2013年7月3日(水)
2013年7月3日(水)日本経済新聞
■ペンタックスリコーイメージング 社名変更を正式発表
(記事)
2013年7月3日(水)日本経済新聞 公告
第27期決算公告
フィデリティ投信株式会社
発行価格等の決定に関するお知らせ
ユナイテッド・アーバン投資法人
(記事)
2013年7月3日(水)日本経済新聞 公告
第14期決算公告
アイエヌジー投信株式会社
(記事)
2013年7月2日
株式会社三菱UFJ フィナンシャル・グループ
株式会社三菱東京U F J
銀行
タイ大手商業銀行アユタヤ銀行の株式取得について
ttp://www.mufg.jp/data/current/pressrelease-20130702-001.pdf
ttp://www.bk.mufg.jp/news/news2013/pdf/news0702.pdf
【コメント】
アユタヤ銀行が日本の銀行の子会社になったからと言って、預金者離れや貸出先離れが起きるとは思いませんが、
アユタヤ銀行が日本の銀行の子会社になったからと言って、預金者の増加や新たな貸出先の獲得につながるわけでもないわけです。
資本関係に関わらず、アユタヤ銀行はアユタヤ銀行で引き続きタイの銀行法に基づき、淡々と預金業務と貸出業務を行うだけでしょう。
株式会社三菱東京U
F J
銀行がタイで預金業務や貸出業務を行えるようになるわけではありませんし、
アユタヤ銀行が日本で預金業務や貸出業務を行えるようになるわけではありません。
銀行業はどの国でも完全に各国内完結なのです。
もちろん、預金者も貸出先も両行で完全に異なりますし、三菱東京UFJ
銀行バンコック支店とアユタヤ銀行の統合もできないでしょう。
私はいつも、「銀行はどんどん合併して規模を大きくしろ」と言っていますが、
それは法的に一つになる(一つの法人になる)べきだ、という意味であって、子会社しろ、という意味ではありません。
子会社化しただけでは何のメリットもないわけです。
まして、国境を越えた銀行を子会社化するなど、金をドブに捨てたようなものです。
これはアユタヤ銀行はダメな銀行だという意味ではありません。
業務を両行で共同で行ったりは絶対にできないから、子会社化しても業務効率化や顧客獲得のシナジーは全くない、という意味です。
株式会社三菱東京U
F J 銀行がアユタヤ銀行を子会社化しても、得るものは何もないでしょう。
それから、財務面に関してですが、株式の取得方法は株式公開買付によるようなのですが、
本株式公開買付の実施予定期間は2013 年11
月上旬から開始し、2013 年12
月に終了する予定、とのことです。
株式公開買付開始までまだ4ヶ月以上あるわけです。
プレスリリースには、本株式公開買付は、関係当局による許認可およびアユタヤ銀行の株主総会決議を取得すること
並びにその他の諸条件が充足された後に、実施されます、とありますので、
それら許認可等にかかる時間を勘案して2013
年11 月上旬から開始という計画を立てているのだとは思います。
それは分かるのですが、株式公開買付価格は一株あたり39
タイバーツ、と既に決めているようなのです。
4ヶ月もあると、株価は一定額変化しそうなものだが、と思うわけですが。
一応アユタヤ銀行の株価を見てみますと、ここ数ヶ月間は32バーツから36バーツの間で安定推移しているようですが、
株価は毎日変化するわけですから、株式取得価額の決定・発表と株式取得の実施までの間はできる限り短い方が望ましいのは言うまでもありません。
過去1年間の値動きを見ても、4ヶ月以内に株価が39バーツを超えることはまずない、と読んでいるということだとは思いますが。
「アユタヤ銀行の過去1年間の値動き」
サントリー食品が東証1部上場、初値3120円で公開価格上回る
7月3日(ブルームバーグ):サントリーホールディングス主力飲料子会社のサントリー食品
インターナショナルが3日、東京証券取引所
1部市場に新規株式公開(IPO)した。市場からの資金吸収額が今年最大の案件で、割高との評価も出ていた公開価格を初値は上回った。
取引開始直後に付けた初値は3120円と公開価格(3100円)比で0.65%高。3.1%高まで上げ、1.5%高の3145円で初日の取引を終えた。
今期(2013年12月期)連結純利益予想と公募後株式数で算出した公開価格での株価収益率(PER)は27倍。
国内競合のキリン
ホールディングスの16倍やアサヒグループホールディングスの17倍より高かった。
サントリ食は上場に向けた想定発行価格を3800円、仮条件を3000−3800円として公開価格はこの下限近くで決まった。
円安を背景に東証株価指数(TOPIX)が5日続伸するなど日本株が上昇基調の中で、初値はこれをやや上回った。市場からの吸収額は3880億円。
岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、サントリ食の初値について「全体の相場が良くなったことに加え、
公募価格が仮条件の下限近くで決まったことで買いやすかった」と述べた。
公募価格が3800円の上限近くで決まったら上乗せは期待しにくかったとして「直近の相場の動きが追い風になった」とも語った。
サントリ食の時価総額は9700億円超で、ライバルのキリンHの1兆5000億円超、アサヒの1兆2000億円超に次ぐ規模になる。
サントリ食は今期に配当を予定しているが、額は未定としている。のれん償却前純利益で配当性向30%以上としており計算上は56円以上になる。
2009年設立のサントリ食は、東京都中央区に本社を置く。主力ブランドに缶コーヒー「BOSS」や本格緑茶「伊右衛門」などをそろえ、
国内清涼飲料のメーカー別シェアはコカ・コーラグループに次ぐ2位。09年には仏オランジーナ・シュウェップス・グループを買収するなど
積極的に海外展開し、20年までに売上高を現在の約2倍となる2兆円まで拡大する数値目標を掲げている。
今期連結業績見通しは、売上高が前期比14%増の1兆1300億円、営業利益は同28%増の750億円、純利益は50%増の350億円。
岡三の伊藤ストラテジストは、投資家の動向について「足元では外国人が安倍内閣の成長戦略などへの期待で買っていたが、国内勢は
慎重な心理からまだ抜け切っていない。しかし、個人などを中心にサントリー食品などの好業績銘柄に買いが集まるだろう」と予想している。
「ほっとしている」
サントリ食の鳥井信宏社長は、上場初値について「ほっとしている」とのコメントをFAXで寄せた。
「お客様に愛されるサントリーらしい商品を届けるのがわれわれの使命。そのことで株主の期待に応えていきたい」とも述べている。
初日の取引終了後の記者会見で鳥井社長は、20年目標での売上高2兆円について「4000−5000億円は戦略投資で積み上げる」との意向を示した。
投資に際しては「コントロールを取るのが理想」として企業の合併・買収(M&A)では過半数の株式を取得する方針を維持する
考えを明らかにした。営業利益率は2ケタ台が目標とも語った。有望な市場としては非炭酸飲料分野が一番成長余地が大きく、
この分野の取り込みにモノと金と人が必要だ、と述べた。
上場に際しては公募で9300万株の新株を発行、オーバーアロットメントを含む売り出しは3220万株。
調達資金は、過去に実施した買収資金に充てた短期借入金の返済、事業成長のための国内外の戦略投資に充当予定。上場後も
親会社サントリーHDが株式の約6割を保有する。野村ホールディングス、モルガン・スタンレーとJPモルガンがグローバルコーディネーター。
過去数年の大型IPOでは、12年の日本航空が公開価格3790円に対して3810円の初値を付け、1.1%高で初日の取引を終えた。11年のネクソンは
公開価格1300円に対して初値1307円、10年の第一生命保険は公開価格14万円に対して初値16万円といずれも公開価格を上回っている。
(ブルームバーグ 2013/07/03 16:18
JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-MPAVXG6JIJUO01.html
「東証1部に上場し鐘を鳴らすサントリー食品インターナショナルの鳥井信宏社長(3日午後、東証)」(日本経済新聞Web刊)
「サントリー食品インターナショナル株式の上場日の値動き」
概ね公募価格と同一価格で取引開始直後の9:00に値が付き、その後も安定推移したようです。
誰が買ったかは知りませんが。
出来高の棒グラフを見ても、取引開始直後に大きな売買が成立したようです。
値幅制限(07/03)が「775〜12,400」となっていますが、これはヤフー・ファイナンスのシステム上の問題だと思います。
正しくは私が昨日書いた通り(値幅制限は初値が決まってから決まるという上場日特有の変則的な決定システムになっているため)だと思います。
また、上場企業・非上場企業問わず、株式はやはり簿価で売買すべきだと思います。
仮に、上場後もサントリー食品インターナショナル株式を簿価で株式市場において売買を行うとしたら、値動きは次のようになります。
「サントリー食品インターナショナル株式の簿価による売買を行う場合の上場日の値動き」
サントリー食品インターナショナルは937円の株式を3,120円で売りました。
世の中にはもっとひどい株式の売買もあります。
それがこちらです↓。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)の関連事業を手掛けるリプロセルは28日、ジャスダック上場3日目でようやく取引が成立した。
初値は、公開価格3200円の約5・6倍に当たる1万7800円だった。
26日に上場したが、買い注文が売り注文を大幅に上回る状況が続き、取引が成立していなかった。
リプロセルはiPS細胞の培養液の製造や販売をしている。2014年3月期の連結業績予想は、売上高が4億円、
純損益は6千万円の赤字を見込んでいる。
(産経新聞 2013.6.28
12:15)
ttp://sankei.jp.msn.com/economy/news/130628/fnc13062812160011-n1.htm
(関連記事)
2013年7月3日(水)日本経済新聞
■プレシジョン・システム・サイエンス 株式売却益38億円
(記事)
【コメント】
こちらの企業など、32円のものを17,800円で売っているわけですが・・・。
本来の価格の550倍の価格で売っていることになるわけですが。
「メーカー希望小売価格32円のところ、本日は日頃のご愛顧に感謝し、ジャスダック市場では17,800円にてご奉仕させて頂いております。」
とでも言うのでしょうか。
株価インフレ、ならぬ逆に株式の価値が500倍以上に上がっているわけですから、「ハイパー・デフレ」、とでも言うのでしょうか。
もはやこれはインフレなのかデフレなのかも良く分からないくらい意味不明ですが。
真の公正な価格は32円の株式を、公募価格では100倍の3,200円と設定し、初値はさらその5.5倍以上の17,800円と値が付いた。
その辺に1,000円で売っている壷を、「この壷を買ったらおばあさんのリュウマチが治りますよ」と言って10万円(100倍の価格)で売ったら
詐欺罪に問われ、32円の株式を17,800円(550倍の価格)で売っても株式市場では何の罪にも問われないわけです。
株式市場とは一体何だろうかと思いました。
三菱東京U F J
銀行のアユタヤ銀行の株式取得のコメントで、モーニング・スターのサイトのキャプチャー画像を紹介しました。
アユタヤ銀行の値動きのURLはこちらになります。
Morningstar
Price/Quote: Bank Of Ayudhya Public Company Limited
BAY
ttp://www.morningstar.com/invest/stocks/343384-bay-bank-of-ayudhya-public-company-limited.html
こちらのチャート図の下の方に、投資家の株式投資の判断に資するために、アナリスト・レポートが載っているかと思います。
そこに、「Fair Value
Estimate」、「Fair Value Uncertainty」
という2つの言葉が書いてあるかと思います。
意味合いとしては、前者は、”これからアユタヤ銀行はこのくらいの株価になりそうですよ”、という証券会社側から見た推奨株価、
後者は、”アユタヤ銀行が抱えている事業上のリスクや株価の下方修正具合(考えられる値幅等)についての説明、になると思います。
基本的にはどちらも今後の株価推移見通しについての説明になっていると思います。
しかし、Estimate(推定)やUncertainty(変わりやすいこと)と言っている時点で、それはFair
Value(公正な価格)とは言えない気がします。
「そうかもしれないしそうでないかもしれない」、「32円という評価もあれば17,800円という評価もある」、
というのはFair(公正な)ではないと思います。
「この株式の価額はこれです。」、これがFair(公正な)という言葉の意味ではないでしょうか。
「その企業は将来成長するだろうかそれとも倒産してしまうだろうか?」、という判断が人によって分かれるということはあるでしょう。
しかし、その企業の株式の簿価に関して、「その企業の株式にはその価額だけの価値はあるだろうか?」
という判断が人によって分かれるということは決してないわけです。
なぜなら、1株当たりの株主資本額が例えば100円であるのなら、それは誰にとっても1株当たりの株主資本額は100円だからです。
現実には様々な事情により、何かお互いに色々なリスクを織り込んで考えて両者で交渉を行って価格を割り引くような形で、
1株当たりの株主資本額は100円なのに1株当たり50円で株式を売買する、といったことや、
債務超過ではあるが今後の付き合いもあるしということで1円以上で株式を売買する、といったことも実際にはあるかもしれません。
ただ、ここで言いたいのは、「貸借対照表の価額から一意に決まるから株式の簿価(株式の価値)は誰にとっても必ず同じだ」ということです。
The word Estimate is not in Book Value vocabulary. (簿価に見積りの文字はない。)
The
word Uncertainty is not in Book Value vocabulary.(簿価に不確定の文字はない。)
サントリー食品インターナショナル株式の上場を記念して、この言葉を株式市場に贈りたいと思います。