2012年9月16日(日)
きらやか銀行(8520)が大幅高、9時06分現在、11円高(14.86%高)の85円と発表が材料視。
同社は8月30日、10月1日の設立を目指している仙台銀行との共同持株会社じもとホールディングスが東証への新規上場、
1部銘柄へ指定されることになったと発表。
(NSJ日本証券新聞 2012年8月31日
9:10)
ttp://www.nsjournal.jp/news/news_detail.php?id=309674
持株会社「株式会社じもとホールディングス」を設立。
きらやか銀行と仙台銀行は、両行が申請していた「銀行を子会社とする持株会社の設立に係る認可の申請(銀行法第52 条の17 第1
項)」
について、本日、銀行法上の認可を取得し、正式に「株式会社じもとホールディングス」を設立(平成24 年10 月1
日設立登記予定)する
(銀行業界のM&A)。
じもとホールディングスは、株式移転の方式により平成24年10月1日をもって両行の完全親会社となる。
割当比率は、きらやか銀行の普通株式1株に対して、じもとホールディングスの普通株式1株を、
仙台銀行の普通株式1株に対して、じもとホールディングスの普通株式6.5株を割当交付する。
また、
きらやか銀行の第V種優先株式1株に対して、じもとホールディングスのA種優先株式1株を、
仙台銀行の第T種優先株式1株に対して、じもとホールディングスのB種優先株式6.5株を割当交付する。
(M&A仲介の株式会社ストライク 2012年9月13日)
ttp://www.strike.co.jp/manews/2012/20120913a.html
平成24 年9 月13
日
株式会社きらやか銀行
株式会社仙台銀行
持株会社「株式会社じもとホールディングス」の設立認可の取得について
ttp://www.sendaibank.co.jp/sendaibank-cgi/news/news_upfiles/2012/953/0/120913ninka.pdf
ttp://www.kirayaka.co.jp/info/pdf/12091301.pdf
平成24 年9 月14
日
株式会社きらやか銀行
第三者割当による優先株式発行に関するお知らせ
ttp://www.kirayaka.co.jp/info/pdf/12091401.pdf
平成24 年9 月14
日
株式会社きらやか銀行
自己株式(第V種優先株式)の取得・消却に関するお知らせ
ttp://www.kirayaka.co.jp/info/pdf/12091402.pdf
それから、共同持株会社設立に伴い、きらやか銀行も仙台銀行も公的資金(優先株式)を入れ替えを行うようです。
そのこと自体は何の問題もないわけですが、プレスリリース中のスキーム図がよく分かりません。
既存の優先株式は一旦返済(自己株式の取得)するような流れかと思いますが、
スキーム図を見ると、じもとホールディングス自身もA種優先株式の取得(自己株式の取得)を行うようなのですが、
これがよく分かりません。
C種優先株式というのを12月に改めて発行するようですが。
A種優先株式を発行しないとじもとホールディングスからきらやか銀行に増資できないのは分かりますが、
そのA種優先株式を取得(自己株式の取得)しなければならないというのはよく分かりません。
何か理由でもあるのでしょうか。
「スキーム図(参考)」
野村総合研究所は14日、だいこう証券ビジネスの株式をTOB(株式公開買い付け)で取得すると発表した。
9.93%の出資比率を、最大で39%まで引き上げる。大証金の保有株(19.52%)などを買う。1株289円で742万4700株を上限に取得する。
買い付け期間は18日から10月16日。取得額は最大で約21億円。だいこうはTOBへの賛同を表明、東証・大証での上場も維持する方針だ。
野村総研は、だいこうがグループで販売している証券向けシステムをOEM(相手先ブランドによる生産)で供給しており、
資本関係を深め販売を強化する。
(日本経済新聞 2012/9/14
23:53)
ttp://www.nikkei.com/markets/kigyo/ma.aspx?g=DGXNASGC1400L_14092012EE8000
野村総合研究所<4307>、だいこう証券ビジネス<8692>株式に対する公開買付を開始。
野村総合研究所は、だいこう証券ビジネスとの緊密な資本関係を構築することを目的として、だいこう証券ビジネスが発行する普通株式を
公開買付により取得する(IT・ソフトウェア業界のM&A)。
買付期間は、平成24年9月18日(火曜日)から平成24年10月16日(火曜日)まで。
買付価格は、普通株式1株につき、289円。
買付予定数は、7,424,700株。但し、買付予定数に下限上限を設定し、応募株券の総数が下限(5,530,580株)に満たない場合は、
応募株券等の全部の買付は行わない。下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付うが、上限(7,424,700株)を超える場合は、
その超える部分の全部又は一部の買付は行わない。
買付予定総額は、2,145百万円。
だいこう証券ビジネス株式の本日の終値で計算した買付価格に付されたプレミアムは△1%。
今回の公開買付は資本関係の強化にあり、公開買付成立後も上場は維持される。
(M&A仲介の株式会社ストライク 2012年9月14日)
ttp://www.strike.co.jp/manews/2012/20120914a.html
2012年9月14日
株式会社野村総合研究所
株式会社だいこう証券ビジネス株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttp://www.nri.co.jp/news/2012/120914_1.pdf
2012年9月14日
株式会社だいこう証券ビジネス
株式会社野村総合研究所による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://www.daiko-sb.co.jp/news/20120914_ma.pdf
野村総研はだいこう証券ビジネス株式を39.00%しか保有しないのであれば、何か他に特別な理由がない限り、
だいこう証券ビジネスを重要な戦略パートナーと考え、野村総研はだいこう証券ビジネスを持分法適用関連会社とすることでしょう。
グループ会社一覧 野村ホールディングス株式会社
ttp://www.nomuraholdings.com/jp/company/group/holdings/
こちら↑を見ると野村総研は野村ホールディングスのグループ会社ではありませんが、
有価証券報告書 第108期
2012年3月期
ttp://www.nomuraholdings.com/jp/investor/library/ar/data/108_full_jsec.pdf
有価証券報告書を見ると野村総研は野村ホールディングスの持分法適用会社(間接保有含めれば実は38.2%も保有)です。
というより、だいこう証券ビジネス自身も既に野村ホールディングスの持分法適用会社(有報では20.2%保有)になっています。
4 【関係会社の状況】(持分法適用会社)
(13〜14/334ページ)
間接保有分も含めて保有状況を簡略化して図を書きますとこうなります↓。
「野村ホールディングスと野村総研とだいこう証券ビジネスの関係」
Question:
だいこう証券ビジネスと、野村ホールディングスや野村総研の関係について以下の記述の中から最も適切な選択肢を選びなさい。
@だいこう証券ビジネスは野村ホールディングスの持分法適用会社である。
Aだいこう証券ビジネスは野村総研の持分法適用会社である。
Bだいこう証券ビジネスは野村ホールディングスと野村総研の両方の持分法適用会社である。
Cだいこう証券ビジネスは野村ホールディングスの子会社である。
Dこのたびの野村総研の株式公開買付により、だいこう証券ビジネスは野村ホールディングスの持分法適用会社からは除外され、また、
野村総研の持分法適用会社ともならない。
このことを踏まえますと、だいこう証券ビジネスと、野村ホールディングスや野村総研の関係はどうなるでしょうか。
単純に持株比率のみで判断しますと、@も正しそうですしAも正しそうです。
@もAも正しいならBが正しいということになります(「持分法適用上の親会社は一社のみである」には反しますが)。
また、野村総研が野村ホールディングスの子会社なら間接保有分も含めると野村ホールディングスが過半数を保有していることになりますから、
Cが正しいことになりますが、野村総研は野村ホールディングスの子会社ではありません。
さらに言うなら、野村アセットマネジメントや野村ファシリティーズや野村ホールディングスが野村総研株式を保有していますが、
これは野村総研設立の経緯上株式を保有しているだけであり、野村グループ内とは言え株式保有にあまり深い意味合いはないように思います。
実際、業務上の関係もあまり深くない(情報システムの業務委託のみ)ような気がしますし、役員の兼任もありません。
率直に言えば、野村ホールディングスが野村総研に対して経営(営業上や財務上)の意思決定に重要な影響を及ぼしいているとは思えません。
そうだとしますと、実は現時点で野村ホールディングスが野村総研を持分法適用会社にしていること自体が間違いではないでしょうか。
実は野村総研は野村ホールディングスの持分法適用会社ではない(役員の兼任もない)、さらに、
今後野村総研はだいこう証券ビジネスを重要な戦略パートナーと位置付け
経営(営業上や財務上)の意思決定に重要な影響を及ぼしいこうと考えています。
このことを踏まえますと、「だいこう証券ビジネスは野村総研(のみ)の持分法適用会社である」が正しい判断だと思います。
最後に財務面・資本面だけでなく、戦略面についても一言書きます。
日本経済新聞の記事には、
>野村総研は、だいこうがグループで販売している証券向けシステムをOEM(相手先ブランドによる生産)で供給しており、
>資本関係を深め販売を強化する。
とあります。
野村総研が開発したパッケージ・ソフトウェア等をだいこう証券ビジネスが販売しているとすれば、
このたびの株式取得は戦略的には「川下への垂直統合」と言えるでしょう。
子会社化ではなく持分法適用会社化(39.00%)で抑えていますから「川下の独自性を保持した緩やかな垂直統合」といったところでしょうか。
ただ、記事にありますような「証券向けシステムのOEM(相手先ブランドによる生産)供給」などということがあるのかは知りません。
一般的に言えば、情報システム開発は一部パッケージ化された部分もあるかもしれませんが、
基本的には顧客毎に全て異なる内容の情報システムを構築していくわけです。
顧客の要望を細かく聞きだしてシステムの概要を文書化した要件定義書の作成からはじめるわけです。
情報システム開発は全て「テーラーメイド」です。
一パッケージを導入して終わり、ではないのです。
特に証券関連の情報システムとなると大規模で高額で10年に一回くらいしかシステムを更新しないのではないでしょうか。
野村総研からだいこうへの「証券向けシステムのOEM(相手先ブランドによる生産)供給」などというものはないという気がします。
敢えて言うなら、情報システム開発の業務の流れを考えますと、これは川下どころかむしろ「川上への資本参加」、とすら言えるかもしれません。
というのは、案件によりますが、情報システムの開発は大手システムインテグレーターが顧客から受注し、
子会社や関連会社や業務上の関連の深い会社へ下請けに出すことも多いのです。
実は私自身一時期システム開発の下請けを行っているところでITシステムについて勉強させていただいたことがあります。
そこである人が「○○(元請会社)は霞を食っている」とやや非難めいたことを言っていたのをよく覚えています。
このたびの事例を例に出しますと、サプライ・チェーン(顧客までの業務の大きな流れ)で言えば、
野村総研はむしろ「川下」(顧客から受注する)であり、だいこう証券ビジネスの方が「川上」(顧客から直接受注はしない)なのですが、
システム開発の流れの中では、野村総研は「上流工程」を担当し、だいこう証券ビジネスは「下流工程」を担当している、
と表現できると思います。
見方(業務の切り口)によって上と下の表現が逆になりますが、野村総研とだいこう証券ビジネスの関係はこうなるのではないかと思います。