2014年6月29日(日)

2014年6月29日(日)日本経済新聞　公告
第7期決算公告
株式会社イオン銀行
（記事）

2014年6月28日(土)日本経済新聞　公告
第39期決算公告
三菱商事パッケージング株式会社
株主名簿管理人変更のお知らせ
神田通信機株式会社
第61期決算公告
株式会社日経ラジオ社
（記事）

2014年6月28日(土)日本経済新聞　公告
第17期決算公告
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザリーズ株式会社
第19期決算公告
ユービ－エス・グロ－バル・アセット・マネジメント株式会社
第12期決算公告
株式会社日本総合研究所
第11期決算公告
レオス・キャピタルワークス株式会社
転換価額調整公告
上新電機株式会社
第8期決算公告
富士フィルム株式会社
第111期決算公告
セイコーインスツル株式会社
第42期決算公告
旭化成ケミカルズ株式会社
第51期決算公告
タニコー株式会社
（記事）

2014年6月28日(土)日本経済新聞
東ガス、自社株消却　7077万株、発行済みの2.8％
（記事）

2014年6月28日(土)日本経済新聞
■長谷川コーポレーション　優先株すべて処理へ
（記事）

2014年6月27日
東京瓦斯株式会社
自己株式の消却に関するお知らせ
ttp://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20140627-04.pdf

2014年6月27日
株式会社長谷川コーポレーション
自己株式(優先株式)の取得（強制償還）及び消却に関するお知らせ
ttp://www.haseko.co.jp/hc/company/ir/news/upload_files/20140627_1.pdf

昨日の武田薬品工業株式会社の役員報酬に関して一言だけ追記します。
「第7号議案取締役に対する株式報酬等の額および内容決定の件」についてなのですが、
これは通常の役員報酬とは異なり、株式を報酬として支払うという報酬体系です。
この点の会計処理が気になりました。

株主総会招集ご通知
ttp://www.takeda.co.jp/investor-information/meeting/files/sm_138_01_jp.pdf

「第7号議案取締役に対する株式報酬等の額および内容決定の件」の概要
（12/59ページ）

株主総会決議ご通知
ttp://www.takeda.co.jp/investor-information/meeting/files/sm_138_03_jp.pdf

「第7号議案取締役に対する株式報酬等の額および内容決定の件」
（3/4ページ）

武田薬品工業株式会社は、設定した信託に対し報酬として使う武田薬品工業株式株式を取得するための金員を拠出する、と書かれています。
この時の「現金支出」は、損益取引なのでしょうかそれとも損益取引ではないのでしょうか。
別の言い方をすると、この時の「現金支出」は会計上、会社の費用の一項目なのでしょうかそれとも剰余金の分配の一種なのでしょうか。
「役員報酬」ということであれば、株式会社の概念上は剰余金の分配の一種という位置付けになろうかと思いますが、
招集通知の記載内容からだけではその点は判然としません。
しかし、「信託に現金を拠出する」という剰余金の分配方法（剰余金の流出方法、利益処分の方法）が会計理論上果たしてあるのかどうか。
株主資本の帰属関係を鑑みれば、剰余金の分配先（社外流出先、処分先）は、会計理論上、株主と役員しかないのではないかと思います。
どこの信託銀行に信託するのかは知りませんが、
「信託銀行へ剰余金が分配される」というのは、会計理論上おかしな話ではないかと思います。
仮に、この時の「現金支出」は会計上、会社の費用の一項目ということであれば、
それは役員報酬を費用計上したということを意味するわけです。
しかし、株式会社の概念に照らせば、それは決して望ましい会計処理とは言えないでしょう。
また、会社の費用ということであれば、そもそも株主から承認を得る必要はないわけです。
「収益」も同様ですが、「費用」に関しては日々の会社運営の一事項であるわけですから、
経営陣が株主から委任された事柄の範囲内のことに過ぎないでしょう。
費用ではないから株主から承認を得る必要がある、という法理の流れがあろうかと思います。
大まかに言えば、損益取引は全般的に委任の範囲内（株主の承認は必要ない）の事項であり、
資本取引は委任の範囲外（その都度株主の承認が必要）の事項である、という言い方ができるかと思います。
財務諸表で言えば、損益計算書の全てと貸借対照表の資産と負債に関することは委任の範囲内（株主の承認は必要ない）のことであり、
貸借対照表の資本の部（株主資本）のことは委任の範囲外（その都度株主の承認が必要）のことである、と言っていいと思います。
もちろん、株式会社の概念に照らせば、役員報酬は会社の費用ではなく剰余金の分配の一種であることは言うまでもありません。
この時の「現金支出」を会社の費用の一項目と見なそうが剰余金の分配の一種と見なそうが、
どちらであると考えても十分な説明が付かないように思います。

煎じ詰めれば、役員だけではなく、株主が選任した会社機関への報酬は全て株主総会で承認決議が必要、という考え方になるわけです。
そして、会社機関への報酬は会社の費用ではなく、
株主の選任・委任責任を問うという意味・法理を込めて、剰余金の分配の一種であるべきなのです。
委任した内容についてはもちろん経営陣で決めてよい、しかし、委任に対する報酬は委任・選任した株主が決める、
という法理上の関係があろうかと思います。
そして、会計理論で言えば（財務諸表で言えば）、
損益計算書の全てと貸借対照表の資産と負債に関することは委任の範囲内のことだからもちろん経営陣で決めてよい、しかし、
会社機関への報酬は貸借対照表の資本の部（株主資本）のことなので、その都度株主が決める、
という会計理論上の関係があろうかと思います。
商法理と会計理論とは、このように相整合し論理のつながりを見事に保っているのです。
株式会社の概念に照らせば、株主への配当金の種類には現金しかないように、会社機関への報酬の種類も現金しかないのだと思います。

The Kind of compensation to company's organs is no more cash than the kind of a dividend is.
（配当金の種類には現金しかないように会社機関への報酬の種類も現金しかない。）
（会社機関への報酬の種類が現金だというのは配当金の種類が現金だというのと同じだ。）

また、配当にせよ会社機関への報酬にせよ、その価額が問題になるわけです。
剰余金の金額が一定額減少したのなら、会社財産も1円の狂いもなく減少していないといけないわけです。
剰余金の減少額よりも多くの金額の会社財産が流出していたら、
会社には十分な会社財産が実はないということを意味しますから、煎じ詰めれば債権者保護の観点に反することになるでしょう。
逆に、剰余金の減少額よりも少ない金額の会社財産しか流出していなかったら、
その場合はそもそも株主が承認しないでしょう。
社外流出する会社財産が現金の場合は、剰余金の減少額と会社財産の減少額とは必然的に同じになるのですが、
社外流出する会社財産が現金ではない場合は、剰余金の減少額と会社財産の減少額との間に、
（仕訳上はズレは生じませんが）概念上ズレが生じ得るわけです。
この論点は、社外流出の言わば逆、すなわち、いわゆる現物出資に関してもそのまま当てはまることです。
会社に対して出資をするという場面においても、その価額が問題になります。
会社に払い込んだ資本（貸方）の金額と1円の狂いもない財産が会社に拠出されていないといけない（借方）わけです。
会社に払い込まれた資本の金額よりも少ない金額の財産しか会社に拠出されていなかったら、
会社には十分な会社財産が実はないということを意味しますから、煎じ詰めれば債権者保護の観点に反することになるでしょう。
逆に、会社に払い込まれた資本の額よりも多い金額の財産が会社に拠出されていたら、
その場合はそもそも会社に対し財産の拠出を行う新株主が払い込みをしないでしょう（受け取る株式数がその分少なくなるから）。
出資に関してもまた、株式会社の概念に照らせば、払い込みの種類は現金しかありません。
現金が価値を判断する究極の客観的な基準なのです。

The Kind of paid-in capital is no more cash than the kind of a dividend is.
（配当金の種類には現金しかないように払込資本の種類も現金しかない。）
（払込資本の種類が現金だというのは配当金の種類が現金だというのと同じだ。）