2014年7月5日(土)


2014年7月4日(金)日本経済新聞
■ブミ・リソーシズ 680億円の増資承認
(記事)



dated 2 July 2014
PT Bumi Resources TbK
BUMI Transfers 19% Stake in KPC to CIC as Part of the Debt Settlement Agreement
ttp://www.bumiresources.com/index.php?option=com_financialinfo&task=download&id=451&Itemid=97

(キャプチャー)





【参謀訳】
2014年7月2日 ジャカルタ発―
ブミ・リソーシズ
ブミは債務整理契約の一環としてKPC株式の19%をCIC社へ譲渡いたします


ブミ・リソーシズ(以下”ブミ”もしくは”弊社”)は、2013年10月9日に発表した債務整理契約の一環として、
ブミ所有のカルティム・プリマ・コール(以下”KPC”)株式の19%、価額にして9億5000万米ドル、
を中国投資ファンド(以下”CIC社”)へ譲渡したことをお知らせいたします。

借入金の元本と利息の未払分そして繰上返済費用として、合計19億8900万米ドルをCIC社へ支払う義務がありました。
このたびのKPC株式の譲渡に伴い、CIC社への支払う金額は10億3900万米ドルへ減少することになります。

また、2014年6月30日にブミ社でライツ・オファリングが承認されたのを受けて、
ブミ所有のブミ・リソーシズ・ミネラルズ株式の42%(価額にして2億5700米ドル)と1億1500万米ドル分のブミ株式が、
2014年9月までにCIC社へ譲渡される見込みとなっています。

このことまで踏まえますと、CIC社への借入金残高はさらに6億3200万米ドル、利率は年LIBOR +6.7%、まで減少すると考えられます。
最初の12ヶ月間は利息と元本は支払われません;
元本はその後の2年間に渡り半年毎に支払われます。一方利息は13ヶ月目以後から毎月支払われます。

プレジデント・ディレクターであるアリ・フダヤ氏は次のように語りました。
「これは、財務的健全性を回復させる最初の大きな一歩であり、負債を削減するという会社の約束の証でもあります。
弊社は、弊社の資本提携相手としてCIC社を歓迎いたしますし、弊社資産をますます強力に成長させていくことを楽しみにしています。
本来、弊社は競争力が高く、年9000万トンを超える石炭採掘量を有しており、
オペレーションに関してもコストに関してもあらゆる部分において著しく効率を上昇させてきています。」

フダヤ氏はこう付け加えました。
「弊社は、石炭価格の回復に加え資本構造を変えたことにより、健全性を回復させ黒字転換させることができると確信しています。」

 



【コメント】
プレスリリースを読みますと、一連の債務整理の結果、ブミ・リソーシズの借入金の金額は約632億円へ減少するようです。
また、記事には、ライツイシューによる増資額は約680億円とのことです。
増資で得た資金の大半は借入金の返済に充てる、という記事の内容は辻褄が合う話かと思います。


プレスリリースに記述された取引を仕訳で書いてみます。
どの取引は問題がありどの取引は問題がないか、考えてみましょう。

 



(借入金) 950億円 / (カルティム・プリマ・コール株式) 950億円

↑この仕訳は問題ありません。


(借入金) 257億円 / (ブミ・リソーシズ・ミネラルズ株式) 257億円

↑この仕訳は問題ありません。


(借入金) 115億円 / (資本金) 115億円   ・・・@

↑この仕訳は問題があります。


(現金) 680億円 / (資本金) 680億円

↑この仕訳は問題ありません。


(借入金) 632億円 / (現金) 632億円

↑この仕訳は問題ありません。

 

@の仕訳を切るためには、先にCIC社が同額の第三者割当増資をまず引き受ける必要があります。
その上で、ブミ社はその現金を借入金の返済に充てねばなりません。
その理由は、@の仕訳では資本金が増加するに見合うだけの会社財産が払い込まれていない(会社財産が増加していない)からです。
煎じ詰めれば、資本金の相手方勘定科目は現金しかないのだと思います。
資本金が増加するのは、あくまで新株式の発行と同時なのであって、借入金の返済と同時ではないのです。
つまり、借入金の返済と同時に資本金を増加させることはできないのです。
あくまで資本金が増加して、そしてその後に借入金を返済する、という流れとなるのです。