2013年10月25日(金)



2013年10月25日(金)日本経済新聞
LINE 来夏上場へ 時価総額1兆円規模 無料通話アプリ 2.7億円利用
(記事)





【コメント】
まあ買うバカはいないと思いますが。


LINEって何やってる会社なの?
聞いたこともないけど。
光ファイバーか何かなの?

 

 



2013年10月25日(金)日本経済新聞 公告
公告
西京信用金庫
平成二十四年度本会の事業経営状況は次のとおりであります。
公益社団法人(旧社団法人)全国市有物件災害共済会
(記事)



 

2013年10月8日(火)日本経済新聞 公告
定款変更につき通知公告
株式会社クロス・オブ・ジャパン
(記事)


会社概要
ttp://www.cross-japan.com/company/outline.html

>創業 : 1970年5月

 



【コメント】
今手元にあります会社法の教科書には、「株券」について以下のように書かれています。

>これまでは、株式会社の株式については株券が発行されるのが原則だったため、株式の移転も原則として株券の交付によることとしていた。
>会社法ではこれが逆転し、株券を発行しないことを原則とし、定款で特に定めた場合に限り株券を発行できることとなった。

この記述の”これまでは、”というのは、「旧商法下では、」という意味です。
旧商法下では株券が発行されるのが原則だった、
すなわち、旧商法下では定款に株券を発行する旨の定めは必要なかった、ということになります。
株式会社クロス・オブ・ジャパンは1970年創業ということで、当然旧商法下での会社設立(法人登記その他)ということになります。
そうしますと、株式会社クロス・オブ・ジャパンは会社設立当時、当然に株券を発行したわけです。
その株券をこのたび廃止することにしたそうです。
ただ、株式会社クロス・オブ・ジャパンは社名からも分かる通り、筆記具ブランド・クロスグループの日本法人であり、
その株主はアメリカ合衆国の「A. T. Cross Company」 (世界本社)です。
株式会社クロス・オブ・ジャパンの株主は「A. T. Cross Company」ただ一人のみということで、
株券を廃止しても実務上は何の問題もないということになるのだと思います。

 



ただ、これもよくよく考えてみますと会社法のおかしな点だと思うのですが、
株主が二人以上である場合はやはり株券の廃止というのは大きな問題が生じ得ると思います。
株券がない場合は、株主はどうやって自分が出資した分を証するのか、という問題です。
当然これは株主毎の議決権割合とも関連してきます。
また逆に、会社側もその人が本当に株主なのかを確認したいという場面もあるでしょう。
会社も各株主も、株主毎の保有株式数(議決権割合)を常に明確にしておきたいという実務上の必要性は当然あるでしょう。
そうしますと会社側にとっても株主側にとってもやはり株券というのは実務上必要なのだと思います。
株券といってもテレビドラマや映画や漫画で出てくる紙幣のような札束ではなく、
「各株主毎の保有株式数はこれで間違いがない」という旨の念書を、各株主と会社(実務上は代表取締役)との間で取り交わす、
という意味ですが。
旧商法や現会社法で言っている株券とは、そもそも紙幣のような札束ではなく念書のことを指しているのかもしれません。
会社と株主との間で保有株式数について確認を取り念書を書くことは実務上当たり前のことであったので、
旧商法では株券が発行されるのが原則だったのだと思います。
より正確に言えば、旧商法では”株券が発行されるのが原則だった”というより、株券についての条文自体がそもそもなかった、
というべきなのだと思います。
株式会社は資本の払い込みと同時に株式を発行しなければならないのは旧商法でも現会社法でも共通(というより概念上当たり前)であり、
払い込みと同時に払い込んだ者は株主の地位を得るわけですが、
問題はその「株主の地位」という抽象的存在をどのように明確化し、会社も株主も対外的に明瞭な形で証するようにするか、なのです。
旧商法では、その点については全く触れていないようです。
「株主の地位をどのように証するかは会社と株主で自由に決めなさい」というスタンスなのでしょう。
もちろんしっかりと紙に書いてもいいですし、札束を印刷してもよいですし、株主は家族だけの会社であれば口頭でもよいという場合もあるでしょう。
とにかく「株主の地位をどのように証するか」は(旧)商法の担当範囲ではない、ということだと思います。

 


そういったことを考えますと、現会社法において「株券を発行しないことが原則」と考えるのもおかしいのかもしれません。
現会社法では旧商法とは異なり、「株券」についての条文があるわけですが、
現会社法でいう「株券」とは具体的に何を指すのかは実は明確ではないのかもしれません。
現会社法の株券についての条文の解釈は正確にはできませんが、
結局実務上「株主の地位」という抽象的存在は何らかの形で明確化せねばならないわけですから、
旧商法だろうが現会社法だろうが、何らかの株券は実務上当然発行せねばならないことであって、
発行するのが原則と考えるのもおかしいですし、発行しないのが原則と考えるのもおかしいわけです。
旧商法だろうが現会社法だろうが、「株主の地位」はしっかりと紙に書く必要がある場合もあれば口頭で済む場合もあるのですから。
現会社法においても、旧商法同様、「株主の地位をどのように証するか」は会社法の担当範囲ではなく、
「株主の地位をどのように証するかは会社と株主で自由に決めなさい」というスタンスのままなのではないかと思います。

会社法では定款で特に定めた場合に限り株券を発行できることとなったとのことですが、
正確に言えばこの株券が何を指すのか明確ではない、ということになるのだと思います。
紙の念書(おそらく旧商法ではこの紙の念書を”株券”と呼んだのでしょう)を書くことは現会社法においても全く自由だと思います。
では逆に、旧商法下において、定款に「株券を発行しない」旨定めた場合はどうなっていたのでしょうか。
おそらくそれも自由だったと思います。
株主が家族だけだったので、父は「めし、フロ、寝る」、母は「ハイ」の一言であり、
それで何のトラブルも起きないと定款作成時に想定されたということなのでしょう。
そのように定款に定めた実例が旧商法下であったのかどうかは知りませんが。
というわけで、最後は少し冗談のようになってしまいましたが、
旧商法においても現会社法においても、結局「株券」が何を指すのかは明確ではないため、
株券(=「株主の地位」を具体的な形で証するもの)に関する取り扱いは、
実は旧商法と現会社法とで結局何も変わっていない、と解釈しなければならないと思います。

 


最初の株式会社クロス・オブ・ジャパンの公告に戻りますと、
例えば株式会社クロス・オブ・ジャパンが札束のような株券を発行していたのだとしたら、
その札束をこのたび無効とするのはそれはそれで自由なのだと思います。
定款変更ですから、株主総会の特別決議を既に取っている(=会社は株券廃止について株主の同意を得ている)ということだと思います。
ただ、それはあくまで、札束が無効になったという意味であって、
「株主の地位」を具体的な形で証するものが無効になったこととは意味が違います。
「株主の地位」を具体的な形で証するものには「無効になる」という概念はないのではないでしょうか。
権利を表しているだけなのですから。
権利関係が変わるわけではない、と言えばいいでしょうか。
例えば株券を捏造したなどであればその株券ははじめから無効ということはもちろんあるでしょうが。
もちろん、株式会社クロス・オブ・ジャパンの株券が廃止になっても、株主の地位が無効になるわけでもありません。
ここでいう株券が具体的にどのような形のものを指しているのかは分かりませんが、仮に札束のようなものを指しているのだとすれば、
株式会社クロス・オブ・ジャパンは、
「札束はかさばるし失くす心配もあるし面倒なので、札束の形の株券はもう使うのはやめにしよう。これからは一枚の紙に書くことにしよう。」
というふうに決めたということなのでしょう。
まあ、株式会社クロス・オブ・ジャパンが定款に株券を発行する旨定めていたということすら疑わしいとは思いますが
(旧商法下では定款に株券を発行する旨定めることすらなかったと思います)。