2012年12月15日(土)



昔、哲学者プラトンはこう言ったそうです。

「真理は子どもの口から出る」

と。
なるほど分かります。
例えば昔話でもありますよね、「王様は裸だ」とね。


「真理は子どもの口から出る」というのは確かに真理だと思います。
子どもが何気なく言う言葉は真理を突いていることが多いものです。
ただ気をつけないといけないのは、大人になるとその真理を忘れるわけではない、ということです。
子どもは真理を口に出してしまうのですが、大人になるとそれを口に出さなくなるというだけなのです。
真理は子どもだけが知っているものではありません。大人も知っているのです。
分かりやすく言うと、大人の事情があるから、真理は大人の口からは出ないというだけです。
子どもの方が大人よりも鋭いから真理を見抜ける、というわけではないのです。
「真理は子どもの口から出る」という言葉は、「大人は真理を知らない」ということを意味するわけではありません。
大人は真理を知っている、だからこそ「王様は裸だ」と子どもが叫んだ時、周りの大人たちは青ざめたわけです。
本当のこと言うなよと。


子どものころ真理を見抜ける子どもはやはり大人になっても真理を見抜ける気がします。
逆に、子どものころ真理を見抜けない子どもはやはり大人になっても真理を見抜けない気がします。
そして、真理を見抜いた時、それを口に出す子どもと周りの大人たちと同じように口に出さない子どもの二種類がいる、ということだと思います。

私自身はどうだったでしょうか。
「王様は裸だ」と気付く子どもと同じタイプの子どもだったとは思います。
そしてある時は真理を口に出し、
そしてまたある時は真理に気付いていても一切口に出すことなく黙っていたと思います。
二番目に賢い連中は、私が真理を口に出しているのを見て、参謀の奴鋭いな、と思ったかもしれません。
一番賢い連中は、私が真理に気付いていても一切口に出すことなく黙っているのに気付いて、参謀の奴鋭いな、と思ったかもしれません。
そして彼らもまたそのことを(少なくとも私の前では)口に出すことはなかったでしょう。