2013年12月30日(月)



2013年12月30日(月)日本経済新聞 公告
ライツ・オファリングによる資金調達(上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ
セーラー万年筆株式会社
臨時株主総会招集のための基準日設定公告
東京貿易ホールディングス株式会社
(記事)



 

2013年12月27日
セーラー万年筆株式会社
ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ
ttp://www.sailor.co.jp/pdf/release/sailor-ro_20131227.pdf

 


2013年12月27日
セーラー万年筆株式会社
ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場新株予約権の無償割当て)に関するご説明(Q&A)
ttp://www.sailor.co.jp/pdf/release/sailor-ro_qa_20131227.pdf

 



【コメント】
新株予約権の問題点は、授権資本制度の観点からも説明できるなと思いました。

本来、新株式は既存株主のみに発行する権限があるわけです。
新株式を発行する権利は会社にはないわけです。
本来、新株式の発行は、既存株主と新株主との間でのみ可能なこと(もちろん新株式を「発行」するのは会社自身ですが)なのです。
授権資本制度の導入により、会社がある意味既存株主の許可を得ずに任意に新株式を発行できるようになったというだけなのです。

新株予約権についても同じ様なことが言えるのかもしれないなと思いました。
新株予約権を行使された場合は会社は新株式を発行しなければならないわけですが、
それは会社と新株予約権者(新株主)との間のみの取引であり、既存株主の許可を得た取引ではないわけです。
新株予約権の行使に対し既存株主は物が言えないわけでして、
それは既存株主から見ると会社が勝手に新株式を発行しているようにも見えるわけです。

 


例えば、授権資本制度自体がないとしましょう。
発行可能株式数などという概念自体がなく、会社(定款上・登記上)にあるのは単に発行済株式総数のみだとしましょう。
この場合、新株予約権の発行は可能でしょうか。
できないでしょう。
なぜなら、新株予約権を行使されても新株式の発行を行いようがないからです。
新株式の発行は、新株式の発行の都度、定款変更(と新株式の発行)の株主総会決議を取る以外ないわけです。
このことは裏を返せば、授権資本制度があるからこそ、新株予約権という権利は成立し得るということを意味しているわけです。
翻って、そもそも授権資本制度とは何かと言いますと、その実態は「会社が株主を選ぶ制度」であるわけです。
そもそも株式会社という会社制度とは、株主が取締役を選任するのであって、取締役が株主を選択するのではないわけです。
授権資本制度というのは根本的に話があべこべであるわけです。
このあべこべの株式発行制度の産物の一つが、新株予約権と言ってもいいでしょう。

 



もちろん、授権資本制度を導入後も、株主が適切に「発行可能株式数=発行済株式総数」と設定すれば、
会社に新株式を発行する権限を与えないことは結果として可能にはなります。
また、「新株予約権の発行には株主総会決議を必要とする」という旨、
事前に定款変更を行うなうこともできます(会社に勝手に新株予約権を発行させないようにできる)し、
新株予約権行使により増加する株式数分のみ、
発行可能株式数を適宜変更(定款変更)することもできます(会社に勝手に新株式を発行させないようにできる)し、
その他、定款変更により、直接の新株式の発行であろうが新株予約権を通じた新株式の発行であろうが、
株主総会決議を経た形でしか新株式を発行できないように、株主が対応を取ろうと思えば株主は対応は可能は可能であるわけです。
これもまた株主自治の原則(定款自治の原則)の真髄の一つでしょう。
それはそうなのですが、私がここで言いたいのは、株主がわざわざ対応手段として定款変更という代替手段を使う以前に、
そもそも商法(会社法)が、デタラメな新株式発行を制度的に推進するのは間違っているのではないか、ということなのです。
法律がおかしなことになったから株主が定款変更という形で対応を取らざるを得なくなった、という状況自体がおかしいわけです。
法律というのは、株式会社の理念や概念に基づき、会社が理想の姿を追求するためにあるものでしょう。
法律が間違った姿を追及するよう会社を後押ししてどうするというのでしょうか。

いずれにせよ、そもそもの話をすれば、新株式の発行は、ただ「既存株主のみ」に決める権利があるわけです。
新株式を発行する権利は既存株主以外の他の何者にもないのです。
もちろん会社自身にも新株式を発行する権利はありません。
そうであるにも関わらず、新株予約権は、よりによって、新株主に新株式を発行する権利を与えているのです。
新株予約権はまさにあべこべの極地、そう表現せざるを得ないかと思います。

授権資本制度の導入により、新株式を発行する権利を会社に付与するという第一のあべこべが始まりました。
そして、新株予約権の発明により、新株式を発行する権利を新株主に付与するという第二のあべこべが始まりました。
次は、議決権がない株式というものが発明されるかもしれません。
いくらなんでもさすがにそれはないか、とは思っているのですが。


Back to the 戦前

 

 



「ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ」
1. 本新株予約権無償割当ての概要
(3)発行新株予約権総数
(1/16ページ)



ここで言う、”新たに発行する”の対義語は一体何でしょうか。
”自己保有”とでも言うのでしょうか。

”自己保有新株予約権(自己新株予約権)”とは一体何でしょうか。

 

新株予約権を「自分で保有している」と聞くと、「何かおかしいな?」と感じるわけです。
「新株予約権を自分で保有しているとは一体どういう状態なのだろうか?」と直感的に思うわけです。
概念的に”自己保有新株予約権(自己新株予約権)”などというものはないだろう、と感じるわけです。
”自己新株予約権”などというものはない、ということが分かれば、
自己株式というものもない、ということが分かるのではないかと思います。
「新株予約権を自分で保有しているとは一体どういう状態なのだろうか?」という素朴な疑問と
「株式を自分で保有しているとは一体どういう状態なのだろうか?」という疑問とは実は同じなのです。
株式会社の理念や概念に基づけば、自己株式という概念自体が間違いであると言えます。
例えば、株式の持ち合いをしている会社と合併した場合は、お互いの持ち合い株式が共に自己株式になってしまいますから、
合併と同時にその自己株式は消却せねばなりません。
仮に合併後の自己株式を消却するに十分な利益剰余金がない場合は、
その合併の実施自体が会計的・法的に不可能である、と考えねばなりません。
株式会社の理念や概念に基づけば、自己株式が生じるのは合併の時のみ、ということになるのだと思います。

 


「ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場新株予約権の無償割当て)に関するご説明(Q&A)」
どのような権利行使パターンが可能か
(5/25ページ)



2,346株保有している株主は、どのように権利行使が可能でありどのように新株予約権や株式を売却可能か、について解説してあります。
これを見て思うのは、「単元未満株式というのは一体何を意味するのだろうか」ということです。
株式も新株予約権も、1,000単位でしか売買できないわけです。
極端に言えば、株式が上場しているのに、単元株制度は株主から株式を市場で売買する機会を奪っている、とすら言えるわけです。
また、株式を1,000株保有しているので新株予約権を1,000個割り当てられたとします。
この場合、結局、新株予約権を1,000個全部行使するか、1.000個全部市場で売却するか、のどちらかしか実際には選択肢はありません。
500個は権利行使し、500個は市場で売却する、ということは実際にはできない(法的にはできるが経済的には全く意味がない)わけです。
なぜなら、株式の売買単位も1,000株単位、新株予約権の売買単位も1,000個単位だからです。
新株予約権を1,000個全部行使するか、1.000個全部市場で売却するか、のどちらかしか実際には選択肢はないのなら、
新株予約権を1個行使するか、その1個を市場で売却するか、のどちらかしか選択肢はないことと全く同じでしょう。
単元株制度というのは全く意味がない、の一言かと思います(株式併合のエミュレーターとしての意味合いのみある)。
株式というのは1株1株が完全に独立しており、1株だけで意味があるわけです。
100株や1,000株には意味はありません。
100株や1,000株は、それぞれ1株が100個分、1株が1,000個分、という意味しかありません。
また、この新株予約権は全株主の全株式に対し平等に割り当てられるわけですが、
単元未満の株式部分については新株予約権を割り当てていないことと実質的に同じです。
新株予約権は行使自体は1個単位で可能ではあるのですが、新株予約権を1個行使して1株取得しても結局1株では市場で売却できないわけです。
さらに、1株1議決権であればまだよいのですが、実際には1単元で1議決権という定めになっているわけです。
これでは同じ普通株式なのに議決権が発生しない普通株式が存在していることになるわけでして、非常に大きな問題があるわけです。
これは、同じ普通株式なのに配当を受け取る権利がない普通株式が存在している状態を考えれば、その問題の大きさが分かるかと思います。

 



Q3−3 1個の本新株予約権の一部(例えば0.5個)を行使することはできるのか。
(15/25ページ)



「新株予約権0.5個(分)」という権利はないわけです。
単純に、「新株予約権といえば、そりゃ1個単位だろ。」と思うわけです。
「新株予約権0.5個」などというものはないのなら、
端株も当然ないのではないでしょうか。

 


「ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ」
(2)調達する資金の額及び資金の使途等
【手取金の使途】
(4/16ページ)



本新株予約権の行使比率を100%と仮定した場合の調達資金の使途、金額及び支出予定時期について記載されています。
また、本新株予約権無償割当ての行使比率が100%に達しない場合の調達資金の使途の優先順位についても記載されています。
まず、資金の使途(資本的支出計画)が先にあって、そこから具体的な投資金額や現実的な調達可能額などを見積り、
1株当たりの発行価額や引き受け手はどのくらいいるのかを総合的に勘案しながら、資金調達計画を立案していくわけです。
そういう意味では、基本的には、計画した金額は全額調達可能であるという前提で設備投資の詳細は決まっていくわけです。
ただ、特にこのたびのような公募増資という形ですと、市場に新株式の引き受け手はどれくらいいるのか全く分からない状態であるわけです。
これは公募増資全般について言えることかと思いますが。
また、増資に関連する形で市場株価がどれくらい下がってしまうのか分からない、という側面もあるわけです。
つまり、公募増資ですと、調達可能な資金の金額が正確には分からない部分があるわけです。
第三者割当増資であれば、調達可能な資金の金額は正確に計算可能なのですが。
そういったことを考えますと、公募増資を行う場合は、このたびのセーラー万年筆株式会社のように、
使途の内容を細かく分けて、「ここまで可能であればこの資本的支出を実施する」というふうに、
現実には優先順位を付けた資本的支出計画を立案せざるを得ない面が出てくるのだと思います。
このことは確かに理に適っている面もあるとは思います。
しかし同時に、では例えば「D システム化投資」は実施しなくてもよいのか、という問題もあるわけです。
優先順位を付けた結果と言ってしまうとそれまでなのですが、
しかし、必要だからこそ「D システム化投資」の実施を計画したというのもまた事実であるわけです。
「D システム化投資」は実は実施しなくてもよいという話ではないはずです。
本新株予約権無償割当ての行使比率が100%に達しなくても、必要だと判断し立案した資本的支出計画は全て遂行できるよう、
十分に余裕を持った増資計画が必要だとも言えるかもしれませんが、
しかし計画を超える必要以上の資金を調達してもそれはディメリットしかない(想定以上の大幅な希薄化が生じるなど)わけです。
そういったことを考えると、やはり、「調達可能な資金の正確な金額を事前に確定させる」ということが必要なのだと思います。

 



経営管理や経営計画のことを考えますと、優先順位が低いからでは済まないわけです。
経営資源というものは限られてますから、経営では確かに優先順位を付けることが大切です。
かのポーターもこう言っております。「経営戦略とは何をするのかを決めることだ」と。 (?何をするのか・・・だったっけ?)
しかし、いざ「これとこれとこれをする」と決めた場合は、それは全部実施しないといけません。
そこに優先順位などないのです。
必要だと判断するに至った資本的支出計画の中に、しなくてよい項目はないはずです。
一方で、仮に十分な資金を調達できなかった場合、実施できない項目が資本的支出計画の中に出てきてしまうのも事実です。
ですから、「調達可能な資金の正確な金額を事前に確定させる」ということが必要なのです。
経営戦略レベルでは物事に優先順位を付けなければなりません。
しかし、現場レベルでは立案された事業計画の実施には優先順位を付けてはいけないのです。
すると決めたことはするべきでしょうし、しないと決めたことはしないべきでしょう。
経営の階層には意思決定のレベルがあろうかと思いますが、判断の軽重を間違えてはいけないわけです。
いずれにせよ、「調達可能な資金の金額が正確には分からない」というのは計画遂行の上で極めて大きな支障となるわけですから、
公募増資の場合は、現実には、証券会社による「買取引受」しか方法はないのだろうと思います。
証券会社による「買取引受」というのは煎じ詰めれば証券会社による第三者割当増資の引き受けであるわけです。
証券会社は「買取引受」の後、その株式を市場で非常に長い時間をかけて売却していく、ということなのでしょう。
証券会社による「買取引受」はけしからん、と私は何回も批判したことがあるかと思いますが、
実は長期的な大きな視点で見れば、「買取引受」も一種の「brokerage(仲買業)」と見なすことも可能なのかもしれません。
「買取引受」は厳密に言えばやはり「dealing(自己勘定売買)」なのですが、
調達資金の金額を確定させる支援を公募増資の特殊性に鑑み変則的な形で行っているだけであり、
株式を市場で非常に長い時間をかけて売却していくことを代理で行っているだけだ、と考えれば、
問題点はないわけではないのですが、現実には”「買取引受」という一種の「brokerage(仲買業)」”も必要なのかもしれません。

 



調達する資金の額が想定を下回る恐れについては、プレスリリースにも記載があります↓。


4.本資金調達方法(ライツ・オファリング(ノンコミットメント型))を採用した理由
(1)ライツ・オファリングを採用した理由
(デメリット)
D.資金調達額の不確実性
(2)ノンコミットメント型ライツ・オファリングを採用した理由
(8/16ページ)



資本支出計画に優先順位を付けているくらいですから、調達する資金の額が想定を下回る恐れがあることは覚悟の上ということなのでしょう。
ただ、この点に関して、「事業に投入できる資金を可能な限り確保する」ということがそもそもの目的であることに違いはないわけです。
当然このことは、資本支出計画に優先順位は確かに付けてはいるものの、あくまで全ての計画を遂行することが第一目的である、
ということの表れでもあるわけです。
そうしますと、ノンコミットメント型ではなく、コミットメント型でなければ目的は果たせないのではないか、と思います。
コミットメント型であれば、当初計画した金額の資金を必ず調達できるわけですから。
コミットメント型ですと、手数料が高くなり手取り額が少なくなるというデメリットが(本当かどうか知りませんが)仮にあるのだとしても、
それをも織り込んだ上で新株予約権を発行していくべき(権利行使価額を少しだけ高くするなど)ではないだろうか、と思います。
また、ノンコミットメント型ライツ・オファリングについては、ここ数年10件以上実施例を検証したところ、
90%を超える高い行使率を記録している例も多かった、とのことですが、それはたまたまそのような結果になった、というだけです。
新株予約権を無償で割り当てて株主が権利行使するか否かは、権利行使価額や株価動向や株主構成などに大きく左右されるでしょう。
ノンコミットメント型ライツ・オファリングを行えば権利行使割合は高い、などという理論的根拠は全くありません。

 


最後に、権利行使価額についてなのですが。


6.発行条件の合理性
(8/16ページ)



行使価額は、1株当たり、31円(本新株予約権の発行決議日前営業日の当社普通株式の終値の58.5%)に設定、とのことです。


「セーラー万年筆株式のここ6ヶ月間の値動き」



前日終値の58.5%(41.5%のディスカウント)とだけ聞くと、非常に低い価額だなと感じてしまいますが、
6ヶ月間の値動きだけで判断する限り、1株31円という権利行使価額は著しく低いとは全く言えないと思います。
時価を上回るもしくは時価とほとんど変わらない価額ですと、権利行使されない可能性は確かに高まると思います。
株価のことを「時価」と表現するように、株価というのは今現在の株価のみに意味があると言えるわけです。
6ヶ月前や3ヶ月前はもちろん、1ヶ月前や1週間前、1日前や1時間前の株価ですら「現在の売買価格」という観点から見ると意味はないわけです。
今この瞬間、1時間前の価格で株式を買えるのかと言えば、買えないわけです(もちろんたまたま同じなら買えますが)。
株価という時には、厳密には今現在の株価のみを指すわけです。
過去何週間や過去何ヶ月間や過去何年間の値動きは、過去そのような値動きであった、ということを表しているに過ぎないわけです。
ただ、過去株式にそのような値が付いていたことは事実ですから、それはそれで一定の参考値にはなる、とは言えるでしょう。
単純平均や加重平均を取った値をどれほど重要視しなければならないかについては分かりませんが。
このような場合の権利行使価額の設定というのは、どれくらい権利行使されるのかも重要ですから簡単には判断できませんが、
直近の株価動向を踏まえますと、1株当たり31円の権利行使価額は低過ぎるとは言えないのだろう、と思いました。

 

 


会計上の英語とその日本語訳について


「自己株式」は英語で「treasury stock」(この訳語が「金庫株」)と言いますが、この訳は全く本質を突いていません。
正しくは「self-owned stock」と訳すべきでしょう。
また、新株予約権は英語で「warrant」と言いますが、この訳も全く本質を突いていません。
正しくは「stock right」と訳すべきでしょう。
「goodwill」(のれん、正しくは「adjustment account」など)といい、
「tender offer」(株式公開買付、正しくは単に「takeover bid」)といい、
「credit default swap」(クレジット・デフォルト・スワップ、正しくは分かりません。損失補填証券とでも言うのか)といい、
これらの単語・訳語といい、
実態とは完全に離れた(率直に言えば正反対の)用語が敢えて使われているように思います。

 

 



Once upon a time in Spain...(not so reliable a story...)

 

A client: "What is a credit default swap?"
Sanbo: "It's a put option. You can sell your bad bond with the face value to the counter party in order to make good a loss."
A cilent: "If you were a counter party, would you sell the put option to somebody?"
Sanbo: "...uh, y, yes, of course, it depends on the price, though."

顧客:「クレジット・デフォルト・スワップって何?」
参謀:「プット・オプションのことです。損失を補填するために、デフォルトを起こした社債を相手方に額面で売却できるんですよ。」
顧客:「あなたが取引相手だとして、あなたはそのプット・オプションを誰かに売りますか?」
参謀:「・・・え、あ、は、はい、もちろんです、価格にもよりますが。」

 

僕は次の日からタックのマドリッド校に通い始めた。
そして一年半後。

 

スペイン事務所にて

参謀:「今日からスペイン事務所でお世話になります。よろしくお願いします。」
先輩方:「君はバルセロナ大学法学部で成績は常に上位3位以内にいるらしいね。」
参謀:「いえ、バルセロナ大学ではありません。マジョルカ大学です。」
先輩方:「そうか、じゃあ簡単に君の会計の知識をテストしたいんだけど、
     累積損がある場合はどうやってその累積損を減少させたらよいだろうか。」
参謀:「はい、資本金の額を減少させると共に同じ割合だけ株式数を減少させます。
    つまり、資本金を取り崩すことによって累積損を解消させます。」
先輩方:「分かった、資本会計から教えてやる。」