2014年2月4日(火)



フェイス、日本コロムビアを連結子会社化。「アーティストを売る」ビジネス強化へ
(2014/2/4 09:40)

 動画や音楽コンテンツ配信サービスを手がけるフェイスは3日、音楽ソフト大手の日本コロムビア株式を公開買付けにより追加取得し、
発行済株式の約6割を取得、連結子会社化する方針を発表した。
 買い付けは2月4日から3月18日までを予定しており、買い付け価格は1株あたり780円。買収総額は約28億8,000万円。
フェイスはこれまで、コロムビア株式の31.2%を所有し、持分法適用会社としていたが、今回の追加取得により連結子会社化する。
 フェイスでは連結子会社化の理由について、「コロムビアと相互に連携して、激変する市場環境に対応した
独自のアーティスト発掘・開発手法を用いたヒットアーティスト輩出を通じ、従来の『CDを売る』ビジネスモデルを脱した
『アーティストを売る』ビジネスモデルを構築し、競争力の向上と成長分野への取り組みを一層強化するため」と説明している。
 コロムビアは、16万曲に及ぶ楽曲(音源)や、楽曲制作のノウハウ、日本中に知られている高いブランド力、国内主要都市の営業基盤など、
音楽事業展開に有効な多くの資産を有している。フェイスは、コンテンツ流通のプラットフォームを手がけ、楽曲や映像配信、グッズ販売、
eチケット販売、ファンクラブ運営、ソーシャルサービス、ネットプロモーションの各機能を統合させ、
ワンストップで提供するファンとアーティストをつなぐシステムを整備。
制作業務をウェブ上で募集する音楽制作クラウドソーシングサービス「ARTIST CROWD」や楽曲との出会いを創出する
レコメンド型インターネットラジオ「FaRao」などを提供している。
 フェイスでは、両者が連携を強化することで、双方がお互いの事業の根幹を成す資産、経営資源等を相互に提供・活用し、
両社の企業価値の一層の向上を図ることが望ましいと判断。連結子会社化を決めたとしている。
(AV Watch 2014/2/4 09:40)
ttp://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140204_633704.html


 



フェイスがコロムビアを1株780円で公開買付、連結子会社化

[東京 3日 ロイター] - フェイスは3日、日本コロムビアを1株780円で公開買付(TOB)すると発表した。
買い付け総額は約28億8000万円で、買付予定株数の上限は369万2500株。
買い付け期間は2月4日から3月18日まで。コロムビアは賛同する意向。
着信メロディなどコンテンツ配信を手がけるフェイスはコロムビア株32.91%を所有し持分法適用関連会社としている。
今回のTOBを通じ、保有割合を最大で60.0%に高め、連結子会社化する。
より強固な資本関係のもとで事業をすすめることが、両社の企業価値の向上につながると判断した。コロムビアの上場は維持する予定。
ファイスのフィナンシャル・アドバイザーは野村証券、コロムビアはSMBC日興証券。
(ロイター 2014年 02月 3日 18:21 JST)
ttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYEA1205K20140203


 


フェイスは底堅い、日本コロムビアにTOB、因果玉の処分進む

 フェイス(4295)は14時にかけて1050円(3円安)前後で推移し、
全体相場が大幅安の中で前場は36円高まで上げる場面を交えて底堅い展開。
着メロ(着信メロディ)配信などをを行ない、昨日、日本コロムビア(6791)を1株780円でTOB(株式公開買い付け)と発表し、
期待が広がった。株価は昨年5月に1500円近くまで上げたものの、その後は1200円台に2度乗った程度で横ばい推移。
本日は全体の急落を受けて朝ストンと下げて始まったため、横ばい相場で形成された因果玉(ぎょく)の処分売りが進み、
むしろ身軽になったとの見方が出ている。第3四半期の決算発表は2月13日の予定。
全体相場が安定すればリバウンドが本格化する可能性が強まったようだ。
コロムビアはTOB価格にまっしぐらとなり、気配値のまま100円ストップ高の631円。
(朝日新聞 2014年2月4日14時33分)
ttp://www.asahi.com/business/stock/kabuto/Ctkkabuto1066467.html


 



2014年2月3日
株式会社フェイス
フェイス、日本コロムビア株式会社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
〜激変する市場環境に対応する音楽事業の新たなビジネスモデルを構築〜
ttp://www.faith.co.jp/press/pdf/20140203_press_cormbia.pdf

 

2014年2月3日
株式会社フェイス
日本コロムビア株式会社(証券コード6791)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttp://www.faith.co.jp/ir/pdf/20140203_tekijikaiji_cormbia.pdf

 


2014年2月3日
日本コロムビア株式会社
株式会社フェイスによる当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://columbia.jp/company/ir/ir_news/2014/pdf/140203-2.pdf

 

2014年2月3日
日本コロムビア株式会社
日本コロムビア、2014年3月期第3四半期連結業績のお知らせ
ttp://columbia.jp/company/ir/ir_news/2014/pdf/140203-1.pdf

 


2014年2月4日(火)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社フェイス
(記事)




「フェイス株価の過去10年間の値動き」



「日本コロムビア株価の今日の値動き」



「日本コロムビア株価のここ1週間の値動き」


「日本コロムビア株価の過去5年間の値動き」


「日本コロムビア株価の過去10年間の値動き」

 



「日本コロムビア株式の本日の取引の詳細」


>前日終値 前営業日、最後の取引値.
>631(02/04)
>始値 その日はじめについた値段.
>631(02/04)
>高値 その日はじめ(寄り付き)から現在までで、最も高かった値段.
>631(02/04)
>安値 その日はじめ(寄り付き)から現在までで、最も安かった値段.
>631(02/04)
>出来高 その日取引された合計株数。売買高とも.
>15,400株(02/04)
>売買代金 その日取引された合計金額.
>9,717千円(02/04)

 


【コメント】
日本コロムビア株式は株式公開買付後も上場が維持される方針です。
つまり、日本コロムビア株価は、株式公開買付後、買付価格(780円)よりも上昇する可能性も十分にあるわけです。
例えば、1年前であれば、株価は800円を大きく超えて推移していたわけです。
また、過去5年間の株価の推移を見ますと、「600円未満〜1000円超」の間をを周期的に推移しているわけです。
株価がこのような推移をしますと、株式を買う方はいつどの価格で株式公開買付を行えば良いのか分かりづらく、
そして株式を売る方もその価格での買付に応じるべきなのか、判断が非常に難しいと思います。
このたびフェイスが実施する株式公開買付に応じるべきなのか、私にも分かりませんが。

ところで、このたびの株式公開買付の終了後は、フェイスと日本コロムビアは親子上場の状態になります。
その後の組織再編のことについては分かりませんが、親会社であるフェイスからすると、日本コロムビア株式を売却することはないわけですから、
今後(実は今までもそうだった側面があるわけですが)日本コロムビア株価は下がってくれた方が何かとメリットがあるわけです。
株価のことを考えると、親会社であるフェイスと日本コロムビアの一般株主との間で、利益相反が生じることになります。

 

 



2014年2月4日(火)日本経済新聞
H2Oリテイ株が急落 株式交換比率不利との見方
(記事)




【コメント】
両社のここ1週間の値動きを見てみましょう。


「エイチ・ツー・オーリテイリング株価のここ1週間の値動き」


「イズミヤ株価のここ1週間の値動き」



エイチ・ツー・オーリテイリング株価は今日もさらに下がってしまったようです。
株式市場は両社の経営統合をあまり評価はしていない、ということなのでしょうか。
また、イズミヤの株価は、昨日は上昇したようですが、今日は下落しており、
今日の終値ベースでは、昨日の急上昇以前の水準に戻ってしまったようです。
結局、経営統合の発表後、2日間で言えば、両社の株価は共に下がってしまった、ということが言えるように思います。
また、株式交換比率は、イズミヤ株式1株に対しH2O株式0.63株を割当て交付するということで、
終値ベースで判断すると、イズミヤ株価447円に対しエイチ・ツー・オーリテイリング株価は718円ということで、
両社の株価は概ね株式交換比率に一致して推移しているようです。

 


株価のおかしな変動と言えば、このような値動きを発見しました。

 

「イズミ株価のここ1週間の値動き」



「イズミ株価の本日の値動き」



「イズミ株式の本日の売買の詳細」


株式会社イズミ(注:イズミヤ株式会社ではありません)の株価の様子がおかしいと思いました。
値動きがおかしいというより、「詳細情報」の数値がおかしいというべきなのでしょうか。
チャート図(?)を見ると、市場が開く朝9時一番に、「2,810円」で大量に売買が成立しているようなのです。
前日終値は3,080円ということで、市場内の買い手と売り手の拮抗価格は昨日に引き続き3,080円近傍であったということなのでしょう、
「詳細情報」を見ますと、本日の始値は「3,010円」だったようです。
ただ、腑に落ちないのは、では市場が開く朝9時一番に大量に売買が成立した「2,810円」という価格は
どういう意味合い・位置付けなのだろううか、という点です。
チャート図(?)から判断すると、始値こそが「2,810円」になるのではないのだろうか、と思うのですが。
それとも、「市場が開く朝9時一番に「2,810円」で大量に売買が成立した」株式は、実は本日の取引・売買に含まれない、
というような何か株式の売買方法がある、ということなのでしょうか。
まさか、
「実は昨日の夜の間にロンドン証券取引所(イギリスの投資家)からイズミ株式の買い注文がありまして、
本日は市場が開く前にまずはその買い注文の処理を行いました。その時の買い注文の価格は『2,810円』でした。」
などということはないと思いますが。
ToSTNeT市場(立会外分売など)か何かで取引があったのかもしれませんが。
その場合、始値や高値・安値はどの価格であると見なされるのか、については詳しく分かりませんが。
まあこの件に関してはこれ以上は詳しいことは分からないのですが、単に始値が「2,810円」であれば問題ない値動きだとは思います。
売買が成立したのは事実なのですから、異常値だからといって、始値から外すというのはおかしいと思いますが。

 


昨日のロンドン証券取引所(イギリスの投資家)の話に関連しますが、
前日終値と当日の始値の株価の連続性や上場規則の違いなどを考えますと、
理論上、「株式が上場できる証券取引所はただ一つのみ」ということにになると思います。
例えば、日本のようにストップ安がある証券取引所とストップ安の設定などない証券取引所(海外)の両方に株式を上場させた場合、
株価が短期間に著しく下落した場面での取引に関して、
証券取引所間で株価の連続性が全く担保されないといった事態になり得ると思います。
東京証券取引所では株価はストップ安までしか下がらないが、海外の証券取引所ではストップ安はないという場合、
次の日には東京証券取引所ではその日の値幅制限未満(その日のストップ安未満)の価格から株価の推移が始まる、
などいう意味不明な状況になってしまうわけです。
同一の株式が複数の証券取引所の上場するということが理論上は不可能ということになるのだと思います。
実務上は、海外の証券取引所への株式上場は、擬似的・間接的に株式を上場させている、つまり、
証券会社が間に入り預託証券を発行するという形で、さもその証券取引所へ株式が上場しているかのように見せているだけなので、
実務上は問題が生じていない(取引量が極僅かであることも理由かもしれませんが)だけなのだと思います。
「海外の証券取引所への株式上場」というのは、実際には株式は上場していない、と言わないといけないのかもしれません。
より本質的には、証券取引所の規則が異なるので、日本の証券取引所での市場参加者はある価格(帯)でしか株式を買えないが、
海外の投資家は別の価格(帯)でも買える(値幅制限がないなどの理由で)というのは、投資家保護の観点に反すると思います。