2011年11月15日(火)



バフェット氏が米IBMの株式5.5%を取得、筆頭株主に

 [14日 ロイター] 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は14日、自身が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが
IBMの株式約5.5%を取得したことを明らかにした。
 トムソンロイターのデータによると、同氏はステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズと出資比率で並び、
IBMの筆頭株主となる。
 バフェット氏はCNBCテレビとのインタビューで、IBM株約6400万株を107億ドルで取得したと述べた。
購入は3月に開始したという。
 同氏は、IBMの長期戦略や主力事業で確立された地位などを投資の理由に挙げたほか、他社のサービスにはあまりない方法で
法人顧客をつなぎとめる同社の強みを評価した。
 また、IBMは、バークシャーがIBM株を取得していることを認識していなかったことも明らかにした。
IBMはコメントを差し控えている。 
 IBM株取得は、テクノロジー分野には投資しないと常に公言してきたバフェット氏にとって、大胆な方針転換といえる。 
 米国株式市場でIBMの株価は一時、10月中旬に付けた過去最高値に迫る189.84ドルに上昇。
その後、前営業日終値比ほぼ横ばいの187.35ドルで取引を終えた。 
 1年前のIBMの株価は現在の3分の2だった。バリュー投資で知られるバフェット氏にしてはIBM投資で出遅れた感があり、
同氏自身もIBMに5年前に注目すべきだったと語っている。
 一方、業界アナリストは、それでも同氏のIBM株取得はいい取引だったと指摘。コリンズ・スチュアートのアナリスト、
Louis Miscioscia氏は「バフェット氏の投資戦略を考えると、これは長期投資となると思う。IBMの経営陣はコスト管理をうまく行い、
株主に資金を還元している」と述べた。 
 バフェット氏が投資していない銘柄に、欧州の銀行株がある。
 欧州の大手銀行による資本調達が必要になるたびに名前が挙がる同氏はCNBCに対し、投資する前に欧州の銀行について
理解を深める必要があると述べ、これらへの投資機会はまだ見い出せないと明らかにした。
(ロイター 2011年 11月 15日 10:56 JST)
ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24168820111115

 



 


バフェット氏が米IBMの大株主に、21日に初めて日本訪問

 米国を代表する投資家で、著名経営者の相談役としても知られるウォーレン・バフェット氏(写真)は、
米IBMの株式に107億ドル(約8300億円)を投じたことを明らかにした。バフェット氏の持ち分は約5.5%となり、
IBMの大株主に浮上する。
 バフェット氏は自身が経営する米バークシャー・ハザウェイを通して、米アメリカン・エキスプレスやワシントン・ポスト、
P&G、ウォルト・ディズニーなど数々の著名企業に投資し、一代で約4兆円の資産を築いた株式投資家。
個人資産をビル・ゲイツ氏が運営する財団にすべて寄付すると表明したことでも知られる。
 ただバフェット氏はこれまで「ハイテク株はわからない」と語り、一切のIT株への投資を控えていた。
今回のIBM株の大量購入は数十年に渡る投資方針を転換したことを象徴しており、今後のIBMの経営や世界の株式相場に影響を与えそうだ。
 IBM株の購入の理由について、バフェット氏は14日、米CNBCのインタビューで
「ルー・ガースナー元IBM会長の著書を読み直したり、IBMの年次報告書を読んだりした」と語り、
最近の研究がきっかけとなったことを明かした。その上でIBMの成長性や事業戦略に注目し、
「IBMはIT企業の事業を手助けする会社」と定義づけて、そのサービスやソフトウエア事業を評価した。
 購入は自身の研究の結果であるとして、
「サミュエル・パルミザーノ現会長にも、新しくCEO(最高経営責任者)になるジニー・ロメッティ氏とも話していない」と明かした。
 バフェット氏は、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏ら経営者の相談相手としても知られる。
ただマイクロソフト株の購入については「考えたことはあるが、購入には至らなかった」としている。
 そのバフェット氏は11月21日に初の来日を予定している。同氏が投資する企業グループに属する超硬工具大手、タンガロイが
宮城県に新工場を稼働し、その開設式典に参加するためだ。本来は2011年3月に式典を予定していたが、大震災のため延期となっていた。
バフェット氏は「ソニーの創業者である盛田昭夫氏と友人関係にあるので、ソニー株を買いたかったが、割高で買えなかった」
とかつて語ったことがある。来日をきっかけに再び日本株への関心を高めるかどうかも注目が集まる。
(日経情報ストラテジー 2011/11/15)
ttp://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111115/374498/

 

 

 



【コメント】
>購入は3月に開始したという。


なるほど、8ヶ月ほどかけて少しずつ取得していったわけですか。
道理で極端な株価の上昇がなかったわけですね。


もしバフェット氏が短期間に一気にIBM株式を取得していたとしたら、例えば値動きは次のようになっていたでしょう↓。

(株価急上昇の様子)




楽天がTBS株式を一気に買い増した時の値動きです。
この時の急上昇は、おそらく、2週間で4.99%から15.46%まで一気に買い増したのだと思います。

このような急激な変化がなかったということは、長い時間をかけてごく僅かずつ株式を取得していったのでしょう。
あわてて取得しなければならない理由もないでしょうから、株価が上昇しない程度に少しずつ買っていったのでしょう。

 

バフェット氏はIT業界には投資をしないことで有名です。
その理由は技術の進化があまりに早過ぎるからだそうです。
最新技術についていくのは専門技術者でも確かに大変です。
しかし、このたび、IT業界の雄であるIBMの株式を買ったことにより、
バフェット氏は一気に最新技術を理解できるようになりました。
なぜなら、

Immediately Buffett is Modernized.

だからです。
(ただちにバフェットは現代人になった。)