2014年6月25日(水)



2014年6月25日(水)日本経済新聞
3DM公募増資 62億円を調達
(記事)



 

2014年6月24日
株式会社スリー・ディー・マトリックス
海外募集による新株式発行に関するお知らせ
ttp://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2014/3DM_2014_06_24_IR_001.pdf

 


2014年6月25日
株式会社スリー・ディー・マトリックス
海外募集に係る募集株式数の変更及び募集価格等の決定に関するお知らせ
ttp://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2014/3DM_2014_06_25_IR_001.pdf

 



【コメント】
募集株式数が当初の計画よりも一定数減少しています。
この理由は、主幹事証券会社が投資家に対してマーケティングを実施した結果、
反応があまり芳しくなかったようで、市場動向を鑑み、募集株式数を変更した、とのことです。
増資をする場合は、その時発行する株式一式全て、引き受け手は全員が同じ価格で引き受けねばならない、
ということが基本的考え方だと思います。
新株式の発行者が市場で時間をかけて新株式を売却していくという増資方法も考えられはしますが、
一定数の新株式の発行で「1回の増資」であることを考えると、
新株式の引き受け手毎に払い込み価額が異なることは株主平等の原則に反すると言わねばならないでしょう。
市場の投資家によって、容認できる払い込み価額には大きな違いあるとは思いますが、
募集価額自体はやはり直近の市場株価によるべきだと思います。
要するに、募集価額が複数になるのはおかしいでしょうし、
より多くの株式を引き受けたいという投資家がいても、そこに需給関係を持ち込むことはおかしいと言えるでしょう。、
高い価額で引き受けたいと申し出る投資家にはたくさんの新株式を割り当て、
低い価額で引き受けたいと申し出る投資家にはわずかな新株式を割り当てない、
という募集方法・新株式割当て方法は投資家保護の原則に反するでしょう。
募集価額は上げられない(募集価額は需給によらず一定に保たねばならない、募集価額は投資家毎に変えられない)、
すなわち、募集価額は全投資家で同じでなければなりません。
募集価額は基本的には市場価額と同一であるべきでしょう。

 



ここで、投資家の需要動向を踏まえると、新株式の十分な引き受け手はいないとなりますと、
このたびのように、募集する(発行する)新株式数を減らす、ということを考えねばならないのでしょう。
つまり、募集価額(発行価額)を十分な数の引き受け手が現れるまで引き下げて、
予定した全株式を無理に発行する(引き受けてもらう)ということは、既存株主の利益を考えれば行うべきではないのでしょう。

では逆に、投資家の需要動向を踏まえると、新株式の十分過ぎる引き受け手がいる場合はどう考えるべきでしょうか。
募集する(発行する)新株式数を当初の予定よりも増加させるということは、既存株主の利益を考えれば行うべきではないでしょう。
また、募集する(発行する)価額を当初の予定よりも引き上げるということも、投資家の利益を考えれば行うべきではないでしょう。
つまり、新株式への需要がどんなに大きくとも、理論上は、
募集する(発行する)株式数は増加させるわけにはいきませんし、
募集価額(発行価額)を引き上げるわけにもいかないわけです。
では、新株式への需要が当初の計画よりも大きい場合はどうすべきでしょうか。
おそらく答えは、「按分比例」だと思います。
上限を設定した場合の株式公開買付における応募株式の買い取り方法の逆だと思えばよいと思います。
新株式の引き受けの応募全てに応じることはできないので、按分比例方式で投資家に新株式を割り当てていく、
という方法が一番公平なのではないでしょうか。
もしくは、按分比例ですと、割当てる株式に端株や単元未満株式が生じ得ますので、抽選という方法も考えられるかもしれません。
当たる確率は、「募集株式数(募集単元数)÷全応募株式数(全応募単元数)」になります。
募集価額(発行価額)と募集株式数(発行株式数)が一定である以上、株式の割当て方法は按分比例か抽選になると思います。
公募増資という新株式の発行方法(割当て方法)も、厳密に考えていくと、本来は非常に煩雑な手続きを踏まざるを得ないな、と思いました。