2012年5月12日(土)
[上海 12日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は12日、商業銀行の預金準備率を0.5%ポイント引き下げると発表した。
18日から実施する。銀行が貸し出しに回せる資金を増やすことで、景気の下支えを目指す。
最大手銀行の預金準備率は20.5%から20%に引き下げられる。
人民銀行は、減速傾向が出始めた経済を刺激するため2011年11月30日に約3年ぶりに預金準備率引き下げを発表し、
政策を緩和寄りにシフトした。その後は今年2月にも引き下げを実施し、今回は3度目となる。
前日11日に発表された一連の経済指標では、4月の鉱工業生産の伸び率が大きく鈍化し、固定資産投資の伸びもここ10年近くで
最低水準になるなど、中国経済の減速が予想以上であることが示された。
インフレ率は4月が3.4%で、3月の3.6%を下回った。
また、4月の人民元建て新規融資が6818億元(約1079億8000万ドル)となり、エコノミスト予想の8000億元を
大幅に下回ったことで、中国政府が経済の安定を維持するために十分なマネーサプライを供給しているかどうか懐疑的な見方が高まった。
今回の預金準備率引き下げにより、商業銀行の与信力は4000億元(約635億ドル)拡大するとみられている。
アナリストは、年内にさらに8000億元相当の緩和が実施されると予想している。
(ロイター 2012年
05月 12日 22:05
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK814757320120512
どんなに景気がいいときでも、銀行の資金が100%全て貸し出しに回っているということはありません。
銀行には常に貸し出しに回したくても回せないいくらかの余剰資金というのが存在します。
一方、どんなに景気がいいときでも、借入を行いたくてもその金利であれば借入を行うことはできない、と考える企業は必ず存在します。
金利が高すぎる場合は企業は借り入れを行わないわけです。
そういったことを考えますと、景気に与える影響という観点では、預金準備率操作よりも公定歩合操作の方が影響力は大きいと思います。
預金準備率操作、公定歩合操作、とくればあと一つは売りオペ・買いオペです。
売りオペ・買いオペは預金準備率操作よりも景気に与える影響は小さいと思います。
というのは、預金準備率操作や公定歩合操作に比べ、売りオペ・買いオペには全ての銀行が関係しているわけではないからです。
売りオペ・買いオペには銀行は参加しないなら参加しないでいいわけです。
預金準備率操作や公定歩合操作には全ての銀行が従わなければならないのに対し、
売りオペや買いオペは参加したい銀行だけが売買に参加すればよいのです。
マクロで見た場合の各種金融政策が影響を与える金額の大きさが全然違う、と言えばよいでしょうか。
そういったことを総合的に考えますと、中央銀行の金融政策の景気に対する影響力の大きさは、
公定歩合操作>預金準備率操作>売りオペ・買いオペ
となると思います。
日銀が今行っている国債の買い入れ?
あれは金融政策ではなく財政政策だ。