2014年2月28日(金)
2月28日(ブルームバーグ):仮想通貨ビットコインの大手取引所であるマウントゴックス(東京・渋谷区)は28日夕、
東京地裁に民事再生法の適用を申請した。東京地裁で記者会見を開いて発表した。
マウントゴックスの発表資料によると、負債総額は約65億円。同地裁の再生法手続き決定書面によれば同日、
同地裁から資産の保全命令を受けた。監督委員には小林信明弁護士が選任された。ゴックス社は2011年8月設立。資本金は5000万円。
ゴックス社のカルプレス社長は会見で「本当に申し訳ありません」と陳謝した。同社の説明によると、
2月に不正アクセスによりビットコインが引き出されている可能性があることが判明。正確な状況は不明だが、
利用者保有の75万ビットコインと会社保有の約10万ビットコインのほぼすべてがなくなっているという。
ビットコインは取引の匿名性などからマネーロンダリングに使われる可能性などが指摘されている。
しかし、国の中央銀行などが発行する通貨ではないため、海外でも規制などの対応が遅れている。
日本では最近になって金融庁や警察庁が実態調査に乗り出したばかりだった。
会見でカルプレス氏はビットコインについて、「やはり社会的有用性があるからこそここまでやってこられた」と指摘た上で、
「マウントコックスはいったん破綻したが、ビットコイン業界そのものは続いていくことを望んでいる」と述べた。
(ブルーブバーグ 更新日時: 2014/02/28 20:35
JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-N1PC1B6TTDSO01.html
マウント・ゴックス、東京地裁に民事再生手続き申し立て=報道
[東京 28日 ロイター]
-時事通信などによると、東京に本拠を置く仮想通貨ビットコイン取引所「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」
が東京地裁に民事再生手続きを申し立て、受理された。同社によると、預かり金は最大で28億円に上っていたという。
同社は25日、取引を当面、全面停止すると発表していた。
同社の資料によると、2月初めにビットコインが不正に引き出されている可能性があり、債務超過の状態にあると判断したという。
マウント・ゴックスは、ハッキングによる被害を含めて複数の原因が見込まれると説明、
裁判所からは保全処分と債権者による強制執行を禁止する命令を受けたという。
(ロイター 2014年
02月 28日 19:15
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA1R09R20140228
【コメント】
ネタであることを分かった上でコメントしますが。
ビットコインはそもそも通貨ではないので所管官庁がなく法的対応が難しいとのことですが、それは違うと思います。
ビットコインが通貨ではないのは確かですが、ビットコインというのは法律的には単に「有価証券」なのだと思います。
有価証券を発行して不特定多数の者に売りさばいていることと同じであるわけですから、
金融商品取引法で規制されるべき範疇のことかと思います。
こちらの記事に法律関連の内容が載っていました↓。
焦点:ビットコイン「通貨でない」、静観する日本政府
(ロイター 2014年 02月 28日 17:14
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA1R07320140228
>ビットコインに詳しい清原健弁護士は、現時点の日本では、
>ビットコインのような新たな通貨が創造されることを想定されていないと指摘する。
>投機的な金融商品を対象とした法律的枠組みとしては金融商品取引法があるが、同法は対象の金融商品を
>「デリバティブ取引について投資者の保護を確保することが必要と認められるもの」と規定しており
>「法改正をしないとビットコインを対象に含むのは難しい」とみる。
>また「利用者も発行主体も匿名であるため、国が規制すること自体が難しい」という。
清原健弁護士はなぜビットコインに詳しいのでしょうか。
まあその点は置いておくとして、金融商品取引法の対象はデリバティブ(投機的な金融商品)だけではありません。
金融商品取引法は日本で発行されている有価証券全般が対象だと思います。
ですから、法改正をしなくても、ビットコインは当然に金融商品取引法の規制対象だと思います。
ビットコインの詳しい仕組みは知りませんので利用者が匿名なのかどうかについては分かりませんが、
少なくとも発行主体は「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」という法人なのではないでしょうか。
手元にあります教科書から、金融商品取引法の目的と適用対象について解説した部分をスキャンして紹介します。
「金商法と金融商品取引業1」
「金商法と金融商品取引業2」
「金商法と金融商品取引業3」
ビットコインは、(ビットコインの詳しい仕組みは分かりませんが)社債の一種と見なせると思います。
額面金額は1円(1円単位で購入できる)、無担保無利子、償還期限はない、売買のための取引市場は整備されている(ビットコイン取引所)、
という社債だと思えばいいと思います。
50人未満を対象とした私募債(非公募債、縁故債)であれば基本的には任意に社債を発行できるのではないかと思いますが、
不特定多数の投資家向けの公募による社債発行ですと、有価証券届出書などの提出及びそれに付随する監査が必要となります。
ビットコインは、「不特定多数の投資家向けの公募により発行した社債」に該当すると思います。
仮想通貨ビットコイン取引所を運営している株式会社「マウントゴックス」は金融商品取引法違反(有価証券届出書未提出)です。
もっとも、「無担保無利子で償還期限はない社債」をインターネット上で購入するのは、さすがに自己責任という気もしますが。
記事には「自己責任とはいっても要保護性の議論が出てくる」と書いてありますが、
いくらなんでもここまでくると、投資家や消費者を保護し切れないという領域に入ってくるのではないかと思います。
マウント・ゴックスは、東京地裁に民事再生手続きを申し立て、受理された結果、
>裁判所からは保全処分と債権者による強制執行を禁止する命令を受けたという。
とのことです。
端的に言えば、保全処分の目的は会社財産の流出を防ぐためです。
この場面での会社財産の流出とは一般的には、債務の弁済を指すかと思います。
一部の債権者に多くの金額の債務の弁済を行うようなことがあってはならない、という趣旨かと思います。
ただ、この場面での会社財産の流出は債権者への債務の弁済だけを指すのではありません。
株主への配当も含まれます。
ですから、株主の議決権は停止されるのです。