2011年12月15日(木)



大日印、オールアバウトと資本提携 メディア事業強化  12月末に32%強取得、筆頭株主に

 大日本印刷は15日、総合情報サイトを運営する大証ジャスダック上場のオールアバウトと資本・業務提携すると発表した。
大日印は主力の印刷事業とともにメディアサービス事業を展開しており、生活者向けコンテンツを豊富に持つオルアバウトと
提携することでメディアサービス事業の基盤を強化したい考え。
 大日印はオルアバウトの大株主であるリクルートから2万3084株、ヤフーから1万9976株をそれぞれ取得する。
大日印はオルアバウト株の32%強を保有し、筆頭株主になる見通し。12月27日に取得予定で、取得金額は11億円強。
大日印は手持ち資金で賄う。大日印はオルアバウトについて「持ち分法適用会社になる見込み」(広報)という。
(日本経済新聞 2011/12/15 16:40)
ttp://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381949EE3E7E29A938DE3E7E3E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E3

 

 

 

 

大日本印刷、オールアバウトに出資 顧客を相互に紹介なども

 大日本印刷と総合情報サイトを運営するオールアバウトは15日、資本・業務提携すると発表した。
大日本印刷がオールアバウトの発行済み株式数の32%を11億3773万円で取得し、同社の筆頭株主になる。
ネットサービスの顧客を相互に紹介し、運営ノウハウを共有する。
 オールアバウトはこれまでリクルートが47.1%を出資する筆頭株主、ヤフーが34.7%を出資する第2位株主だった。
今月27日付で大日本印刷がリクルート、ヤフー両社からオールアバウトの株式を買い取る。
異動後は大日本印刷が筆頭株主になり、リクルートとヤフーの持ち株比率はそれぞれ29.9%、19.8%に下がる。
 大日本印刷は電子書籍販売サービス「honto」や電子チラシ「オリコミーオ!」などのネット事業を手掛けているが、
認知度の向上が課題となっていた。月間ページビュー1億2000万件のオールアバウトのサイトと連携することで集客につなげる。
(日本経済新聞 2011/12/15 20:03 )
ttp://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819696E3E7E283998DE3E7E3E0E0E2E3E38698E3E2E2E2

 

 

 


2011年12月15日
大日本印刷株式会社
株式会社オールアバウトとの資本業務提携に関するお知らせ
ttp://www.dnp.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2011/12/15/111215_1.pdf

 

 

 



2011年12月15日
株式会社オールアバウト
大日本印刷との資本・業務提携に関するお知らせ
ttp://corp.allabout.co.jp/corporate/press/2011_02/111215_01.htm

 

 

2011年12月15日
株式会社オールアバウト
資本・業務提携に関するお知らせ
ttp://corp.allabout.co.jp/ir/ir_release/pdf/111215_1.pdf

 

 

2011年12月15日
株式会社オールアバウト
株式の売出し、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動の予定並びに親会社及びその他の関係会社の異動の予定に関するお知らせ
ttp://corp.allabout.co.jp/ir/ir_release/pdf/111215_2.pdf

 

 

2011年12月15日
株式会社オールアバウト
臨時報告書(親会社の異動、主要株主の異動)
ttp://corp.allabout.co.jp/ir/ir_release/pdf/111215_3.pdf

 


 

 


【コメント】
印刷会社が生活総合情報サイト運営会社に出資する(既存株主から株式を取得する)という記事です。
何かシナジーがあるのかなと思い、オールアバウトのサイトを見てみますと、紙媒体の雑誌を手がけているようです。
オールアバウト発行の雑誌の印刷を大日本印刷が手がけているのでしょう。

 

株式会社オールアバウト
情報誌事業
初の紙媒体である総合マネー情報誌『あるじゃん』
ttp://corp.allabout.co.jp/business/argent.htm

 

と思ったらこれです↓。

 

2011年12月15日
株式会社オールアバウト
金融情報誌「あるじゃん」の休刊、及び金融情報誌事業の休止に関するお知らせ
ttp://corp.allabout.co.jp/ir/ir_release/pdf/111208_1.pdf

 

紙や印刷とは全く関係なく、大日本印刷はオールアバウトに出資(既存株主からの株式の取得)するようです。
金額面では大きな資本提携(と呼んでよいと思います)ではありませんが、
大日本印刷がいかにその事業ドメインを変えてきているかが分かる事例かと思います。

 


 



それと、一つ気になったのが、オールアバウトからのプレスリリースに「株式の売出し」と書かれていることです。
これは「株式の売出し」ではありません。
大日本印刷からすると、ただの既存株主からの株式の取得です。
大日本印刷がリクルートとヤフーからオールアバウト株式を購入する、
リクルートとヤフーは大日本印刷へ保有しているオールアバウト株式を売却する、
というだけです。
この売買にオールアバウトは関係ありません。


「株式の売出し」と言いますと、会社が「新規に」株式を発行し自社以外の誰かに売却することを言います。
分かりやすく言えば「株式の売り出し」とは「増資(有償増資)」のことです。
「株式の売り出し」=「増資(有償増資)」の場合は、オールアバウトに現金が入ってきます。
しかし、このたびの大日本印刷によるオールアバウト株式の取得は、
株主間だけの話であり、オールアバウトには一切関係がありません。
大日本印刷は現金でオールアバウト株式を取得しますが、その現金は既存株主であるリクルートとヤフーが
売却代金として受け取るわけであり、オールアバウトには1円も入ってきません。

オールアバウト株式を一つの有価証券と見ますと、オールアバウト株式を売却するのは株式会社リクルートとヤフー株式会社であって、
株式会社オールアバウトではありません。
オールアバウト株式を売却するのが株式会社オールアバウトであれば、それは増資(有償増資)であり「株式の売り出し」となるわけですが、
このたびの資本提携は株主間のオールアバウト株式の売買に過ぎないという点には注意が必要です。

 

プレスリリースには、

>(5)売出方法  株式会社リクルート及びヤフー株式会社による大日本印刷株式会社に対する当社普通株式の譲渡

とありますが、このたびの資本提携は、
株式会社リクルート及びヤフー株式会社と、大日本印刷株式会社との間の「株式の譲渡」に過ぎません。
「株式の売り出し」とは完全に異なります。