2011年11月7日(月)



2011年11月7日(月)日本経済新聞
国際協力銀 タイでのガス火力発電事業 日本勢に協調融資
(記事) 

 

 


【コメント】
これはよいプロジェクトですね。
こういった、技術、ノウハウ、日本製品、融資が一体となったハード面・ソフト面の輸出は
これからの日本にとって大切な「セット販売品」です。
まさに、

>パッケージ型インフラ輸出の象徴的な事例

と言えるでしょう。


今後、こういった海外へのセット販売が増えて欲しいと思います。

 

 

 


2011年11月7日(月)日本経済新聞
中国企業 トップ30 吉林
独立尊重でボルボ再生 M&Aで技術強化 高級車シフト急ぐ
(記事)



 

 

【コメント】
中国企業である吉林がボルボを買収した後も、ボルボの工場は中国にはないでしょう。
中国で生産されたボルボの自動車を購入したいと思う消費者は世界中探しても一人もないからです。
これからも、ボルボの工場が中国に建設されることはないと思います。

 

それと、直近の期では営業赤字に転落したとのことですが、
その理由として、為替変動と新技術投資が書かれています。

ここで言っている為替変動とはどのことなのでしょうか。
ボルボはユーロだと思うのですが、ユーロ圏内における生産・販売であれば為替は全く関係ありません。
ユーロで生産し、ユーロで販売するからです(この点はまさに欧州にユーロを導入した目的とも言えるでしょう)。
ボルボはどこの国における販売が多いのかは分かりませんが、
アメリカにおける販売だろうが日本における販売だろうが、
ユーロはどの通貨に対してもむしろユーロ安の傾向にあると思います。
為替変動はむしろボルボにとってプラスになっているはずです。
為替変動が原因で営業赤字に転落ということはあり得ません。

それに、新技術投資が原因というのもよく分かりません。
この期に何か研究開発費を使いすぎたということなのでしょうか。
いきなり研究開発費が急増するようなことはないとはいえないのかもしれませんが、
何か大掛かりな研究設備投資を行ったのであれば、それは資本的支出になると思います。
資本的支出の場合は、減価償却という形で各期に費用計上していくことになりますから、
本当に減価償却費が原因というのなら、来期以降も減価償却費は大きな負担となるはずです。
来期移行は黒字化する見通しというのは何か根拠があるのでしょうか。


吉林のボルボ買収の成果はこれから現れるのだと思いますが、技術力にはまだまだ差があるのが現状のようです。
技術力の高い企業を買収して高い技術力を誇る部品を手に入れても、
部品の技術力が高すぎて自社製品には使えない、もしくは、部品の技術を十分に使いこなせるようには自社では完成車を作れない、
といったこともあるのかもしれません。