2013年7月12日(金)
[サンフランシスコ 11日 ロイター] -
米マイクロソフトは11日、5年ぶりに大規模な組織再編を発表した。
事業部門をソフト、ハード、サービス別に4部門に改編、出遅れたモバイルやクラウド分野で追い上げを図る。
4部門は、基本ソフト(OS)、アプリケーション、クラウド・サービス、ハードウエア・デバイス。
OS部門が「ウィンドウズ」の開発を一手に請け負い、ハードウエア・デバイス部門はタブレット端末「サーフェス」や
ゲーム機「Xbox」などあらゆる製品を担当する。管理職クラスはほぼ総入れ替え。外部からの採用はなかった。
バルマー最高経営責任者(CEO)はかねてより、「デバイスとサービス」の会社になることを目標に掲げており、今回の再編はそれに沿った形。
同時に、マイクロソフトの発展とPCの浸透をもたらした「ソフトウエア」頼みへの決別も示唆する。
モバイル機器やウェブベースのサービスでアップルやグーグルに遅れをとったマイクロソフトは、2012年にタブレット端末「サーフェス」
を発売したが「iPad(アイパッド)」やサムスン電子のアンドロイド端末に対抗する決定打にはなっていない。
また、昨年リリースしたOS(基本ソフト)「ウィンドウズ8」は、従来のウィンドウズに慣れ親しんだ人々には使いにくく、
急きょ改良版で「スタート」ボタンを復活させるなどの対応を迫られた。
今回の再編では、部門ごとに行っていた経理を集中管理するようにした。主要部門は担当分野に集中し、戦略、リサーチ、マーケティング、
事業開発も行う。また、「ウィンドウズ」と「オフィス」との間であったとされる縄張り争い的な問題も解消される。
一部アナリストはバルマーCEOは経営の采配をふるいやすくなる、とみている。
BGCのアナリスト、コリン・ギリス氏は
「深刻な問題をいくつか抱えていなければ、このような大規模な再編を行わない。これでバルマー氏周辺のパワーアップが図られる」と述べた。
マイクロソフトの幹部は、報道関係者やアナリストとの電話会議で、現時点で人員削減の計画はないと説明した。
しかし、デバイスのマーケティング・開発戦略変更で社員の間で動揺が広がることが予想される。
「かなりの動揺の種になり得る。詳細を明らかにする必要がある。今後いろいろなうわさが飛び交うだろう」とBGCのギリス氏はみている。
<新たな時代の幕開け>
個人だけでなく企業でもスマホやタブレットの利用が高まるに伴い、PCの販売は急減。調査会社IDCによると、
世界のPC出荷台数は第2・四半期は11.4%減少した。そのあおりで、マイクロソフトではソフトウエアの売り上げが減少している。
2000年に共同創業者のビル・ゲーツからCEOを引き継いだバルマー氏は、マイクロソフトをアップルのような会社にしたいと言っている。
今回の組織再編で、効率化を図り、製品の投入までにかかる期間を短縮して、ソフトウエアの「オフィス」や「ワード」などを
パソコン(PC)上だけでなくさまざまなデバイスにも普及させようとしている。
ウェブサイトに掲載された従業員向けメモで
バルマーCEOは「部門ごとの戦略の寄せ集めではなく、1つの会社としての単一の戦略の下に結束する」と表明した。
新たに設立される4部門のうち、OS部門は、「ウィンドウズ・フォン」などモバイル市場開拓の責任者だったテリー・マイヤーソン氏が率いる。
アプリケーション部門を統括するのはオンラインサービス部門の責任者だったQi
Lu氏。同氏はドル箱商品の「オフィス」も担当する。
オフィス部門のカート・デルビーン社長は退任する。
クラウド・サービス部門の責任者には、インターネットインフラの第一人者のサティヤ・ナデラ氏。
デバイス部門はジュリー・ラーソン・グリーン氏が率いる。
クロス・リサーチのアナリスト、リチャード・ウィリアムス氏は、
今回の再編は理にかなっていると評価する一方、特定の製品に関する財務データの公表が減ることになる可能性を指摘。
「これを機に透明性が後退することが懸念される。そうならないことを希望する」と述べた。
11日の米国株式市場で、マイクロソフト株は2.8%高で終了した。
(ロイター 2013年
07月 12日 09:44
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE96A01O20130712
One Microsoft──ポストPC時代に対応する大規模組織改編を発表
Microsoftが、従来の製品別組織を機能別組織に再編する大規模な組織改造を発表した。
エンジニアリングはOS、アプリ、クラウド、端末の4つの部門になる。
米Microsoftは7月11日(現地時間)、端末(デバイス)とサービスにフォーカスした大規模な組織改編を実施すると発表した。
より迅速で効果的なイノベーションを実現するのが目的という。
これまでWindows、Windows
Phone、Microsoft
Office、サーバ&ツールというように製品別になっていた組織を“機能ごと”に再編する。
つまり、OS、アプリ、クラウド、端末の4つのエンジニアリング部門と、マーケティング部門、事業開発部門などに分ける。
スティーブ・バルマーCEOは従業員に宛てた公開書簡で、
「部門ごとの戦略ではなく、1つのMicrosoftとしての統一戦略の下に結束する」と語った。
Operating Systems Engineering Group
WindowsとWindows
Phone、バックエンドを含むすべてのOSの担当部門。クラウドサービスもこの部門が担当する。
リーダーは、現Windows
Phone担当社長のテリー・マイヤーソン氏。
Devices and Studios Engineering Group
Windows
SurfaceやXboxなどのハードウェア開発と、サプライチェーン、エンターテインメント(ゲーム、音楽、動画など)を担当。
現Windows担当副社長のジュリー・ラーソン─グリーン氏が統括する。
Applications and Services Engineering Group
Microsoft
Office、Outlook.com、Bingなどのアプリケーションおよびサービスを担当する部門。
現オンラインサービス部門社長のチー・リュー氏が統括する。
Cloud and Enterprise Engineering
Group
データセンター、データベース、企業向けIT、開発ツールなどのバックエンド技術を担当。
現サーバ&ツールビジネス担当社長のサトヤ・ナデラ氏が統括する。
Dynamics
Dynamicsのみ独立部門として扱う。現ビジネスソリューション事業部社長のキリル・タタリノフ氏が統括。
Advanced Strategy and Research
Group
研究開発と技術政策を担当。現CTO(最高技術戦略責任者)のエリック・ラダー氏が統括する。
Marketing
Group
マーケティングおよび広告部門。リーダーはWindows担当CMO(最高マーケティング責任者)兼CFO(最高財務責任者)であるタミ・レラー氏と、
2012年7月に企業戦略担当として入社したマーク・ペン氏。ペン氏はマーケティング戦略と広告を統括する。
Business Development and Evangelism
Group
OEM、プロセッサベンダー、開発者、Yahoo!、Nokiaなどのパートナーとの窓口。エバンジェリストもこの部門に入る。
リーダーは現Skype担当社長のトニー・ベイツ氏。
財務、法務、人事部門は従来通り。
この組織改編で、Microsoft
Office担当社長のカート・デルベーン氏が退社し、
主要事業戦略を担当してきたCEOシニアアドバイザーのクレイグ・マンディ氏は2014年にコンサルタントとなり、同年末に退社する。
また、同社研究部門Microsoft
Researchのリック・ラシッド上級副社長は同職を退き、OSグループでOS開発に従事する。
(ITMedia 2013年07月12日 07時56分
更新)
ttp://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1307/12/news035.html
July 11, 2013
Transforming Our
Company
ttp://www.microsoft.com/en-us/news/Press/2013/Jul13/07-11memo.aspx
>Lots of change. But in all of this, many key things remains the
same.
>Our incredible people, our spirit, our commitment, our belief in
the transformative power of technology - our Microsoft
>technology - to
make the world a better place for billions of people and millions of businesses
around the world.
>It’s why I come to work inspired every day. It’s why
we’ve evolved before, and why we’re evolving now.
>Because we’re not done.
>
>Let’s go.
>
>Steve
【参謀意訳】
目まぐるしい環境変化。でもそんな中にあっても、本当に重要なものは決して変化しない。
世界中の何十億もの人々や何千万もの企業のためによりよい世界を作っていきたいというマイクロソフトの、
想像を超えた人材、意気込み、使命感、技術の力が―もちろんマイクロソフトの技術の力が―世を変えるのだという信念、
これらは決して変わることはないのだ。
それが私が毎日やる気をもって仕事に来ている理由なんだ。
それがマイクロソフトがこれまで進化してきた理由であり、そして、今でも進化している理由なんだ。
なぜなら、マイクロソフトの仕事はまだ終わっていないからだ。
さあ、行こう。
スティーブ