2014年5月31日(土)



2014年5月31日(土)日本経済新聞
富士通、最大700億円 社債発行 島津は150億円規模
(記事)





2014年5月31日(土)日本経済新聞
三菱ケミHD 国際会計基準に 16年4〜6月から
(記事)



2014年5月31日(土)日本経済新聞
iOS版専門通貨「ハンターコイン」(HC)の払戻しに関するお知らせ
株式会社カプコン
(記事)

 


2014年5月29日
富士通株式会社
2014年度新中期経営計画に関するお知らせ
ttp://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/05/29-1.html

 

 

【コメント】
富士通株式会社の目標利益額が記載されています。
「当期利益」に関して米印(※)が付いて注記が書かれています。
ここでいう「当期利益」とは、

>親会社の所有者に帰属する当期利益

とのことです。
ではこの注記でいう「親会社」とはどの会社のことかと言えば、「富士通株式会社」自身のことです。
つまり、ここでいう「当期利益」とは、「富士通株式会社の株主に帰属する当期利益」という意味です。
裏を返せば、「富士通株式会社の株主以外の株主に帰属する当期利益」があるということですが、
ここでいう「富士通株式会社の株主以外の株主」とは、富士通株式会社の子会社の株主(少数株主)のことです。
大まかに言えば、「親会社の当期純利益+子会社の当期純利益」が言わば連結財務諸表全体における合計当期利益額であるわけですが、
子会社の当期純利益のうち少数株主に帰属している分を引き算して、
連結会計でいう「親会社株主に帰属している当期利益額」を算出するわけです。
連結会計でいう親会社株主に帰属している当期利益額=親会社単体の当期純利益全額+少数株主帰属分を減算した子会社単体の当期純利益
であるわけです。
これはあくまで連結会計上の「株式と当期純利益」の関係であり、商法上(会社法上)の「株式と当期純利益」の関係は、
「親会社株主に帰属している当期利益額=親会社単体の当期純利益全額のみ」になります(子会社の当期純利益は親会社には全く関係ない)。
税法上の「株式と当期純利益」の関係もまた別です(=株式会社の当期純利益そのものは株主には全く関係ない(受取配当金のみ関係ある))。
孫会社はと言いますと、さすがに孫会社の当期純利益と親会社株主と全く関係ありません(親会社から見ると孫会社は連結の範囲に含まれない)。

 

 


2014年5月30日
株式会社三菱ケミカルホールディングス
国際会計基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ
ttp://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ir/pdf/20140530-1.pdf

 


【コメント】
株式会社三菱ケミカルホールディングスは、2017年3月期(平成29年3月期)第1四半期から(2016年4〜6月から)、
連結財務諸表をIFRSに基づき開示をすることにしたようです。
そのこと自体はいいと思いますが、記事やプレスリリースにはわざわざ「第1四半期から」「4〜6月から」と書かれてあります。
これはある意味当たり前だと思います。
新しい会計基準を例えば「第2四半期から」「7〜9月から」適用することなどできないでしょう。
通期(1年間)との整合性が問題になるでしょう。
第1四半期の財務諸表と第2四半期の財務諸表とは連続していなければならないわけです。
事業年度の途中から適用する会計基準を変更することなどできません。
と同時に、ここであることに気付くわけです。
通期(1年間)の財務諸表も四半期の財務諸表も概念的には同じだよな、と。
四半期の途中で会計基準を変更することはできないのなら、結局、継続している事業の途中で会計基準を変更することもまたできない
という考え方になるのではないか、と。
IFRSを適用する初年度では、比較可能性を担保するためにその前年度についてもIFRSを適用した連結財務諸表を開示せねばなりませんが、
たとえそうしたとしても、その前々年度の連結財務諸表との連続性はないわけです。
適用する会計基準を変更してしまうと、どのように開示を行っても連続性は途切れ比較可能性は担保されないのです。
本当に連続性を確保し比較可能性を担保しようとすれば、それこそ会社設立時にまでさかのぼって現在までの全ての期に関して
新しい会計基準を適用した財務諸表を作成・開示するしかないのです。
この問題は細かく言えば、非上場企業が新規上場する際にも言えることでしょう。
その非上場企業はそれまで税務基準で財務諸表を作成してきたわけです。
それなのに、新規上場に際して企業会計基準という全く新しい会計基準を適用することになるわけです。
新規上場前の財務諸表と上場後の財務諸表との間には連続性は全くないのです。
まあ、市場の投資家にとっては、新規上場時には新規上場時に開示される財務諸表が全てであり、
上場後は毎期同一の企業会計基準を適用した財務諸表が開示され続けますから、結局連続性はあると言っていいのかもしれませんが。
少なくとも会計理論上は、「適用する会計基準を変更する」というのは本当は極めて問題が大きいことだとは言えると思います。