2013年11月28日(木)



今日はまず昨日の訂正から行いたいと思います。
昨日この記事を紹介したかと思います↓。


Why Do 1.4 Million Americans Work At Walmart, With Many More Trying To?
(Forbes 11/27/2013 @ 7:30AM)
ttp://www.forbes.com/sites/realspin/2013/11/27/why-do-1-4-million-americans-work-at-walmart-with-many-more-trying-to/


昨日は、この記事のタイトルを

「140万人ものアメリカ人がウォルマートで働いており、なおもウォルマートで働こうとする人が増えているのはなぜなのか?」

と訳しました。
結論だけ先に言えば、この訳は間違いであるとなります。
この記事のタイトルを訳すに当たって、昨日は、

>「With Many More Trying To」の with は「付帯状況の with」であり、「OがCしながら〜、OがCである状態で〜」という意味になります。

と書きました。
どうも訳がいまいちどこかしっくり来ないなと感じ、今日改めてこの訳を読み返したり、more の前の「many」 について考えてみました。
するとどうやらこのタイトルは文法を少し間違っているようなのです。
more の前の「many」がやはり文法的に間違っていまして、これは正しくは副詞である「much」のようなのです。
つまり、「With Much More Trying To」が正しいのだと思います。
「much」はmoreという形容詞を修飾する副詞であり、「much more」で「はるかに多くの」という意味になります。
そうしますと、with も少し意味が違いまして、これは with の最も基本的な用法である「同伴のwith」になります。
Trying To は more Americans を後ろから修飾していて、「〜しようとしている(しようとする)より多くのアメリカ人」
という訳になります。
ただ、この with は「付帯状況の with」と解釈しても間違いではないと思います。
意味は結局どちらも同じになると思います。
日本語に訳す際は「付帯状況の with」と解釈した方が日本語に訳出しやすいと思いました。

 


文法を訂正し、withを「同伴のwith」と解釈し隠れている語を全て補って英文を書きますと、

Why Do 1.4 Million Americans Work At Walmart, With Much More Americans Who Are Trying To Work At Walmart?

となります。
with を「付帯状況の with」と解釈しますと、上の英文から Who Are を除けばよいだけです。
参考までにwith を「付帯状況の with」と解釈し、説明的に訳しますと、

「140万人ものアメリカ人がウォルマートで働いており、
そしてそれよりはるかに多くのアメリカ人がウォルマートで働こうとしているのはなぜなのか?」

という日本語役になります。
ウォルマートは非常に魅力的な職場であるので、現在ウォルマートで働いているのは140万人だけだが、
実際にははるかに多くの人がウォルマートで働きたいと思っている(ウォルマートの求人にはるかに多くの人が応募をしている)、
という意味になります。
ウォルマートは非常に魅力的な職場であるので競争率が非常に高い、というような意味を伝えようとしているのでしょう。

 



私が昨日間違えてしまった理由は二つあります。
一つ目は、単純な話ですが、タイトルの文法が間違っているとは全く想定していなかったからです。
単純に、more の前の「many」は「many」で正しいのだろう(「many」により執筆者は何かを伝えようとしているのだろう)と思いました。
「many」は「much」の間違いだと今日気付きまして、何だそれだけのことかと分かったところです。
二つ目は、昨日は「many」は「much」の間違いだと気付かなかったことと関連しているのですが、
ウォルマートで働いているアメリカ人の数が140万人というのは「あまりに多過ぎる」という考えしか頭に行かなかったからです。
140万人というだけでも多過ぎて何かの間違いではないかという考えしか頭になく、
「それよりはるかに多くの人がウォルマートの求人に応募している様」というのが全く頭に思い浮かびませんでした。
ウォルマートが目下事業規模を拡大(積極出店)しているなどの理由により、
現在よりもウォルマートで働く人が今後も増えるということはあるだろうな、とは思いましたが、
「140万人よりもはるかに多くの人が現在ウォルマートの求人に応募をしている状況」というのは全く想像できませんでした。
ウォルマートが求人を出せばどのくらいの競争率になるものかは分かりません。
新規出店によりその店舗で10人雇うことにした(求人を出した)として、応募者の数は20人になるのかそれとも30人ほどになるのか。
地域の事情や時給などにも左右されるとは思いますので、正確には分かりません。
しかし、少なくとも「140万人よりもはるかに多くの人がウォルマートの求人に応募をしている状況」だけは想像できませんでした。
仮にウォルマートで働いている人数が140万人で正しいとしても、
企業は常に求人を出しているわけではなく、ある従業員が退職することになったのでその店舗では地元で新たに求人を出す、
という流れであるわけです。
140万人全員が一度に辞めるわけではないわけです。
ある店舗では、アルバイトをしていた学生達がこの3月に学校を卒業をするということで、計5人の求人を新たに出すかもしれない。
ある店舗では、アルバイトをしていた主婦がこのたび出産をするということで一旦退職となり、1人の求人を新たに出すかもしれない。
ある店舗では、特段辞める従業員は現在のところいないため、求人は全く出していないかもしれない。
ウォルマートへの求職者数が「140万人をはるかに超える(much more)数」というのは全く想像できませんでした。
それで、この many は much の間違いではないか、とはつゆにも思いませんでした。
せいぜい、「新規出店したらそれに合わせて求人を出し、まあ応募は一定数以上はあるだろうから求人数分は確保できて、
それでその求職者は従業員として働き、それでウォルマートの従業員数はさらに増えるだろうな」
としか昨日は思いませんでした。
そういうわけで、まず文法面では全く間違いはないという前提で英文解釈を行い、また、
そういった新規出店のことや退職者のことや企業が出す求人やそれに対する応募のこと(企業の行動様式)を
無意識に・自然と頭に思い浮かべた上で英文解釈を行ったわけです。
私が思い浮かべた「企業の行動様式」の妥当性は別にしても、
文法が間違っていた場合はやはり正しい解釈・訳出は昨日はできなかっただろうな、と今でも思っているところです。