2013年7月11日(木)
2013年7月10日
パラマウントベッドホールディングス株式会社
2018年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債の発行条件等の決定に関するお知らせ
ttp://www.paramountbed-hd.co.jp/files/holdings/pdf/201307/official2013071002.pdf
2013年7月10日
パラマウントベッドホールディングス株式会社
2018年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債の発行に関するお知らせ
ttp://www.paramountbed-hd.co.jp/files/holdings/pdf/201307/official2013071001.pdf
【コメント】
昨日の住友林業の転換社債に比べれば、標準的な新株予約権付社債かと思います。
2013年7月2日
株式会社インターネットイニシアティブ
新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ
ttp://www.iij.ad.jp/ir/news/2013/pdf/20130702_J.pdf
2013年7月3日
リオン株式会社
新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ
ttp://www.rion.co.jp/dbcon/pdf/news_130703.pdf
【コメント】
株式会社インターネットイニシアティブについては、
野村証券がリオン株式の売出しを行い、なおかつ、株式会社インターネットイニシアティブからの第三者割当増資を引き受けるようです。
また、リオン株式会社については、
みずほ証券がリオン株式の売出しを行い、なおかつ、リオン株式会社からの第三者割当増資を引き受けるようです。
証券会社が、顧客である事業会社が発行する証券を保有しているというだけでもおかしいのに、
株式の売出しを行いなおかつ第三者割当増資を引き受け再び保有し直す、というのは完全に意味不明です。
出戻り、という冗談にもならないかと思います。
ソフトバンクのスプリント買収が完了、クリアワイヤも
ソフトバンクは、米国の通信事業者であるスプリント・ネクステル(Sprint
Nextel)に対する投資を7月10日(米国時間)に完了したと発表した。
社名もあわせて「スプリント・コミュニケーションズ・インク」に変更されている。
今回の手続き完了により、ソフトバンクが100%出資する米国持株会社が新生スプリントの株式、約78%を保有する。
残りの22%は旧スプリントの株主が持つ。新生スプリントはこれまで通り、米カンサス州のオーバーランドパークを本拠地として、
CEOはダン・ヘッセ氏が務める。孫正義氏は取締役会長、ソフトバンク取締役のロナルド・フィッシャー氏は取締役副会長で、
米軍統合参謀本部の前議長だったマイク・マレン氏が安全保障担当の取締役になるという。
子会社化に要する投資額は約216億ドル(約1.8兆円)。なお、ソフトバンクではスプリント買収に必要な資金として金融機関から、
計1兆2849億円を借り入れたことがあわせて案内されている。
このほか、今回の手続き完了に先立つ9日、米国でWiMAX事業を展開するクリアワイヤ(Clearwire)がスプリントの100%子会社になった。
(ケータイWatch 2013/7/11
12:01)
ttp://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130711_607278.html
2013年7月11日
ソフトバンク株式会社
スプリント買収(子会社化)の完了に関するお知らせ
ttp://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2013/20130711_01/
【コメント】
>4.
今後の見通し
>スプリントの業績は、2013年7月11日から当社の連結財務諸表に取り込まれます。本取引の影響額は分かり次第お知らせいたします。
2013年4月1日に新スプリント株式を取得したものとみなして連結財務諸表を作成していくことになるのだと思います。
ただ、これは書き出すと本当に長くなる論点になりますが。
最近、関連法規との整合性を踏まえれば、日本企業は日本基準を適用するかしなく、米国企業は米国基準を適用するしかない、
といったことをよく書いていますが、
ソフトバンクの連結財務諸表に新スプリントの財務諸表を合算するためには、新スプリントに日本基準を適用する必要があります。
新スプリントに米国基準を適用したままでは合算できないわけです。
しかし、新スプリントは米国企業ですから新スプリントに日本基準を適用するとなりますと、
極めて大掛かりな話になってくるわけです。
厳密に言えば、新スプリントの会社設立時からの全ての仕訳が日本基準に従った仕訳でないといけないわけです。
また、新スプリント自体は純粋持株会社ですが、「1.
本取引完了後のストラクチャー図」を見ても分かるように、
完全子会社、完全孫会社として、事業会社である旧スプリントとクリアワイヤが傘下にある状態です。
当然、これらもソフトバンクの連結の範囲に含まれますから、連結子会社である旧スプリントとクリアワイヤにも日本基準を適用する必要があり、
会社設立時からの全ての仕訳を日本基準に従った仕訳で切り直さないといけないわけです。
また、新スプリントと旧スプリントとクリアワイヤに単純に日本基準を適用したというだけでは不十分です。
日本基準を適用した時点では新スプリントと旧スプリントとクリアワイヤの財務諸表は米ドル建てで表示されているわけです。
これらを日本円建ての財務諸表に換算しないと合算できません。
正確には、会社設立時からの全仕訳を切り直す過程で
当時の為替レートを踏まえながら円建ての財務諸表に仕上げていく形になるのだと思います。
どういうわけか、日本企業の中には米国基準やIFRSを適用している企業もあるため、
日本の会計ITシステムも米国基準やIFRSに対応していたりするわけですが、米国の会計ITシステムは絶対に日本基準には対応していないでしょう。
日本企業が米国基準やIFRSを適用するのに比べると、米国企業が日本基準を適用することは気が遠くなるほど煩雑なことだと思います。
まあ実際は、日本基準と米国基準の折衷基準のような、厳密ではない何か簡便法のような形で連結手続きを進めていくのだとは思いますが。
法律は悪く言えば実社会との妥協の産物のようなところがあると私は思っています。
一方、会計は基本的には財務諸表のみが相手ですからそういった妥協のような点はなく、
経営や商慣習を踏まえた上で、会計理論に基づいて会計基準は整備されていると私は思っています。
ただ、このたびのソフトバンクの事例を考えていますと、実務上の連結財務諸表作成においては、
実務上の作成過程の煩雑を考えれば、投資家の投資判断を誤らせない範囲ではあるものの、
ある程度は妥協で作成されている面も実際にはあるのだろうと思いました。
ソフトバンクは新スプリント株式を約78%保有しているわけですが、
持株基準ではなく支配力基準に基づき、ソフトバンクは新スプリントを連結の範囲から外した方がよいのではないかと思いました。
ただ、その理由は、連結財務諸表の作成が煩雑すぎるからではありません。
単純に、ソフトバンクは新スプリントの意思決定を支配していないからです。
なぜソフトバンクは新スプリントの意思決定を支配していないかと言えば、ソフトバンクは新スプリントに対し議決権は行使しないからです。
なぜソフトバンクは新スプリントに対し議決権は行使しないかと言えば、英語が話せないからです。
まあ最後は冗談ですが、プレスリリースには
>本取引の影響額は分かり次第お知らせいたします。
と書かれていますが、
新スプリントを連結子会社化したら連結財務諸表はどうなるのか、そしてもちろん個別財務諸表はどうなるのか、
十分に理解した上で株式は取得していくべきだと思います。
そして言うまでもありませんが、自分達は米国企業を経営できるのかどうかも事前に十分に理解しておく必要があるでしょう。
連結子会社は金で買えます。
しかし、経営能力は金では買えないのですから。