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2012年11月12日(月)
[ミラノ 12日 ロイター] イタリアの通信大手テレコム・イタリアは12日、声明を発表し、
エジプトの実業家ナギーブ・サウィリス氏が新株引き受けによる出資を打診してきたことを明らかにした。
これに先立ち12日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、同社に近い複数の関係筋の話として、
フランコ・ベルナベ最高経営責任者(CEO)が先週、サウィリス氏の提案を議題として取締役会に諮ったと伝えていた。
また報道によると、サウィリス氏はテレコム・イタリアに最高50億ユーロ(64億ドル)出資する可能性がある。
発表によると、サウィリス氏の提案は11月8日の取締役会で読み上げられた。同社は、経営陣による提案の検証後に評価を下すとしている。
発表を受けてテレコム・イタリア株は12日の欧州市場で一段高となり、一時6%急伸した。
(ロイター 2012年
11月 12日 20:11
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE8AB04O20121112
TELECOM ITALIA
Created on 12/12/2012 - 10:45 AM
Telecom Italia:
clarification on rumours about Sawiris offer
Regarding press rumours
surrounding an interest by Mr. Naguib Sawiris to invest in Telecom
Italia,
upon request by Consob Telecom Italia clarifies the following:
In
the past days the Company has received communication from Mr. Naguib Sawiris
about an interest in investing in
Telecom Italia SpA’s sharecapital through
underwriting of new stock issuing.
The initiative is described as being aimed
at bringing new resources to the Company to be dedicated to growth
projects.
The document was read during the Board meeting on 8 November; the
Board of Directors solely took note of it,
retaining any appropriate
evaluation after necessary verification to be carried out by the Company’s
management.
Rome, 12 November 2012
ttp://www.telecomitalia.com/tit/en/archivio/media/comunicati-stampa/
telecom-italia/corporate/economico-finanziario/2012/11-12.html
ttp://www.telecomitalia.com/content/dam/telecomitalia/en/archive/documents/media/Press_releases/
telecom_italia/Corporate/Financial/2012/PR_clarification_12_11_12.pdf
Egypt's Sawiris Offers to Invest in Telecom Italia - Source
MILAN--Egyptian businessman Naguib Sawiris has made an offer to invest in
Telecom Italia SpA (TI, TIA, TIT.MI),
Italy's former telecommunications
operator monopoly, according to one person familiar with the situation Sunday.
Speaking on condition of anonymity, the person confirmed a report published
Saturday by Corriere della Sera,
a leading Italian daily, which said Telecom
Italia's board was presented with Mr. Sawaris's expression of
interest by the
operator's chairman, Franco Bernabe, on Thursday when it met to approve the
latest quarterly results.
Although a price wasn't included in the expression
of interest, the newspaper said Mr. Sawiris could be
interested in investing
between four billion euros ($5.1 billion) and EUR5 billion. The newspaper didn't
name its sources.
Telecom Italia wasn't immediately available for comment.
An official who represents Mr. Sawiris declined to comment.
Mr. Sawiris
is familiar with Italy's telecommunications market.
Through Egypt's Orascom
Telecom Holding (ORSTF, ORTE.CE), he ran Wind Telecommunicazioni SpA,
one of
the country's main mobile phone services operator, before selling most of it to
Russia's VimpelCom Ltd. (VIP) in 2011.
Mr. Bernabe has been working on
paying down Telecom Italia's enormous debt with the sale of assets
like
Telecom Italia Media (TIAMY, TME.MI), and he confirmed the aim to reduce it to
EUR27.5 billion
by the end of the year from EUR29.48 billion on Sept. 30.
He is also considering spinning off the operator's fixed-line network.
In the third quarter, Telecom Italia's net profit fell 13.4% to EUR681
million on lower revenue of EUR7.27 billion
because of the weak economy in
Italy and a slowdown in Latin America, where the operator has a presence,
especially in Brazil.
Telecom Italia is controlled by Telco with a 22.4%
stake. Holding company Telco has as
its shareholders Italian banks Mediobanca
SpA (MDIBY, MB.MI) and Intesa Sanpaolo SpA (ISNPY, ISP.MI),
insurer
Assicurazioni Generali SpA (G.MI) and Spanish phone company Telefonica SA (TEF,
TEF.MC).
(WallStreetJournal November 11, 2012, 4:37 a.m.
ET)
ttp://online.wsj.com/article/BT-CO-20121111-700527.html
参謀訳
テレコム・イタリア
2012年12月12日
午前10:45作成
テレコム・イタリア:サウィリス氏の申し出に関する噂についての説明
ナギーブ・サウィリス氏がテレコム・イタリアへの出資に関心があるということにまつわる報道機関による噂に関して、
Consob紙からの依頼に応じてテレコム・イタリアは次のように説明いたします:
数日前、弊社はナギーブ・サウィリス氏から、新株式発行を引き受けることによってテレコム・イタリアの株式に出資をすることに
関心があるという内容の書信を受け取りました。
ナギーブ・サウィリス氏の考えは、成長事業に使用するための新しい経営資源を弊社に持ち込むことを目的としていると記述されています。
書信は11月8日の取締役会の際に拝覧いたしました;取締役会はこの件に関しては記憶にとどめるのみです。
弊社の経営陣による必要な確認が完了するまではあらゆる適切な評価は行いません。
ローマ発、2012年11月12日
ミラノ発 ―
日曜日に事情に詳しいある人物に聞くところによると、エジプト人実業家ナギーブ・サウィリス氏が、
以前はイタリアの独占的電信電話事業者であったテレコム・イタリアに出資を申し出ているとのことだ。
匿名を条件に語ったところによると、その人物はイタリアの主要な日刊紙であるCorriere
della
Sera紙が土曜日に発表したレポートを
確認したそうだ。そのレポートには、テレコム・イタリアの取締役会は、直近の四半期計算書類の承認のために取締役会を開催した木曜日に
取締役会議長であるFranco
Bernabe氏からサウィリス氏が関心がある旨の意見表明書の開示を受けた、と書いてあったそうだ。
価格に関してはその意見表明書には書かれていなかったが、同紙には、サウィリス氏は40億ユーロ(51億ドル)から50億ユーロほど
出資をすることに関心がある模様だ、と書いてあった。
テレコム・イタリアは即座にはコメントを発表なかった。
サウィリス氏の公認代理人はコメントを拒否した。
サウィリス氏はイタリアの電信電話市場に詳しい。
2011年にロシアのビンペルコムに大半を売却する前は、サウィリス氏は、エジプトのオラスコム・テレコム・ホールディングスを通じて、
エジプトの主要な携帯電話事業者の一つであるウィンド・テレコミュニケーションを経営していた。
Bernabe氏は、テレコム・イタリア・メディアのような資産を売却することによって、
テレコム・イタリアの莫大な負債を削減することに取り組み続けているが、
負債を9月30日現在294.8億ユーロから年末までに275億ユーロまで削減する決意を固めた。
Bernabe氏は固定電話網をスピンオフすることも考えている。
イタリアの軟弱な景気やテレコム・イタリアが存在感を持つラテンアメリカ、特にブラジル、の景気減速のため、
第3四半期にはテレコム・イタリアの純利益は13.4%減少し6億8100万ユーロとなり一方売上高も減少し72.7億ユーロとなった。
テレコム・イタリアは22.4%を保有するテルコに支配されている。純粋持株会社であるテルコは株主として
イタリアの銀行であるMediobanca銀行とIntesa
Sanpaolo銀行、そして、Assicurazioni
Generali保険会社さらには
スペインの電話会社であるTelefonicaを保有している。
【コメント】
インドもいまいち経済発展を遂げ切れない、ブラジルもいまいち経済発展を遂げ切れない、ということを最近書きましたが、
今日はエジプトです。
実は最近、経済が今後著しく発展すると考えられている新興の国々を表す「Brics」に代わって新しい用語が提唱されています。
それは「Briefs」です。
「Briefs」とは、「Brics」のように将来どんな経済大国になるか分からない将来な楽しみな国と思ったら
どうやら以前の予想とは異なりあまり経済発展をしないで終わるかもしれない、と思われている国々のことです。
「Briefs」の国々とは、
Brazil
Russia
India
Egypt
Finland
です。
China(中国)はもう語る必要もないと思います。
少し減速感はあるにしてもまだまだ経済成長を遂げているGDP世界第二位の経済大国です。
まさにかつて「Brics」と言われた通りになっているわけですから当然「Briefs」には入らないわけです。
さて、「Brics」になり切れず「Briefs」になってしまった国々についてですが。
Brazil、Russia、Indiaについては経済成長はしないとは言い切れないわけですが、中国に比べれば見劣りするのは明らかです。
経済成長は人口要因で説明できる、と言っても確かに過言ではありませんが、
Brazil、Russia、Indiaについては将来の人口増加の予測をした結果「Brics」の中に入っただけ、
という面もあるのかもしれません。
経済成長には人口以外にも様々な要因が必要ということなのでしょう。
EgyptとFinlandが新顔です。
Egyptは人口が8000万人を超えていて世界第14位。
確かに国土の多くは砂漠なのですが、首都をはじめとした都市部は平地と言いますか通常の経済活動が行える場所なわけです。
首都カイロは南アフリカ共和国を上回りアフリカ第一の大都市であると言っていいでしょう。
北部は地中海に面しておりEUの国々と非常に近く貿易に有利です。
東部は紅海とスエズ湾が入江のようになっています。
「Brics」にこそ入っていませんが、「Brics」の次に経済発展が期待できると言われている「NEXT11」の一国にも数えられています。
様々なレポートでエジプトの急成長が予想されていました。
しかし何と言いましょうか、「NEXT11」の多くの国々と同じ様に、エジプトは大きく経済成長を遂げるには今だ至っておりません。
「NEXT11」が発表されたのは2007年のことです。その後の金融危機が何らかの悪影響を及ぼしているのかもしれません。
経済成長を遂げる時には当然一国のみで成長できるはずがなく、他国との貿易の中で成長していくものです。
日本も高度経済成長期は輸出が盛んだったかと思います。
金融危機以後世界全体が景気停滞気味なところがあり、その影響の中でエジプトも経済発展ができないでいます。
そういうわけでエジプトは「Briefs」の一員となりました。
Finlandと言えばノキアですね。このたびのテレコム・イタリアではありませんが、ご存知のように携帯電話では世界に冠たるものがあります。
教育に非常に力を入れており、教育水準も非常に高いのです。
世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表する国際経済競争力の順位では、2001年から2004年まで4年連続首位となっています。
近年ノキアを中心とするハイテク産業が発達し工業先進国となりました。
この調子でいくと、と思われたのですが、ここ数年間の推移を見ると今後も緩やかな成長という程度なのかもしれません。
フィンランドは国土も広くはなく、人口も500万人強ですので、
将来GDPで世界上位10位以内に食い込んでくる、ということはもちろんありませんが、
一人当たりのGDPやGDP成長率という意味では世界トップクラスになるとかつては思われていました。
しかし最近は何か元気がありませんね。
そういうわけでフィンランドは「Briefs」の一員となりました。
なお、今日紹介した「Briefs」については、私がニューオーリーンズのマクレーン大学のビジネス・スクールで教鞭を取っていた際、
万年筆で有名なスイスの文房具メーカー・ペリカン社から今後の多国籍化推進において各国の経済発展の予測を依頼された時に
私が思い至った用語です。
私はペリカン社から、
"Why should we cut this
'Briefs'?"
(どうしてこれらBriefsの国々は避けるべきなのですか?)
と聞かれました。
私はこう答えました。
"Niche, you know."
(ニッチ市場(市場が狭い、市場が大きくない、大きな売上高が望めない)だからですよ。)
私がペリカン社に提出した報告書は「ペリカン文書(The Pelican Brief)」と呼ばれています。
もう20年以上も前のことです。
まあマクレーン大学やペリカン社のくだりは冗談ですが。
テレコム・イタリアに出資した後、サウィリス氏はテレコム・イタリアの事業状況を精査するでしょう。
惨状を知った時、サウィリス氏はフィンランドの首都「Helsinki(ヘルシンキ)」にならい、きっとこう言うでしょう。
"Hell, (I) think." (地獄だ、(俺は)そう思う。)
サウィリス氏が出資した次の日、WallStreetJournal紙は次のような見出しで事態を伝えるでしょう。
"Now he has a land mine. 'Whose determine?' 'Mine.' 'Wanna?'
'Deter.'"
(地雷を抱いちゃったジョン。「誰の決断?」 「僕さ」 「何したい?」 「決断を変えたい」)
日本のウォール・ストリート・ジャーナル紙の見出しはこうでしょう。
「また戦場に来てしまった運の悪い男(やつ)」
まあこれも冗談ですが。
>同社は、経営陣による提案の検証後に評価を下すとしている。
とあります。
実は、テレコム・イタリアから私の方にサウィリス氏の提案に関してコンサルティングの依頼がありまして。
エジプトの実業家というと何か怖い、と。気難しい人かもしれないじゃないか、と。参謀さん代わりに行ってきてくれないか、と。
「何で俺ばっかりこんな役が回ってくるんだ」とぼやきながら、私先ほど「お邪魔しまーす」と言ってサウィリス氏と会ってきました。
サウィリス氏と面会してみますと意外と気さくな方でした。
「御社もエジプト経済もなかなかいけますね」などと心にもないことを言うと、「そうか分かるか」とご機嫌のようでした。
そこで私はサウィリス氏に
「要するに、あなたはテレコム・イタリアに出資して大株主になりたいわけですね。なるほど分かりました。
それで取締役の席は何席ほど御所望なのですか?」
と尋ねました。
サウィリス氏はこう答えました。
「六個」。
まあこれは意味が分かる人にだけ分かる冗談ですが。