2013年3月17日(日)
2013年3月17日(日)日本経済新聞 そこが知りたい
大日本印刷社長 北島
義俊氏
脱・印刷依存どこまで? 電子やネット通販と連携
(記事)
2013年3月17日(日)日本経済新聞
パナソニック、売却検討 ヘルスケア事業 数百〜1千億円か
(記事)
【コメント】
そもそもパナソニックはどれくらいの規模ヘルスケア事業を手がけているのでしょうか。
大日本印刷の記事に、「消費者向けのBtoC(ビー・ツー・シー)」という言葉が書いてありますが、
基本的にはパナソニックはまさにこの「消費者向けのBtoC(ビー・ツー・シー)」の産業・製品が中心だと思います。
ヘルスケア事業というのは、最終的に健康関連サービスを受けるのはもちろん消費者(自然人)なのですが、
健康関連機器の使用に関しては高度な専門知識・技能も必要だと思いますので、
パナソニックが直接的に販売する相手は医療関係者(法人)になると思います。
ヘルスケア事業は、企業や病院と取引するBtoB(ビー・ツー・ビー)」の産業です。
専門技術の点からも取引相手の点からも、パナソニックがヘルスケア事業をそれほど手がけているとは思えませんが。
2013年3月17日(日)日本経済新聞
社債金利 1%割れ最多 10年物、今年度32銘柄 企業、有利に資金調達
(記事)
【コメント】
理論上の話をすれば、発行する社債の金利と、同時期に借り入れる銀行借り入れの金利とは完全に同一となるはずです。
なぜなら、理論上は、金利と言うのは債務者の今現在における将来の返済能力によってのみ決まるものであり、
同じ時点における同じ金額の負債というのは、誰が債権者かによらず、返済可能性は同一だからです。
金利面に関して言えば、社債が有利か銀行借り入れが有利か、という議論は成り立たないはずです。
以前も同じ様なことを書きましたが、資金調達までの流れ・手続き(有価証券報告書の提出や債権者の人数その他)を考えれば、
社債発行よりも銀行借り入れの方がはるかに簡潔な手続きで済むと思います。
銀行借り入れで済むのなら、わざわざ社債を発行する必要は全くないと思います。
それから、先ほど、理論上は、金利と言うのは債務者の今現在における将来の返済能力によってのみ決まる、
と書きましたが、これは結局のところ、
「債権者が債務者に対しどれくらいのリスクを負っているかによって金利が決まる」
という意味なわけです。
分かりやすく言えば、
金利を払ってくれて元本もきちんと返ってくる可能性が高いなら低い金利で貸す、
金利の支払いを受け取る可能性や元本がきちんと返ってくる可能性が低いなら高い金利で貸す、
ということです。
これは何を意味しているのかと言えば、理論上は、
「債権者が担保を取っているかどうかで貸し出しの際の金利が変わるはずだ」、
ということを意味しているかと思います。
当然、担保を取っている場合は金利は低いはずです。
逆に担保を取っていない場合は金利は高くなるはずです。
銀行借り入れの場合は事実上全ての借り入れは担保が必要だと思います。
ですから、実務上は担保がある場合と担保がない場合で銀行借り入れの金利が違う、ということは結果としてはないと思います
(また、実務上は、銀行の貸し出し金利は事実上金融庁が決めていると思います。銀行は所詮単なる規制産業ですから)。
社債の場合は、担保がある社債と無担保社債の二種類があるかと思います。
そうしますと、理屈の上では、社債の場合は、担保の有無で金利が違う、ということが起こり得ると思います。
ただ、数日前も書きましたが、担保とあるとないとでは、倒産の際の債務(社債)取り扱いが根底から異なります(前者は物権、後者は債権)。
「債権者が債務者に対しどれくらいのリスクを負っているかによって金利が決まる」のなら、理論上は、
担保がある債務の金利はそもそも極めて低くてもよく、また逆に、
担保がない債務の金利はそもそも極めて高くないとリスクに見合わない(担保がある債務の分も無担保債権者がリスクを負わないといけない)、
ということになると思います。
実際に発行されている社債を見ていますと、担保がある社債と無担保社債との間には、金利にそこまで大きな差はないようですが。