2012年12月12日(水)
12月12日(ブルームバーグ):ポータルサイト運営のヤフー は12日、サイバーエージェント
傘下の
外国為替証拠金取引(FX)事業会社を買収すると発表した。取得価額は210億円。買収でFX事業に参入し、新しい事業の柱とする。
ヤフーは「Yahoo!ウォレット」など決済事業を中心に展開してきたが、今回の買収で金融事業の中でも成長が見込める
FX事業に参入。決済・金融事業を強化する。一方、サイバーAは事業の選択と集中を進めており、両社の利害が一致した。
サイバーAの100%子会社サイバーエージェントFXの全株式1万6200株を取得する。取得予定日は2013年1月31日。
12年3月期の売上高は前期比21%増の85億円。純利益は同37%増の23億円。
今回の売却により、サイバーAには約100億円の売却益が発生する見込み。
ヤフーは今回の買収による13年3月期業績への影響は軽微としている。
(ブルームバーグ 2012/12/12 18:01
JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEWR800YHQ0X01.html
ヤフーは12月12日、金融事業に参入すると発表した。サイバーエージェントから外国為替証拠金取引(FX)事業を買収し、
Yahoo!JAPANの集客力やYahoo!ポイントなどとの相乗効果を見込む。
サイバーエージェント100%子会社のサイバーエージェントFXの全株式を約210億円で買収する。株式譲渡は来年1月末。
ヤフーは決済・金融事業を新たな事業の柱に育てたい考え。これまでは「Yahoo!ウォレット」による決済事業が中心だったが、
FXを成長分野とみて金融事業に本格的に参入する。サイバーエージェントFXはスマートフォン向け取引ツールに強みがあり、
「スマートフォンファースト」を掲げるヤフーはスマートフォンによる利用者の拡大を図っていくほか、
取り引きのたびにYahoo!ポイントがたまるサービス連携、Yahoo!JAPANを活用した集客を図っていく。
サイバーエージェントFXは2012年3月期に営業収益(売上高)は84億9800万円、営業利益は40億2100万円、純利益は22億8900万円。
(ITmediaニュース 2012年12月12日
15時24分 更新)
ttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/1212/12/news080.html
株式会社サイバーエージェントFXの概要
(2/4ページ)
4.所有株式数、取得価額および取得前後の所有株式の状況
(3/4ページ)
2012年12月12日
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントFXの株式譲渡に関するお知らせ
ttp://www.cyberagent.co.jp/pdf/2012/1212_1.pdf
譲渡株式数および譲渡価格及び譲渡前後の所有株式の状況
(3/3ページ)
(仕訳なし)
(2) 株式譲渡日 平成25年1月31日(予定)の仕訳
ヤフー株式会社の仕訳
(サイバーエージェントFX普通株式) 21,031百万円 / (現金預金) 21,031百万円
株式会社サイバーエージェントの仕訳
(現金預金) 21,000百万円 / (サイバーエージェントFX普通株式) 980百万円
(サイバーエージェントFX普通株式売却益) 20,020百万円
株式会社サイバーエージェントFX
(仕訳なし)
支配獲得日(株式取得日)のヤフー株式会社の連結修正消去仕訳
(資本金) 490百万円 / (サイバーエージェントFX普通株式) 21,031百万円
(資本準備金) 490百万円 (連結調整勘定) 447,269百万円
(利益剰余金) 467,320百万円
いくらなんでも・・・。
プレスリリースの数値はゼロが2つくらい多いのかもしれません。
例えば、サイバーエージェントFXの純資産額は4,683百万円、といった具合かもしれません。
もしそうだとすれば、仕訳はこうなりますが。
(資本金) 490百万円 / (サイバーエージェントFX普通株式) 21,031百万円
(資本準備金) 490百万円
(利益剰余金) 3,703百万円
(連結調整勘定) 16,348百万円
これだと常識的な仕訳と言えるかもしれません。
連結調整勘定が株式取得額の7割以上という点はやや高過ぎる価格で買ったと言わねばなりませんが。
・・・すみません、よく見たらこれでも間違っていますね。
純資産の額が468,300百万円なのはヤフーでした。
プレスリリースを見ると、サイバーエージェントFXの純資産額は9,067百万円でしたね。
正しい支配獲得日(株式取得日)のヤフー株式会社の連結修正消去仕訳はこうなります↓。
(資本金) 490百万円 / (サイバーエージェントFX普通株式) 21,031百万円
(資本準備金) 490百万円
(利益剰余金) 8,087百万円
(連結調整勘定) 11,964百万円
分かりにくくなってしまいました。
お詫びして訂正いたします。
ただ、連結調整勘定が株式取得額の半分以上という点はやや高過ぎる価格で買ったと言わねばならないと思います。
先ほど少し間違えた理由ですが、プレスリリースのサイバーエージェントFXの数字をぱっと見て、
「利益剰余金の額が大きいな、負の連結調整勘定も大きそうだな、
ヤフーの連結上はサイバーエージェントFXの利益剰余金は消去されるな、もったいないな、
サイバーエージェントの連結にはサイバーエージェントFXの利益剰余金は載っているわけだがな、
でも負の連結調整勘定の償却は連結利益剰余金を大きくするか、実際のインパクトはどうなるかな」、
などと思って連結修正消去仕訳を書いてみましたら、いくらなんでもおかし過ぎることに気付きました。
「0を二つ消したらちょうどいいくらいか」、と思って上の仕訳を書いたわけですが、
それでも何かおかしいなと思いまして、そこで初めて自分がヤフーの数値を見ていたことに気付いたわけです。
それと、サイバーエージェントのプレスリリースには、
>6.
今後の見通し
>サイバーエージェントFXの株式譲渡により関係会社株式の売却益が約100億円発生する見込みです。
>2012年11月7日にお知らせした株式会社Cygamesの株式譲渡益を含み、約160億円を2013年9月期の特別利益に計上予定
と書かれていますが、これは違います。
上に仕訳を書きましたように、サイバーエージェントのサイバーエージェントFX普通株式売却益は200億2000万円です。
最後に、このたびのFX(外国為替証拠金取引)事業の売買や戦略について一言だけ。
ヤフーの立場からすると、ヤフー・ファイナンス事業の一つとしてFX(外国為替証拠金取引)事業があるのもよい戦略だと思いますが、
サイバーエージェントからすると、インターネット関連企業である自社グループ内にFX(外国為替証拠金取引)事業があることは、
事業間のシナジーを考えれば、プラスにこそなれ、マイナスには決してならないと思います。
プレスリリースの数値が正しいとすれば、FX(外国為替証拠金取引)事業は安定した経営が行われていて利益面での貢献も大きいと思います。
客観的に見ると、サイバーエージェントはFX(外国為替証拠金取引)事業を売却すべきではなかったのではないかと思います。