2011年12月28日(水)



2011年12月28日
AHBインターナショナル株式会社
ペットシティ株式会社
イオン株式会社
AHBインターナショナル株式会社とペットシティ株式会社との合併について
ttp://www.anicaclub.com/pdfs/20111228_gappei.pdf
ttp://www.petcity.co.jp/images/20111228.pdf
ttp://www.aeon.info/news/2011_2/pdf/111228R_1.pdf

 

 

 



 イオングループのペット専門店事業を担うペットシティ株式会社(以下 ペットシティ)と
ペット関連事業に高いノウハウを持ち全国に店舗展開するAHBインターナショナル株式会社(以下 AHB)は、
ペットシティを存続会社とする合併に12月26日に合意しましたので、お知らせいたします。



1.合併の目的
 現在、国内のペット産業の市場規模は、約1兆3千億円といわれており、約3割の世帯がペットと共に生活されています。
昨今は、ペットとの生活の質を重視されるお客さまが増加しており、ペット事業者は、ペットフードやケア用品、トリミング、
健康管理まで高い専門性を持って、お客さまに商品やサービスを提供することが求められています。
 この度の、AHBとペットシティの合併の目的は、ペット事業の物販とサービス部門においてノウハウを持つ両社が
その経営資源を集中し融合させることで、多様化、専門化するお客さまのニーズにお応えするとともに、
新しい商品やサービスの提供に取り組みペットと人間の幸せな共生社会の実現を目指すものです。
 AHBは、動物と人間の幸せな共生社会を実現することを目的とし、「安心」「信頼」「快適」を提供する
物販の「ペットプラス」、トリミング・ホテルの「ビューティプラス」、
高い診断精度と治療技術を有し365日無休型の動物病院の「アテナ動物病院」を展開しています。
 ペットシティは、ペットと暮らすライフスタイル提案型専門店として、動物と家族のホットなコミュニケーションを
実現することにより動物愛護の精神を浸透させ、地域社会・地球環境に好影響を与えることを使命とし、
全国のイオン系ショッピングセンターを中心に、物販、トリミング・ホテル、動物病院の「ペットシティ」を展開しています。
 両社の合併により、物販165店舗、トリミング・ホテル146店舗、病院49店舗という国内最大のペット専門店企業が誕生します。
 新会社は、物販事業、病院事業、トリミング事業の再構築に取り組み、ペットとの生活に必要な商品、サービス、
ホスピタリティをワンストップで提供するペット総合専門店としてお客さまのペットライフの充実をサポートするとともに、
ペット業界の産業化に尽力してまいります。
 また、この度の合併を機に、ペット産業の成長が予想される中国、アセアンへの事業展開も加速してまいります。
今後、新会社は、イオングループの理念の下、互いの歴史と企業文化を尊重しながら、「すべてはお客さまのために」の視点で、
お客さまの声に耳を傾け、店舗を基点とした地域密着の経営を推進してまいります。
 また、イオンは、年々多様化するお客さまのペット関連商品やサービスへのニーズにお応えすべく、
総合スーパー「イオン」のペット売場をペットシティが運営する「専門店化」に取組んでいます。
 この度のAHBとペットシティの合併により、お客さまにこれまで以上に魅力ある商品やサービスを提供してまいります。



 


 



【コメント】
合併当事会社の概要
(2/2ページ)


ペットシティの売上高は145億2,100万円、従業員数943名(うち、パートタイマー787名)、
AHBインターナショナルの売上高は113億8,500万円、従業員数1,337名(うち、パートタイマー658名)、
となっています。

ペットシティの従業員一人当たり売上高は1,539万円、パートタイマーを除いた従業員一人当たり売上高は9,308万円、
AHBインターナショナルの従業員一人当たり売上高は851万円、パートタイマーを除いた従業員一人当たり売上高は1,676万円、
となっています。

両者の事業内容は、
総合ペットショップの運営、ペットフード・用品の小売業、トリミング・ホテルの運営、動物病院・クリニックの運営、
となっており両社で完全に同じです。

 

従業員一人当たり売上高に非常に大きな差がついていますね。
2倍弱(1.8倍)の差があります。
パートタイマーを除いた従業員一人当たり売上高に至っては5.55倍もの差がついています。

ペットの販売にせよ、ペットフード・用品の販売にせよ、お客さんは店員に相談しながら購入すると思います。
また、トリミング・ホテル・動物病院・クリニックの運営ですとまさに人の手作業になるでしょう。
ペット関連事業は機械化できる部分というのはほとんどないと思います。
つまり、ペット関連事業では、全費用の中で人件費が非常に大きな割合を占めると思います。

 

 

 


そうしますと、ペットシティとAHBインターナショナルとでは、従業員一人当たり売上高の差を考えますと、
営業利益ベースではさらに大きな差がついているものと思われます。
売上高だけを見ますとペットシティの方がやや大きい規模ですし、
資本金だけを見ますとAHBインターナショナル4億9千万円に対しペットシティ1億円となっており、
むしろAHBインターナショナルの方が大きいわけですが、
実際にはペットシティの方がはるかに高収益企業であると推測できます。


現在、ペットシティはイオン株式会社の100%子会社です。
AHBインターナショナルとイオン株式会社とは現在資本関係は全くないようです(イオン株式会社の出資比率0%)。

プレスリリースを読みますと、この両社が合併しますと、合併後はイオン株式会社が75%出資する会社となるようです。
もしそれぞれの株式価値総額が全く同じであれば、合併後のイオン株式会社の出資比率は50%となります。
ところが、合併後はイオン株式会社の出資比率は75%となるということは、
それぞれの株式価値総額は、ペットシティはAHBインターナショナルのちょうど3倍という計算(*)になります。

(*計算式)



それぞれの発行済株式総数は分かりませんので、株式1株当たりの価値がどのくらい差があるのかは分かりません。
ですから、合併比率が何対何かは分かりません。

しかし、仮に両社の発行済み株式総数が同じであるとするならば、
株式1株当たりの価値は、ペットシティはAHBインターナショナルのちょうど3倍という計算になります。
合併の際しては、AHBインターナショナル1株に対しペットシティ株式を0.333株を割り当てます。

 


 


先ほど見ましたように、両社の間には、従業員一人当たり売上高に大きな差があり、
パートタイマーを除いた従業員一人当たり売上高に至ってはさらに大きな差があります。
そして、ペット関連事業は機械化がほとんど不可能な「労働集約的」な産業であると言えます。
ペット関連事業では人件費が非常に大きな割合を占めることを考えれば、
この差は営業利益ベースではさらに大きくなるでしょう。


そしてその差が株式価値総額の違いとなって表れているのでしょう。
(売上高の違いはわずかなのにペットシティの株式価値総額はAHBインターナショナルの3倍です。)

 


 


ところで、仕入れたペットは貸借対照表上「棚卸資産」になります。
棚卸資産は、期末日ごとに、正味売却価額(処分見込価額)まで帳簿価額を切り下げる必要があります(棚卸資産評価損)。

詳しく書き出しますときりがありませんが、大まかに言えば、
棚卸資産評価損が発生する原因としては、
@物質的欠陥(展示、試用貸し出し)
A経済的欠陥(売れ残り季節商品、新製品の出現により旧型化した製品)
があります。

(棚卸資産評価減)





仕訳例


@ペットを海外から輸入し掛買いした(ペット代金は1億円)。なお、輸送代金1,000万円は現金で輸送業者に支払った。

(仕入) 1億1,000万円 / (買掛金) 1億円
                 (現金) 1,000万円


A売れなかった

(仕訳なし)


B期末にペットの評価を行った結果、ペットの処分見込価額が1万円であると判定された。

(棚卸資産評価損) 1億999万円 / (棚卸資産) 1億999万円