2012年8月31日(金)



日立国際電気、羽村工場の土地売却=譲渡益90億円

 日立国際電気は31日、通信機器を製造する羽村工場(東京都羽村市)の土地を
流通大手イオン系のショッピングセンター運営会社、イオンタウン(千葉市)に売却すると発表した。
売却額は98億円。更地化する費用などを差し引いた譲渡益は90億円で、2013年3月期決算で特別利益として計上する。
(時事通信 2012/08/31-16:44)
ttp://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2012083100730

 

 

 

2012年8月31日
株式会社日立国際電気
固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ
ttp://www.hitachi-kokusai.co.jp/news/pdf/news120831.pdf

 

 


株式会社日立国際電気
平成25年3月期 第1四半期決算短信
ttp://www.hitachi-kokusai.co.jp/ir/results/2503/quarter1/2503q1.pdf

 

 



【コメント】
株式会社日立国際電気の仕訳

 


平成24年8月31日(契約締結日)の仕訳


(仕訳なし)

 


平成25年3月29日(物件引き渡し日)の仕訳


(現金預金) 9,800百万円   /  (土地) 22百万円
                       (土地売却益) 9,778百万円
(更地化費用等) 778百万円     (更地化費用等引当金) 778百万円

 

 

*正確に言えば、特別利益(土地売却益9,778百万円)と特別損失(更地化費用等778百万円)が両建てで計上されると思います。
 差し引きの純額では特別利益が9,000百万円ということだと思います。
 工場跡地の更地化は「物件引き渡し後」とのことですので、ここでは引当金を計上しました。
 更地化が「物件引き渡し前」であれば引当金を計上するのではなく現金預金での支払いになります(支払日到来がまだなら「未払金」勘定)。
 (一般的には物件の引き渡し前に更地化することが多いというイメージですが。)



 


イオンタウン株式会社の仕訳

 


平成24年8月31日(契約締結日)の仕訳

(仕訳なし)

 


平成25年3月29日(物件引き渡し日)の仕訳


(土地) 9,800百万円 / (現金預金) 9,800百万円

 

 

*物件引き渡し後更地化完了までの期間は引き続き日立国際電気が当該固定資産を一時使用するそうです。
 一種の「セール・アンド・リースバック」でしょうか。
 しかし、わざわざそうするくらいなら、日立国際電気は自社で十分な期間当該固定資産を使用した後、
 更地化した上でイオンタウンに譲渡すればよいのではないかと思いますが。
 日立国際電気は当期(平成25年3月期)中にあわてて売却しなければならない理由でもあるのでしょうか
 (第1四半期は営業赤字、四半期純損失だったが、いわゆる”益出し”が目的か?)。