2013年2月10日(日)



ブルーホライゾン合同会社、ニッシン債権株を総額約7.6億円で公開買い付け 

 [東京 20日 ロイター] ニッシン債権回収は20日、ブルーホライゾン合同会社(東京都港区)による
株式公開買い付け(TOB)提案に対し、賛同を表明すると発表した。TOB価格は1株442円で、67%の応募があれば成立とする。
買付予定総額は約7億6000万円。その後、それを超える応募があれば1株575円で買い付ける。
買い付け期間は7月23日から8月17日。
 公開買い付け代理人はSMBC日興証券。
(ロイター 2012年 07月 20日 18:45 JST)
ttp://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPTK085426420120720

 


 


ブルーホライゾン、ニッシン債権回収<8426>の普通株式に対する公開買付を開始。


ニッシン債権回収の株式及び貸付債権を取得及び保有することを目的として設立されたブルーホライゾンは、
ニッシン債権回収を100%子会社化することを目的として、ニッシン債権回収の株式に対する公開買付を開始する(その他金融業界のM&A)。
これは、ニッシン債権回収の民事再生におけるスポンサー契約の一環として実施される。

この公開買付は2回に亘って実施される予定。
第1回目は、主要株主であるインデックス、CBSフィナンシャルサービス、NISグループ、ジャパン・フィナンシャル・ソリューションズ、
関西フィナンシャル・ポート、NISリアルエステート、整理回収機構及びSPARTAIが保有する
普通株式1,404,640株(所有割合82.03%)の取得を目的として、実施される。
買付期間は、平成24年7月23日から8月17日まで。
買付価格は、442円。
買付予定数は1,712,440株。買付予定数の下限は、1,147,335株。
買付総額は、756百万円。

第1回目の買付が成立した場合、平成24年8月30日から10月12日を買付期間とした第2回公開買付を実施する。
2回目の公開買付の買付価格は、575円。
(M&A仲介の株式会社ストライク 2012年7月20日)
ttp://www.strike.co.jp/manews/2012/20120720b.html

 


 


2012年7月20日
ニッシン債権回収株式会社
スポンサー契約の締結及び再生計画の成立に関するお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20120720.pdf

 

 

2012年7月20日
ニッシン債権回収株式会社
ブルーホライゾン合同会社による当社普通株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20120720a.pdf

 


2012年7月20日
ニッシン債権回収株式会社
特別利益の発生及び業績予想の修正に関するお知らせ 
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20120720b.pdf
 

 

この後、株式公開買付に入りました↓。

 

 



2012年8月18日
ニッシン債権回収株式会社
ブルーホライゾン合同会社による当社普通株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20120818.pdf

*1回目の株式公開買付の結果

 

 

2012年10月13日
ニッシン債権回収株式会社
ブルーホライゾン合同会社による当社普通株式に対する公開買付け(第二回)の結果に関するお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20121013.pdf

*2回目の株式公開買付の結果

 


2回目の株式公開買付が成立したのを受けて↓。

 

 


2012年11月16日
ニッシン債権回収株式会社
定款の一部変更及び全部取得条項付種類株式の取得等に関するお知らせ 
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20121116a.pdf

 


2012年11月16日
ニッシン債権回収株式会社
臨時株主総会及び普通株主による種類株主総会招集に関するお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20121116.pdf

 


2012年11月16日
ニッシン債権回収株式会社
商号変更及び本店移転に関するお知らせ
ttp://www.nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20121116b.pdf

 

 


2012年12月18日
ニッシン債権回収株式会社
定款の一部変更及び全部取得条項付種類株式の取得等に関する承認決議並びに全部取得条項付種類株式の取得に係る基準日設定に関するお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20121218.pdf

 

 

 



【コメント】
少し古い内容になりますが、ブルーホライゾン合同会社がニッシン債権回収株式会社を完全子会社化した事例です。
ニッシン債権回収株式会社は2013年1月15日付で、ブルーホライゾン債権回収株式会社に商号変更しています。
この完全子会社化が特徴的なのは、「株式公開買付(1回目)→株式公開買付(2回目)→残りの全ての株式の取得」、
という全3段階の買収手続きを経ていることです。
公開買付価格は、1回目が442円、2回目が575円、となっています。
残りの全ての株式の取得の買い取り価格も2回目の公開買付価格と同じ575円となっています。
同じ一連の株式公開買付なのに買い取り価格を変えているわけですが、これは株式を買い取る対象者を2つに分けているためです。
1回目の株式公開買付では、会社と親しい間柄にある法人(会社や機構)から相対的に安い価格で株式を買い取ることを目的としています。
2回目の株式公開買付では、一般の個人投資家から相対的に高い価格で株式を買い取ることを目的としています。
法律上は、1回目の株式公開買付に応募することも誰でも可能なのですが、間違いのないよう、十分にアナウンスはしたのでしょう。
2回の株式公開買付及びその後の残りの全ての株式の取得も成功し、ブルーホライゾン合同会社の完全子会社になり、
現在ではニッシン債権回収株式会社はブルーホライゾン債権回収株式会社という名称で営業を行っています。


ひとつ 気になります。
昨日のエース交易の事例と全く同じ指摘になるのですが、これは結局2回目の株式公開買付は不要だったのではないか、ということです。
1回目の株式公開買付の後、すぐに、残りの全ての株式の取得ための株主総会を開催し、特別決議(株式交換もしくは全部取得条項)を
取っても全く同じことだったと思います。
理由は単純であり、1回目の株式公開買付で議決権の3分の2超を取得しているからです。
1回目の株式公開買付の後、すぐに株主総会を開催し、残りの全ての株式を1株当たり575円相当で買い取る特別決議を取ればよかったのです。

 

 



もっと言うならば、この事例の場合、実はそもそも株式公開買付は一切不要だった、とも言えます。
なぜなら、1回目の株式公開買付に応募する人(会社や機構などの法人)ははじめから決まっていて、
応募がある議決権が3分の2を超えることははじめから分かっていたからです
(単純に法人それぞれの議決権割合を事前に足し算しても分かることでしょうし、また、
応募がある議決権が3分の2を超えることが分かっていないなら2回の株式公開買付を行うことを計画するはずがないでしょう)。
株式公開買付は一切行わずとも、いきなり株主総会を開催しても特別決議は通ったはずです。

まあ敢えて言うなら、その特別決議では1株いくらで買い取ることにするかはやや悩ましいところかもしれませんが。
買い付け価格を低価格と高価格に分けているのは
会社と親しい間柄にある法人(会社や機構)から相対的に安い価格で株式を買い取ることを目的としているわけです。
いきなり全ての株式を1株当たり575円相当で買い取る特別決議を取るのでは、
「価格を変えて株式を買い取る」という目的は果たせないことになります。
会社と親しい間柄にある法人(会社や機構)が特別決議の後、「我々からは1株575円ではなく442円相当で買い取るということでいいですよ」
と言って差額はブルーホライゾン合同会社へ返還するというようなことは可能は可能かもしれませんが。
まあそこまで面倒くさいことをするくらいなら、素直に1株442円で株式公開買い付けを行う方がよいとは思いますが
(株式の取得は一種の資本取引ですが、買い付け価格の返還となると損益取引(益金算入)となり、
ブルーホライゾン合同会社は受け取った差額には課税されるかもしれませんし)。

 

 



さらに付け加えるならば、2回目の株式公開買付はやはり不要だったとは思いますが、
この2回目の株式公開買付に無理やり意味を見出すならば、
それは、「全部取得条項を付して『ニッシン債権回収株式会社が』自社株買いの形で買い取ることになる株式数をできる限り減らすこと」
となると思います。
それ以外の意義はこの2回目の株式公開買付には見出せないと思います。
ニッシン債権回収株式会社自身が買い取ることになる株式(全部取得条項付種類株式)があまりに多いと、
ニッシン債権回収株式会社の現金が先に尽きる(全ての株式を買い取りきれない)恐れがあります。
そうなることを避けるために、2回目の株式公開買付の実施により買える分ブルーホライゾン合同会社で買う、ということだと思います。
仮に、ニッシン債権回収株式会社の手許現金が足りない場合は、裁判所の許可を得て、
ニッシン債権回収株式会社はブルーホライゾン合同会社に対し増資(この場合はA種類株式を割当)をできます。
しかし、そこまでするくらいなら、はじめからブルーホライゾン合同会社が残りの株式を株式交換(現金交付式)で買い取った方が早いわけです。
そしてそちらの方がニッシン債権回収株式会社の資本充実のためでもあります。
全部取得条項というのは本当に意味不明だなと改めて思いました。

 


プレスリリースにはこんな記述もありました↓。
やっぱり簿価だなと改めて思いました。

2012年7月20日
ニッシン債権回収株式会社
ブルーホライゾン合同会社による当社普通株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://nissin-servicer.co.jp/html/pdf/prs20120720a.pdf


「@ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」
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