2013年3月16日(土)
【コメント】
分かりやすく翻訳しますと、「日本の入学試験から学力試験が消える」、ということだと思います。
高校入試、大学入試は学力試験ではなく、全て推薦入試のみになるということです。
高校や大学への進学は、中学校3年間の成績もしくは高校3年間の成績(もしくはそれらとは全く異なる恣意的な基準)で入学者を選抜する、
ということになると思います。
同じ日同じ時間に同じ問題を解いて同じ採点基準で採点し同じ合格基準で合否を決める、
これが一番公平な選抜方法なのは間違いありません。
私は「受験はたった一つの平等」だと思っていたのですが、もうそういう時代ではなくなったということなのでしょうか。
東大に限らず、既に日本の全ての大学で裏口入学が横行しており、
まあそれでもバカは放っておいて自分はちゃんと実力で入るということが今までは可能だったのですが、
これからはバカが主体になるということでしょう。
推薦でしか高校大学に入れないとなりますと、勉強以外の何かで入学者を選抜することになりますから、
今後日本では学力低下は極めて著しいことになるでしょう。
真面目に努力をしてきた人間の居場所がこの世にない、そんなことがさらに増加することになると思います。
私の中学時代を振り返っても、田んぼと畑しかない日本中どこにでもある田舎の公立中学でのことでしたが、
クラスの中心はやはり真面目に勉強を頑張っている成績のいい奴だったように思います。
やっぱり何だかんだ言って、成績がいいことはいいことだ、いい成績を取れるように勉強を頑張った方が本当はいい、
とみんな心の中では分かっていたことなのだと思います。
それは単に学歴や偏差値云々のみ話ではなく、勉強を頑張っている奴を見ると「俺も頑張ろう」という気になるという、
人間として自然な感情なのだと思います。
その人間として当然の感情を、入試制度の方が否定してどうするというのでしょうか。
中学時代、私一人だけ県外の私立高校へ進学するというのに、クラスのみんなや学年のみんなは私を応援してくれた。
卒業式の前日にはクラスでわざわざお別れ会まで開いてくれた。
それは私が勉強を真面目に頑張って学力試験で高校受験を突破し進学して行ったからだと思います。
もし私が推薦や裏口で進学して行っていたとしたら、学校の一体誰が私を応援したと言うのか。
人間、実は誰しも自分の実力で生きて行きたいと思っているのではないでしょうか。
裏口入学をもちかけられて喜ぶ人間は本当に性根が腐っていると思います。
青臭い言い方になりますが、「真剣勝負の醍醐味」というのはあると思います。
真剣勝負、だから、勝って嬉しい、負けて悔いなし、という気になるのです。
裏口や八百長では、勝ってもむなしいだけ、負けてもアホくささが残るだけでしょう。
裏口入学は、本来入学しなければならない人間が入学できず、本来入学できないはずの人間を入学させる結果になるだけなのです。
そして裏口入学した人間はむなしさや後ろめたさを感じながら生きていくことなります(多分)。
裏口入学した本人が不幸になるだけなのです。
それとも、今後は全員が裏口入学だけの入学になりますから、むなしさや後ろめたさは薄れますかな。
というわけで、思いつくままに書きなぐりましたが、学力試験の全面廃止ということで、日本の将来はいよいよ真っ暗になったなと思っています。