2011年11月23日(水)
「我が社は海外へは一切進出しません。国内の足固めを確実にします。これが我が社のグローバル戦略です。」
という考え方もあるのではないでしょうか。
特に運輸系(鉄道や航空など)、電力やガス関連、通信系、商業銀行といった、
大きく言えば生活インフラ関係であり政府の規制が大きな業界では、
海外に進出しても成功するのは難しい面もあると思います。
日本で政府の規制が大きな業界は海外でも政府の規制は大きいのです。
毎日の生活関連となりますと、その国の国民が国内企業のサービスと外資系企業のサービスのどちらを選択するかを考えますと、
国民としてはやはり価格や質だけでは割り切れないものを感じるようになるのも人間心理としてあるのかなという気がします。
競争にどの企業が勝つのかは政府の規制が決めることではなく、その国の国民であり消費者が決めることです。
しかし、その消費者が生活関連の場合は国内企業のサービスを選びがちになる、というのもまた事実かもしれません。
確かに国内市場は縮小していますし海外へ出ないと業績が頭打ちになってくるのは事実です。
しかし、まずは国内を完全なものとするという戦略は、いくらグローバル化が進もうとも決して恥ではありません。
鶏口となるも牛後となるなかれ、という言葉があります。
この言葉は決して内にこもることが良いことだと言っているわけではありません。
企業のグローバル戦略で言えば、まずは国内市場を完全にし、今のまま努力を怠らずこつこつと事業を行っていけば
今後30年も40年も安泰だ、という状態を作ってから少しずつ海外へ進出していこうじゃないか、
という意味ではないでしょうか。
「まずは海外へは出ない」
これも立派なグローバル戦略だと私は思います。