2012年2月19日(日)



2012年2月17日(金)日本経済新聞
転機の企業収益 迫られる構造改革 上
デジタル革命 家電崩す
(記事)



 


2012年2月18日(土)日本経済新聞
転機の企業収益 迫られる構造改革 中
デフレが磨いた稼ぐ力
(記事)



 


2012年2月19日(日)日本経済新聞
転機の企業収益 迫られる構造改革 下
どう生かす 眠れる「資源」
(記事)

 

 

 



2012年2月18日(土)日本経済新聞
勃興 中国ネット消費 上
新市場、9兆円の購買力 2年で3倍に拡大 景気の下支え期待
(記事)



 


2012年2月19日(日)日本経済新聞
勃興 中国ネット消費 下
値引き熾烈、はや淘汰も 物流網の整備 道半ば
(記事)

 

 

 


2012年2月19日(日)日本経済新聞 そこが知りたい
らでぃっしゅぼーや社長 緒方 大助氏
なぜ異業種のドコモ傘下に? 顧客5000万人 相乗効果探る
(記事)



 


2012年2月19日(日)日本経済新聞 けいざい解説
継続緩和の約束に効果はあるか 景気低迷期には限定的
(記事)



 


2012年2月19日(日)日本経済新聞
東証株主、顔ぶれがらり? 大証と統合で上場へ
保有の中小証券 換金し廃業の動き
ネット・高速売買 台頭 対面取引減 存続厳しく
(記事)

 

 

 



2012年1月27日(金)日本経済新聞
上場廃止基準 メッツを審査 東証、猶予期間に
(記事)





 


【コメント】
話は2011年11月14日(月)から始まりました。

 


2011年11月14日
株式会社メッツ
平成 24 年3月期第2四半期累計期間の実績値と前年同期実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20111114_syuusei.pdf

 

 

2011年11月14日
株式会社メッツ
解散ならびに解散に伴う臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20111114_kaisan.pdf

 

 

2011年11月14日
株式会社メッツ
当社株式の監理銘柄(確認中)指定に関するお知らせ
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20111114_kanri.pdf

 

 

 


2011年12月1日
株式会社メッツ
当社株式の時価総額に関するお知らせ
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20111201_jikasougaku.pdf

 

 


上場企業が清算とはなあ。ひょっとすると日本株式市場初めてのケースになるのかなあ、と思っていました。
すると・・・↓

 

 

2012年1月26日
株式会社メッツ
臨時株主総会の延期に関するお知らせ
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20120126_enki.pdf

 

 

2012年1月26日
株式会社メッツ
当社普通株式に対する公開買付けに関する賛同意見表明のお知らせ
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20120126_sandou.pdf

 

 

 



2012年1月27日
株式会社メッツ
意見表明報告書
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20120127_ikenn.pdf

 


2012年2月3日
株式会社メッツ
訂正意見表明報告書
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/news/20120203_teiseiikenn.pdf

 

 


2012年1月27日
公開買付者:K.Y.
公開買付届出書
(EDINETと同じPDFファイル)





2012年2月2日
公開買付者:K.Y.
公開買付届出書の訂正届出書
(EDINETと同じPDFファイル)

 






2012年1月26日
株式会社メッツ
平成24年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/tanshin/h24_3Q.pdf

 

 

2012年2月14日
株式会社メッツ
平成24年3月期 第3四半期報告書
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/yuho/h24_3Q_houkoku.pdf

 

 


2012年6月30日
株式会社メッツ
平成23年3月期 有価証券報告書
ttp://www.metscorp.co.jp/pdf/yuho/h23_yuuhou.pdf

 

 

 


突っ込みだすとキリがない事例だと思います。
法人(企業)ではなく「個人(自然人)」が株式公開買付を行うのは、おそらく日本史上初めての事例かもしれません。
世界でもほとんど例はないのではないでしょうか。
公開買付者は個人ですので、ここでは敢えて公開買付者のことを「K.Y.氏」と呼ぶことにします。


株式公開買付を行うというのは、株式の再売却も含め何らかの企業再編を伴うものです。
とにかくただ単に株式を保有する、という目的で株式公開買付を行うということはありません。
そうしますと、株式を取得するのは必然的に法人(企業)になるわけです。

個人が株式公開買付を行うのは、その後の企業再編や株式の売却のことを考えますと、
スキーム上そして税務上の理由からデメリットが多いということだと思います。

K.Y.氏は株式会社メッツと同業の別の会社も経営しているようです。
株式公開買付が成立した後は、取得した株式は自分の会社に売却するなどして
メッツと共に経営統合も含めた企業再編を行っていく考えなのでしょう。
(ですから、始めからK.Y.氏保有の企業が株式会社メッツに対し株式公開買付を行えばよいのではないか、という話になるわけですが。)


ただ、この株式公開買付は、公開買付者が個人というだけなく、あやしいと感じる部分が多過ぎるのです。
例えば、2011年度の売上高ですが、4月1日から12月31日までの9ヶ月間の累計で事実上0円なのです。
売上高がここ9ヶ月間0円の会社に対して株式公開買付を行う、というのも何かひっかかるものがあります。
今までの業績を見ても2011年12月31日時点で、資本金は23億円強、資本剰余金31億円強、資本金・資本剰余金合計54億円強に対し、
利益剰余金=繰越利益剰余金=52億円のマイナスです。ぎりぎり債務超過を免れている状態です。
一言で言えば、巨額の累積赤字の塊のような企業です。


株式会社メッツ
平成24年3月期 第3四半期報告書
(12/25ページ)

 

 

 


大株主の状況を見てみましょう。

 


平成23年3月期 有価証券報告書
大株主の状況
(19/66ページ)


 ↓


株式情報
株主情報(平成23年12月9日現在)
大株主 (上位10名)
ttp://www.metscorp.co.jp/ir/shareholder/stock.html

(キャプチャー)





2011年11月14日の会社解散の発表を受けて、わずかな株主の変更があったようです。
機関投資家で言えば、
日本証券金融株式会社(0.62%) 、
ワクワクパートナーズ有限責任事業組合(0.51%)
の2社が大株主として現れています。

これら2社の計算では、1株当たりの予想残余財産額よりもその時の株価の方が低かったのでしょう。

 


 


株式会社メッツ
ここ6ヶ月間の値動き(その1)



2011年11月14日の会社清算の発表を受けて、翌11月15日には株価が急落してストップ安になっています。
率で言えば、30パーセント近い下落です。

この値動きを見ますと、市場は株式会社メッツの1株当たりの予想残余財産額を350円〜400円程度と計算していることが分かります。

 

 

株式会社メッツ
ここ6ヶ月間の値動き(その2)



2012年1月26日の会社清算急きょ中止及び株式公開買付の開始の発表を受けて、翌1月27日には株価が急上昇。
率で言えば、20パーセント以上の上昇です。

 

公開買付価格は615円です。
理論上、株価は615円にさや寄せします。
理論上は公開買付期間中は、株価は615円に張り付きますが、
公開買付後、新たな経営統合等の結果、収益力の向上及びそれに伴う株価の上昇を見込めると市場が判断しているので、
実際の株価は現在615円を上回って推移しているようです。

 

 

 


やはりこの点が気になります。

ここで問題となるのは、2011年11月15日から2012年1月26日までの間の売買となるわけです。
この間の株価や売買は本当に問題がないといえるのでしょうか。


もっと言えば、2011年11月14日の会社清算の発表、これ自体に問題はないのでしょうか。
株式会社メッツは本当に清算するつもりで会社清算の発表を行ったのでしょうか。


プレスリリースによりますと、公開買付者のK.Y.氏が株式会社メッツの会社清算を知ったのは
2011年11月14日の会社からの発表が初めてとのことです。
しかし、2011年7月28日に株式会社メッツの株式を取得する意向があることの申し入れを
株式会社メッツの社長でありほぼ半数の議決権を持つN氏に対し行ったとも書いてあります。
プレスリリースには但し書きのような形で、

>なお、当社は公開買付者とN田氏らとの間における公開買付けに関する折衝状況・内容については知り得る状況にありませんでした。

と書かれています。

 

 



まあ、ここから先は邪推ですが。
ひょっとして、会社清算の発表自体が株価操縦を目的としたものではないかと。

公開買付者のK.Y.氏はじめから(2011年7月28日くらいから)株式会社メッツの株式を株式公開買付で取得するつもりだった。
ただ、公開買付者のK.Y.氏としては株価がやや高いと感じていて、もう少し下がらないものかと考えていた。
そこで公開買付者のK.Y.氏は株式会社メッツの社長でありほぼ半数の議決権を持つN氏と共謀して、
全く行う気がない会社清算の発表を敢えて行った。
会社清算となりますと、上場廃止はもちろんですし、会社外部からは厳密にはなかなか残余財産額が計算できません。
会社清算の発表を行えば株価が急落することは十分に予想できる話です。
公開買付者のK.Y.氏及び株式会社メッツの社長でありほぼ半数の議決権を持つN氏は株価が急落することを見越して
会社清算の発表を行ったのかもしれません。

株価が十分に下がったところで、会社清算の決議を取る臨時株主総会の4日前になって突然株式公開買付の発表です。
株価は十分に下がっていますから、会社清算発表以前に比べれば、公開買付価格ははるかに低い価格となります。
会社清算の発表を受けてあわててメッツ株式を売却した一般投資家がバカを見た、ということになります。
公開買付者のK.Y.氏は、本来の価格よりもはるかに安い価格でメッツ株式を取得できることになります。


会社清算の発表は、低い価格で公開買付を行うために株価を引き下げることを目的としたものだった、

という考えもないわけではないのかなあ、という気がします。


株式会社メッツははじめから会社清算などする気はなかった、
そうだとすると会社清算の発表は株式市場への裏切り行為と言わざるを得ません。

 

 



株式会社メッツの株価の推移
上場日:2000年2月21日

「2000年2月21日〜2000年4月21日」



2月21日    3月2日    4月18日
244,666円 → 129,444円 → 53,333円


6営業日で株価は半分、その後も株価は下がり続け、上場して2ヶ月もしないうちに株価は上場日の4分の1以下になりました。

 

 

「上場以来の株価の値動き」



バブルとはこういうことでしょうか。

 

 

 




東京証券取引所
「合併等による実質的存続性の喪失に係る猶予期間入り銘柄」
株式会社メッツ
ttp://www.tse.or.jp/listing/yuyo/b7gje6000001268p-att/METS-120126.pdf


>(上場会社が実質的な存続会社でないと当取引所が認め、猶予期間に入ることが見込まれるため)

 

理由
(2〜3ページ)



会社の状況の経緯の後、いきなり「以上の状況を総合的に勘案すると」と書かれていますが、前後の脈絡が全くないのですが。
「待て、なぜそうなる」、と言いたくなるわけですが。
話が飛んでる気がします。
日本語大丈夫でしょうか。

 

 


K.Y.氏の株式公開買付は2月23日(木)までです。
またその時に何かコメントしたいと思います。

「K.Y.氏とN氏とのご関係は?」

そう突っ込みを入れて今日のコメントは終わります。