株主総会だけである、と表現してもいいと思います。
いずれにせよ、「証券は全てそもそも譲渡できないものである。」という点から話を始めると、きれいに説明が付くのではないかと思います。
民法の原則規定・基本的考え方から理解を進めていけば、商法や株式会社制度が深く理解できるのではないかと思います。