2013年2月17日(日)



2013年2月17日(日)日本経済新聞 そこが知りたい
ローム社長 沢村 諭氏
半導体 復活の手掛かりは? 垂直統合生かし車用開拓
(記事) 

 

 


2013年2月6日
ローム株式会社
営業外収益(為替差益)の計上に関するお知らせ
ttp://www.rohm.co.jp/documents/11401/224860/130206_2.pdf

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【コメント】
ロームに本当に外貨建ての債権債務があるのかどうかはここでは置いておくとして。
一般論として、外貨建て取引に関する会計基準について一言だけ書きます。

 

急激な為替の変動により、10月1日から12月31日までの間に為替差益が8,098百万円計上したとのことです。
ところで、4月1日から9月30日までの間には3,786百万の為替差損を既に計上済とのことです。
従って、4月1日から12月31日までの累計期間では、

8,098百万円−3,786百万=4,311百万円

の為替差益を計上することになった、とのことです。
さらには、為替差損益の金額は、「外貨建て債権債務の決済および期末為替レートによる評価替で発生したもの」と書いてあります。


結論だけ言います。
現行の会計基準では、損益計算書の為替差損益は「実際に決済を行った際に生じた実現した為替差損益」と、
単なる「期末為替レートによる評価替で発生したもの」の二つが合算された形で計上されています。
損益計算書には「実現した損益」のみを計上すべきであり、単なる評価替えは為替換算調整勘定にて貸借差額を調整すべきだと思います。
特に、期末為替レートによる評価替に関しては、翌期首(まさに次の日)に為替差損益に関する逆仕訳を切るわけですから、
わざわざ損益計算書を通しますと無意味に当期純利益が変動する原因となります。
一度損益計算書に計上した損益は決して戻し入れてはならない、ということが損益計算書の基本概念かと思います。

それから、実現した為替差損益に関してですが、現行の会計基準では、差損と差益を純額表示することになっています。
(期末為替レートによる評価替は翌期首に逆仕訳を切りますから純額も総額もないと思います。トータルで見ればプラスマイナスゼロになる。)
しかし、一つ一つの取引に関して、為替差損が出た取引もあれば為替差益が出た取引もあるわけです。
その時その時の為替相場の状況で実現した為替差損であり実現した為替差益であるわけです。
期中における時の流れというのはあるわけでして、その為替差損には意味がありその為替差益にも意味があるわけです。
その期中の一つ一つの経営の結果は決して純額表示で表現できるものではありません。
実現した為替差損益は、四半期だろうが通期だろうが、総額表示でなくてはならないと思います。