2012年6月25日(月)



リクルート:市場、大型上場を歓迎 M&Aも可能に

 リクルートが来年にも株式の上場を目指す方針を固めたのは、世界的に事業を拡大するための資金を調達することが目的だ。
上場は今年10月に発足させ、100を超える関連会社をまとめる持ち株会社「リクルートホールディングス」が対象になる見通しで、
株式交換による企業の合併・買収(M&A)などを進めることも可能になる。
経常利益が1000億円を超え、市場は「大型上場」(証券会社)と歓迎している。
 リクルートは今月22日の株主総会で、株式公開について「中長期の成長手段の一つ」と説明した。
 同社は、学生向け就職サイトの運営や、結婚や住宅購入、旅行に関するインターネットや雑誌を通じた情報発信を行っているほか、
子会社のリクルートスタッフィングなど2社が人材派遣業を手がけている。
今後は需要が高まる海外での人材派遣事業の拡大を検討しており、上場で得た資金を充てたい考えだ。
 リクルートは1960年に江副浩正氏が創業した「大学新聞広告社」が前身で、63年に日本リクルートセンターに社名変更。
88年には、値上がりが確実とされたグループのリクルートコスモスの未公開株を政財界に譲り渡した「リクルート事件」を起こし、
秘書を通じて譲渡を受けた竹下登首相(当時)が退陣するなど一大疑獄に発展した。事件に加え、バブル崩壊で
子会社のノンバンクなどが経営危機に陥り、リクルートは大手スーパーのダイエー傘下に入るなどして再建を進めてきた経緯がある。
 ダイエーはリクルート株の3分の1を取得したが、その後、保有株の半分以上をリクルートに売り戻し、
残りの大半を金融機関などに売却。リクルートは現在、特定の企業グループに入っていない。
 リクルートの12年3月期の連結営業収益は前期比7.2%増の8066億円、経常利益は30.4%増の1176億円。
(毎日新聞 2012年06月26日 00時12分(最終更新 06月26日 00時40分))
ttp://mainichi.jp/select/news/20120626k0000m020123000c.html


 

 



リクルート上場へ 数年内に、欧米でM&A加速

 リクルートは25日、数年内に株式公開を目指す方針を決めたことを明らかにした。上場先については東京証券取引所など
複数の取引所を比較して今後決める。同社は米欧の人材派遣会社などの買収を進める考えで、幅広い資金調達手段の確立が課題になっていた。
1990年代から財務改善に取り組んできたが、上場でさらに信用力を向上させる狙いもある。
 リクルートは10月1日付で「リクルートホールディングス」に社名を変更し持ち株会社制に移行する予定で、同社が上場の主体となる。
 これまでの資金調達は銀行からの借り入れに頼ってきた。株式上場により市場からの直接調達にも選択肢を広げ、
大規模な投資を手がけやすくする。株式交換などを使ったM&A(合併・買収)もしやすくする。
 リクルートは5〜6年後の中期目標として、海外売上高比率を現在の20%から50%に引き上げる計画を打ち出しており、
昨年は北米で人材派遣事業の大型買収を相次ぎ決めた。買収効果で2013年3月期の連結売上高は前期比26%増の1兆200億円と
4期ぶりに1兆円を超える見通し。「人材サービスの総合力を高めるため、米欧でさらなるM&Aに乗り出す」(同社幹部)考えだ。
 リクルートは江副浩正元社長が1960年に創業。88年にはグループのリクルートコスモスの未公開株をめぐる贈収賄が
「リクルート事件」に発展した。その後、一時ダイエー傘下に入ったが、現在は社員持ち株会が筆頭株主になっている。
(日本経済新聞 2012/6/26 0:50)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASDD250LM_V20C12A6TJ0000/

 

 

 



2012年1月5日
株式会社リクルート
グループガバナンス体制変更についてのお知らせ
ttp://www.recruit.jp/news_data/old/2012/01/20120105_12577/index.html


>3.分割方式
>当社を分割会社とする分社型新設分割を利用する予定

 

 

2012年6月22日
株式会社リクルート
商号変更に関するお知らせ
ttp://www.recruit.jp/news_data/old/2012/06/20120622_12713/

 


 


【コメント】
特にコメントはありませんが、勘のいい人であれば、今年1月の時点でリクルートは近々上場を考えてるのかもしれないな、
と感じたかもしれません。
それと、
>現在は社員持ち株会が筆頭株主になっている。
とのことですので、リクルートとしては、上場は何年も昔から計画にあったことなのだろうと思います。

 


 


ビック、コジマを26日子会社化 共同仕入れへ合同商談

 家電量販大手のビックカメラは26日、同業のコジマを子会社にする。ビックはコジマの第三者割当増資に応じ、コジマの株式の50.06%を
約141億円で取得する。業界2位に浮上する売り上げ規模を生かし、両社はすでに共同仕入れに向けたメーカーとの合同商談を開始。
ビック流の売り場づくりをコジマに注入するなどノウハウの共有を進めるほか、年内にはポイントも共通化し、早期に統合効果を引き出す。
(日本経済新聞 2012/6/26 0:24)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASDD250IS_V20C12A6TJ2000/

 

 

 


【コメント】
明日のコジマの株主総会の想定問答集には
「ビックカメラへの第三者割当増資は『支配株主の異動』には該当しないのか」
という質問への回答が必ず用意されているはずです。

 


金融商品取引法上は「支配株主の異動」には該当しない、ということなのでしょう。
法律上は該当しないが、常識上は該当する、といったところでしょうか。
(しかし、やはり上場企業の株式を3分の1以上取得する際は必ず株式公開買付ではなかったかなあ、という記憶がありますが。
それとも、それは市場では株式を買ってはだめという意味であって、第三者割当増資であればよい、という解釈になるのでしょうか。)


そもそもの話をすれば、全株主に平等に株式を購入するもしくは売却する機会を与えるために株式公開買付という制度があるわけです。
それはそもそも支配株主が突然現れ残りの株主が突然(支配株主の対極にあるという意味の)少数株主になってしまうことを
避けることが目的であるわけです。

仮に株式公開買付を行わないならば、例えばコジマがビックカメラの子会社になるということなのでコジマ株式を売却しよう、
もしくは、大幅希薄化が行われるから株価は下がるかもしれないのでコジマ株式を売却しよう、
という株主に対して株式の売却を機会を与えていないことになります。
また、有利発行による第三者割当増資を行うということであれば、低い価格でコジマ株式を買い増したいという株主(もしくは市場の投資家)に
コジマ株式を購入する機会を与えていないことになります。

個人的にはコジマの第三者割当増資は何か違うような気もします。
まあ後はコジマ株主の判断ですが。 (これも、株主の判断ということで本当にいいのか、という思いもあります。)


個人的には、この第三者割当増資が適法だというのなら金融商品取引法もかなり矛盾を抱えているな、という思いがあります。
株主総会決議を経るよう推奨している自主規制ルールの限界ということでしょうか。
(株式公開買付の議論は金融商品取引法であってあの悪名高い会社法ではありません。)