2012年8月26日(日)
8月25日(ブルームバーグ):米レンタカー会社ハーツ・グローバ
ル・ホールディングスは、
同業のダラー・スリフティ・オートモーティブ・グループの買収合意に近づいている。
交渉に詳しい関係者2人が明らかにした。来週にも合意発表の可能性があるという。
水面下で交渉が行われているとして関係者の1人が匿名を条件に語ったところによれば、
週末に両社の取締役会に1株当たり80ドル台後半の買収案が提出される見込み。
この額だと、ダラー・スリフティ株価の24日終値(81ドル)に対し10%未満のプレミアムになる。
ただ、従来と同様、今回も決裂の可能性がある。ハーツは2010年に12億ドル
(約900億円)の買収案を提示したが、
ダラー・スリフティの株主に拒否された。昨年も買収を提案したが、市場の動向を理由に撤回した。
(ブルームバーグ 2012/08/25 16:23
JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-M9ATJJ6JTSE801.html
【コメント】
レンタカー会社は自動車メーカーから自動車を購入して、その自動車をレンタルする人たちに貸すわけですから、
レンタカー会社の貸借対照表には、レンタルする自動車は有形固定資産に載っていると思います。
レンタルする人たちというのは主には個人になると思いますが、中には法人の場合もあると思います。
例えばプロ野球チームが選手のためにレンタカー会社からまとめて十数台借りて、選手はその車をチームから借りて運転する、
ということはあるかと思います。
レンタカー代は直接的にはプロ野球チームがレンタカー会社に支払うのでしょうが、
選手からプロ野球チームへは代金は支払わずそれらのレンタカー代は年俸に含まれている、といった感じなのだと思います。
個人がレンタカーを借りる場合はレンタル代金はほとんどがその場での現金支払いになると思いますが、
法人の場合は一ヶ月間から一年間以上の長期に渡るレンタルになるでしょうから、
レンタル代金の支払いは例えば1か月分をまとめて翌月末支払いといった具合になると思います。
そうしますと、貸借対照表には「レンタル売掛金」といった勘定科目が載ってくると思います。
いずれにせよ、レンタカー会社は実は「設備集約的」であると言えるでしょう。
これは貸借対照表の多くは有形固定資産で占められているという意味です。
レンタカーの店舗自体は非常に小さいですし、自動車は文字通り動くわけですからあまり「固定資産」という印象はないかもしれませんが、
レンタカー会社保有の自動車は立派な設備であり固定資産です。
設備集約的と言って分かりづらければ「資本集約的」と言ってもいいかもしれません。
多くの有形固定資産(数多くの台数のレンタカー)がレンタカー事業の命になります。
基本的には現代では自動車の性能に大きな差はないと思います。
どのレンタカー会社で自動車を借りてもそれほど差はないと思います。
そうしますと、数多くの自動車をまとめて購入する上でも現在保有しているレンタカーの稼働率を上げる上でも、
同業他社と経営統合を行っていくことは理にかなっていると思います。
車両の点検やメンテナンスも共通化できる部分が多いので費用の削減にも効果は大きいでしょう。
また、経営統合後も例えば相手のレンタカー会社の自動車の性能が悪くて会社のサービスや評判が悪くなる、ということはないと思います。
例えば航空会社などでは、経営統合したらサービスが悪くなった、ということがあったりするかと思いますが、
レンタカー会社の場合は自動車の性能に差はないためそういうことはないのかなと思います。
まあこの点に関してはより正確に言えば、航空会社は地上での応対や客室乗務員の接客がサービスの水準を左右しますが、
レンタカーの場合は、借りる人が自分で運転するだけですからそもそもレンタカー事業ではほとんど人は介在しないため、
経営統合を行ってもサービスが悪化することはない、と言わねばならないと思いますが。