2014年9月25日(木)



2014年9月25日(木)日本経済新聞
「ダイエー」消える イオンが完全子会社化 18年度メド、新店名に
(記事)




2014年9月25日(木)日本経済新聞
ダイエー完全子会社化 スーパー再生 イオンと一体で 5つの新型店に集約
ダイエー、赤字175億円 今期見通しを下方修正
(記事)



2014年9月25日(木)日本経済新聞
「ダイエー」 改装・転換ほぼ全店 イオン社長ら会見
(記事)

 



2014年9月25日(木)日本経済新聞
九州のダイエー再編 イオン「グルメシティ」消える
(記事)





2014年9月25日(木)共同通信
ダイエーの看板消滅へ イオンが完全子会社化 上場、12月廃止
(記事)





2014年9月25日(木)日本経済新聞
春秋
(記事)

 


【コメント】
2014年9月24日
イオン株式会社
株式会社ダイエー
イオン株式会社による株式会社ダイエーの株式交換による完全子会社化に関するお知らせ
ttp://www.aeon.info/news/2014_2/pdf/140924R_1.pdf
ttp://www.daiei.co.jp/corporate/pdf/release/2014/140924.pdf

本株式交換による完全子会社化の日程と方式
(3〜4/14ページ)


By some rare accident, if the amount of capital should increase without the counterbalanced cash paid-in,
not shareholders' but all the creditors' approval is required.

非常にまれなことかとは思いますが、万一相当するだけの現金が会社に払い込まれないまま資本金の金額が増加する場合は、
株主ではなく全債権者の承認が必要となります。

 



この理由についてですが、昨日少し書きましたように、資本金の金額とは「債権者から見た場合の資本金額」でなければならないからです。
資本金の金額とは株主の側から見た資本金額ではないのです。
実際には、法理上・法律上、債権者の承認があれば会社の資本金額を増加させてよいわけではありませんが、
ここで強調したいのは、「資本金を増加させるときは釣り合うだけの現金が会社に払い込まれねばならない」ということです。
このたびの株式交換実施のため、ダイエーでは株主総会を開催しますが、イオンでは簡易株式交換に該当するため株主総会は開催しない、
と書かれています。
そして、会社法の定めに従い、両者は債権者保護手続きを取っていくことでしょう。
しかし、会社の資本金に関して言えば、株式交換により、ダイエーの資本金は増加せず、イオンの資本金の方が増加するわけです。
株式交換が実施されても、資本金含めダイエーの会社財産には何ら変動は生じないわけですが、
イオンの方は資本金も資産も変動するわけです。
そのことを考えますと、利害関係者の同意が必要なのはむしろイオンの方ではないか、という気がします。
もちろん、ダイエーの株主にとっては、ある意味強制的に保有する全ての株式を取得されてしまうことになりますから、
株主総会決議が必要というのは分かります。
また、株式交換実施に伴う新株式の発行の影響は、イオンの株主には軽微であろうと考えられることから、
イオンでは株主総会は不要となっているのもまだ分かります。
しかし、ここで強調したいのは、「債権者保護の観点がより要請されねばならないのはダイエーではなくイオンの方だ」、
ということなのです。
ダイエーの債権者から見ると、株式交換はただ単に「債務者の株主が変わるだけ」であるわけです。
債権者にとって、債務者の株主が変わることは、当然に商取引を行う際の前提の中に入っていることでしょう。
債権者にとって、債務者の株主が変わるからといって何だというのでしょうか。
株主が変わることは株式会社の前提ではないとでも言うのでしょうか。
それよりも、公正・正確な価額が不明なまま会社に財産が拠出され資本金が増加してしまうことの方が、
債権者にとっては自身の利益を害しかねないことではないでしょうか。
既存の債権者にとっては、株式交換によっても会社財産が社外に流出するわけではありませんから、
十分な財産の拠出がなされないまま資本金額だけが増加してもそのこと自体による影響はないかもしれませんが、
営業サイクルと言いますか経常的に今後も引き続き取引を継続していくという場面や新たに取引を開始する潜在的債権者にとっては、
資本金額の見合いとなる会社財産だけが債権の弁済の引き当てとなりますので、
債権者保護の観点から、資本金の増加のためには十分な財産が会社に拠出されねばならないわけです。
昨日も書いたことですが、資本金を増加させる場合に会社に払い込まれるべき財産の種類は「現金」のみである、と考えねばなりません。
価額100円の現物は実は100円の価値を持っていないかもしれません。
しかし、現金100円は誰が見ても現金100円なのですから。

 

 



そんなことよりも、今日一番の掘り出し物はこちらです↓。

 

中間配当に関する取り扱い
(5/14ページ)


会社が勝手に配当を支払うとか支払わないとか合意するんじゃない!
それは株主が決めることだろうが!
・・・と思ったのですが、実はよく考えたら、
「配当の支払いに関しては全て会社自身で意思決定して構わない」
ということが分かりました。

Eureka!

 


Under the concept that cash and profits of a stock company belong to the stock company itself
because a corporation tax is levied on it,
its sharholders don't have the right to a dividend at all.

法人税を支払っているのだから株式会社の現金や利益は株式会社自身に帰属していると考える概念の下では、
株主は配当に対する権利を一切有しないのです。

 


But, at the same, it is very strange that a shareholder, the supreme decision-maker of a stock company,
is not able to claim to pay a dividend at all.
Actually, shareholders have paid their cash into a stock company.
It means that a stock company is managed by exactly shreholders' cash itself.
Conceptually, shareholders should have the comprehensive rights for the company.
Above all, a dividend is the most basic interest to shareholders.
It is contradictory to the basic concept of a stock company
that a shareholder is not able to talk with a stock company about a dividend.
But now that a stock company is charged with a corporation tax,
its cash and profits after tax totally belong to a stock company itself and never belong to shareholders at all.
With introduction of a corporation tax to a stock company,
a shreholder has lost the rights to cash and profits of a stock company.
Those rights should have been the very center of the purpose of an investment in a stock company.
To be honest, it's a contradiction on a concept of a stock company.


しかし同時に、株式会社における最高の意思決定者である株主には配当を支払うよう請求することは一切できないというのは
非常におかしなことであるわけです。
現に、株主は自分のお金を株式会社に払い込んでいるわけです。
つまり、株式会社はまさに株主のお金で運営されているわけです。
概念的には、株主には当然会社に対して包括的な権利を持っているわけです。
とりわけ、配当金は株主にとって最も基本的な権利です。
株主が株式会社と配当金について話ができないというのは、株式会社の基本概念に反することなのです。
しかし、株式会社は法人税を課されていますから、税引後の株式会社のお金や利益は全て株式会社自身に帰属しており、
株主には一切帰属していないわけです。
株式会社に法人税が導入されたことで、株主は株式会社のお金や利益に対する権利を失ってしまったのです。
これらの権利は、株式会社に出資をする目的のまさに中心であったはずです。
率直に言えば、これは株式会社の概念上、矛盾です。

 



All things considered, conceptually a corporation tax itself may be incompatible.
A corporation tax is in conflict with a concept of a profit of a stock company.
The stock company paid a corporation tax because that profit belonged to a juristic person itself, didn't it?
The profit in question should not belong to shareholders.
A stock company pays a dividend to shareholders from its own cash and profits,
threfore a shreholder is charged with an income tax.
For a stock company and a shreholder are a different person juristically.
It is a somewhat reasonable idea that an investor should be defined as free of tax
because a juristic person side is charged with a corporation tax,
but a profit of a stock company belongs only to the stock company itself
and a profit of a stock company never belongs to shareholders.
A profit of a stock company has nothing to do with a shareholder.
So, quite on the contrary, just because of the existence of a corporation tax,
an investor should be defined as subject to taxation.
That's why a corporation tax is somewhat unaccountable and it was not introduced in the Meiji era.


あらゆることを考えてみますと、法人税そのものが概念的に矛盾をはらんでいるのかもしれません。
法人税は株式会社の利益概念と両立しないものなのです。
その利益は法人に帰属しているから会社は法人税を支払ったのではありませんか?
その利益が株主に帰属しているはずがないのです。
株式会社は株主へ会社自身のお金と利益から配当金を支払う、
だから、株主は所得税を課されるのです。
なぜなら、株式会社と株主は法律的には別の主体だからです。
法人の側で法人税を課されているのだから出資者は無税と定義されるべきだという考えは確かに一理あるとは思いますが、
株式会社の利益は株式会社自身のみに帰属しているものであって、
株式会社の利益は株主には一切帰属していないのです。
株式会社の利益は株主とは無関係なのです。
したがって、それどころかまさに正反対に、
法人税が存在しているからこそ、出資者は課税される主体であると定義しなければならないのです。
以上が、法人税がやや説明がつかない理由であり、明治期に法人税が導入されなかった理由です。