2014年9月26日(金)



LINE、年内上場見送り 「最適な時期ではない」

 無料対話アプリのLINE(東京・渋谷)は22日、日本と米国で準備を進めていた株式上場を年内は見送ると明らかにした。
7月までに東京証券取引所と米証券取引委員会(SEC)に上場申請書類を提出し、今秋の上場を目指していた。
年内は上場しない理由について同社は「新規株式公開(IPO)に最適な時期ではない」としている。
 LINEは世界で約5億人が利用するが、米フェイスブック傘下の「ワッツアップ」や中国のネット大手、
騰訊控股(テンセント)が手掛ける「微信(ウィーチャット)」などの類似アプリと競争が激しくなっている。
米国上場で海外の知名度を高め、調達した資金で利用者の獲得を一気に進める戦略を描く。
 上場すれば時価総額は1兆円を超え、今年の国内のIPOでは10月に予定される
リクルートホールディングスと並び最大規模になるとみられていた。
 LINEは日米に同時上場するか、どちらか一方に上場するか決めておらず、韓国の親会社のネイバーと検討していた。
ネイバー内で意見が割れており、決定を先送りしたもようだ。
 また、米連邦準備理事会(FRB)が7月にイエレン議長の米議会証言に合わせて提出したリポートで交流サイト(SNS)の
株価の割高感を指摘。LINEが中国で利用できなくなっていることなども、年内の上場を見送る背景になったようだ。
 LINEは上場申請を取り下げてはいない。株式上場を断念したわけでなく、「最適なタイミングで実施する」(同社)としている。
(日本経済新聞 2014/9/22 20:04)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HJC_S4A920C1TJ2000/


 


【コメント】
記事に書いてあります”株式の上場を目指している会社”というのは、

>LINE(東京・渋谷)

とのことです。
一応、日本に「LINE株式会社」という会社はあるようですが。

会社概要
ttp://linecorp.com/company


ただ、株式の上場は日本とアメリカの両方を計画しているようです。
また、本当かどうかはともかく、

>LINEは世界で約5億人が利用する

と書かれており、日本にある”LINE”という会社は日本の会社というより、
他の国の会社の日本法人という位置付けなのではないだろうかと思いました。
だとすると、日本の「LINE株式会社」の株式が上場されるとは異なるのだろうかと思いました。
過去の記事などを見ていましたら、「LINE株式会社」という会社は韓国の「NHN Entertainment Corp.」という会社の子会社のようです。
「LINE株式会社」自身、かつては「NHN Japan株式会社」という社名だったようです。
韓国の「NHN Entertainment Corp.」は、韓国国内で「ネイバー(Naver)」という検索サイトを運営しているようです。
日本の「NHN Japan株式会社」は会社分割等を経て、現在の「LINE株式会社」になったようです。
株式を上場させるといっているのは、韓国国内の(韓国法人の)LINE社なのだろうか、と思いました。
「LINE株式会社」のサイトには株式上場に関しては何も発表はなされていないようです。
ちなみに、日本の「LINE株式会社」の親会社である韓国の「NHN Entertainment Corp.」は既に上場しているようです。
それから、韓国の「NHN Entertainment Corp.」の日本子会社だと思いますが「ネイバージャパン株式会社」という会社も別にあるようです。
「ネイバージャパン株式会社」が上場するのとは異なるのだと思います。
ちなみに、「ネイバージャパン株式会社」は、あのライブドアを子会社化した後、2012年に吸収合併したようです。
あのライブドアが「ネイバージャパン株式会社」に引き継がれているというのはおもしろいなと思いました。

 


「LINE株式会社」(旧NHN Japan株式会社)の過去の関連記事やプレスリリースです↓。

 

2013年2月7日(木)日本経済新聞
NHNジャパン 社名LINEに ゲーム事業を4月分離
(記事)


2013年4月1日(月)日本経済新聞
■NHNジャパン 会社分割後も社名存続
(記事)


2013年5月24日(金)日本経済新聞 アジアNEXT
NHN(韓国) 検索最大手、LINEも傘下
ネット業界で圧倒的存在感
(記事)




2013年2月6日
NHN Japan 株式会社
会社分割計画に関するお知らせ
ttp://linecorp.com/press/2013/0206458

 

2013年4月1日
LINE株式会社
【LINE】商号変更に関するお知らせ/Information regarding Changes to Company Name
ttp://linecorp.com/press/2013/0401472

 

2013年4月1日
NHN Japan 株式会社
新会社設立のお知らせ
ttp://www.nhn-playart.com/press/index.nhn?m=read&docid=4419150

 

2013年7月16日
NHN Japan株式会社
商号変更に関するお知らせ
ttp://www.nhn-playart.com/press/index.nhn?m=read&docid=4638958

 

2013年8月1日
NHN Japan株式会社
8月1日よりNHN PlayArt株式会社へ  〜楽しさ(Play)を創造(Art)する企業に〜
ttp://www.nhn-playart.com/press/index.nhn?m=read&docid=4708349

 



韓国の「NHN Entertainment Corp.」と「Naver Corp.」のサイトはこちらです。
「NHN Entertainment Corp.」は「Naver Corp.」の親会社だと思いますので、これは親子上場ということになると思います。


NHN Entertainment Corp.
ttp://www.nhnent.com/

Naver Corp.
ttp://www.navercorp.com/


IRのページを見ると親子会社の関係にはないようです。
両社の関係はよく分からないなという印象です。


上の方に2013年2月6日の記事を紹介しているかと思いますが、
実は2013年2月6日にNHN Entertainment Corp.のサイトを見ていてある記述を見かけましたので紹介します。
新株予約権の発行に関するプレスリリースではなかったかと思いますが、今探しても見つかりませんので、
その時キャプチャーした画像を紹介します。

「キャプチャー画像」

 



私は韓国語は分かりませんので、グーグル翻訳で翻訳をしていたのですが、その時のものです。

「コール・オプション行使に対する自己株式処分」

と書かれています。
おそらく、新株予約権が行使されたら自己株式の処分を行う形で新株予約権者に自社株式を割当て交付する、という内容だったと思います。
それがどうかしたのか、と思われるかもしれませんが、自己株式というのはやはり何かおかしい気がするなと思ったのです。
法律上は、新株予約権が行使された場合に自己株式を交付することは認められるのだと思います。
新株予約権者にとっても、新株式を渡されようが自己株式を渡されようが財務的には全く同じです。
ただ、会社側にとっては、自己株式の取得価額と処分価額との差額はどのように考えればよいだろうか、と思うわけです。
自己株式の取得価額と権利行使価額とは何の関係もないはずだ、と言えばいいでしょうか。
会計上は差額は自己株式処分差損益で処理するだけだとは思います。
ただ、自己株式の取得と処分を会社側から見ると、ある証券を取得しそして売却していることと同じであるわけです。
ある証券の売却であるなら、売却損益が計上されるべきではないか、という考え方もあるように思います。
つまり、自己株式の処分は資本取引ではなく損益取引になるのではないか、という考え方もあるように思います。
これは「自己株式」をどのように定義するか(どのようなものと捉えるか)によって答えは変わってくるのだろうと思います。
自己株式を自社に対する権利を表象するものと捉えるなら、自己株式の処分は資本取引でしょう。
一方、自己株式は取得・保有した時点で一証券であるに過ぎないと捉えるのなら、自己株式の処分は損益取引でしょう。
自己株式のことを単なる一証券に過ぎないと見なす根拠というのは、
自社に対する権利を表象するものを保有できるのか、一証券に過ぎないと見なさないと保有できないのではないか、
という考え方になると思います。
株式というのは、出資者が保有するから株式なのです。
出資者でもない会社自身が自社株式を保有することは法理的・概念的にできない、という考え方が背景にあるように思えます。
会社自身が保有するためには、それは自社株式ではあってはならず、ただの一証券でなければならない、ということになる気がします。
かと言って、自己株式を資産勘定(借方)に計上するのは債権者保護の観点に反するでしょう。
債権者保護のため、利益剰余金を原資に取得するという理屈があるわけですから、
自己株式勘定は資本の部にマイナス表示する方が債権者の利益には資するわけです。
様々なことを考えますと、自己株式の保有自体が概念的にできない、と言わねばならないと思います。
新株予約権に関して言えば、新株予約権者からすると、権利行使により新株予約権者は会社に資本を払い込んだのだと思います。
それは資本金の増加を意味しないでしょうか。
自己株式勘定の減額ではないはずです。
これは自己株式の処分全般について言えることですが、取引の対照性を考えてみると、資本金が増加しないといけないように思います。
うまくまとめ切れませんが、概念的に自己株式を保有することはできない(結果処分もできない)、
仮に自己株式の取得を認めるなら取得と同時に消却する、というのが一つの結論である気がします。