2012年3月23日(金)
今年7月の関西空港と大阪(伊丹)空港の経営統合に向け、国が4月に設立する「新関西国際空港会社」の創立総会が23日、
大阪市内であり、社長に三井住友銀行の安藤圭一・副頭取が正式に選ばれた。安藤新社長は会見で、
収益性を高めたうえで2014年度をメドに両空港の運営権を外部に売る目標を示した。
新関空会社は国が全額出資し、4月1日に発足。7月から関空と伊丹の業務を引き継ぎ、両空港を一体運営する。
空港の運営権を売ることで、現関空会社が抱える有利子負債1兆円超の返済を目指す。
安藤氏は会見で、買い手が付くような大幅な収益改善ができるかは「非常に難しい」としつつも、
「強い使命感でやり遂げる」と述べた。そのうえで、意見が分かれる伊丹の活用法を含む経営戦略や事業計画を
「7月ぐらいまでにまとめたい」とした。
安藤氏は三井住友銀の専務時代に日本航空の経営再建に携わり、「国や航空会社といかに航空産業を強くするか議論した。
(新社長就任は)延長線にある」と空港経営に自信を見せた。関空の国際競争力の強化策として、格安航空会社(LCC)の誘致や
貨物便の増加、都心部からのアクセスの改善を挙げた。
一方、現関空会社の福島伸一社長については「実績を上げており、話も聞きたい」としたが、
処遇は「7月に向けて人事体制を議論したい」と述べるにとどめた。
国が全額出資する会社のトップ人事は通常、有識者を交えた第三者委員会で議論するが、
今回、国土交通省は安藤氏の選定にあたった委員会メンバーや議論の過程を公表していない。このため、関西財界からは
「安藤氏を選んだ経緯が不透明。空港経営の経験を持つ福島氏の処遇もしっかり考えるべきだ」との批判も出ている。
安藤氏以外の2人の取締役には、関西電力の安部川信・京都支店長と、国交省出身で現関空会社の室谷正裕常務が就く。
(朝日新聞 2012年3月23日21時41分)
ttp://www.asahi.com/business/update/0323/OSK201203230121.html
【コメント】
空港の運営権を外部に売る?
誰も買いませんよ。
地元住民からは早くも「どうせ関空会社が抱える有利子負債1兆円を税金で穴埋めするための隠れ蓑だろ」との批判も出ている。