2011年10月16日(日)
2011年10月16日(日)日本経済新聞 そこが知りたい
京セラ社長 久芳
徹夫氏
太陽電池、日本メーカー生き残れる? 目先のシェアより質向上
(記事)
2011年10月16日(日)日本経済新聞
中国の車大手
ブラジル生産 国内減速、海外シフト 高率の課税回避
ブラジルの上乗せ課税 中韓勢狙い撃ち
(記事)
昨日は、マイナス金利の財務省短期証券を「受取債券利息に課税される税率が100%以上となる債券」と表現しましたが、
もっと簡単に、「財務省短期証券に固定資産税が課税される」、と考えてもよいかもしれません。
財務省短期証券を例えば、額面100円(発行価格も100円)、利息5%、満期1年、
財務省短期証券に課税される税率を額面の10%、だとします(ここでは利息にかかる税は無視します)。
今100円でこの債券を買いますと、1年後満期を迎えますと、手元に残るお金は、
100 + 5 − 100×(10/100) = 95
100円で債券を購入したのに95円しか返ってこないわけです。
別な言い方をすれば、95円のものを100円で買ったことと同じです。
以下、同文です。
固定資産税と呼ばれる税の論理的な根拠(課税や税法の背景や歴史と言えばいいでしょうか)がどのようなことなのかは知りません。
しかし、固定資産税の存在を前提としますと、
土地建物工場への固定資産税というのは、課税されても、経営手腕如何でトータルでは黒字にすることが可能です。
固定資産税の支払い以上のキャッシュを土地建物工場から得られると判断したから
土地建物工場を購入したり建設したりするわけです。
固定資産税を支払ったら必ず赤字になる、と判断できた場合は、その土地建物工場は取得しません。
固定資産税の支払いは確かに経営上マイナスですが、経営手腕如何では固定資産税を支払っても黒字にできるわけです。
これはある意味当たり前のことなのです。
その債券からのキャッシュフローははじめから決まっているのですから。
この点において、経営手腕如何でキャッシュフローが大きく変わる土地建物工場とは完全に性質が異なります。
敢えて言うなら、これが実物資産と金融資産(正確には債券)との顕著な違いと言えるでしょう。
債券(特に公債)の場合は、実は「はじめから価格とそのキャッシュフローは決まっている」のです。
正確には、その債券からのキャッシュフローがはじめから決まっているからその債券の価格もはじめから決まっているのです。
これは発行体(債務者)の返済能力が減少しない限り変化のしようのないものなのです。
購入者が誰であろうと、誰にとっても、その債券からのキャッシュフローははじめから決まっており、
したがって、その債券の価格もはじめから一つに決まるのです。
一方、土地建物工場の場合は、キャッシュフローも価格も一つには決まりません。
ある土地建物工場が、ある人にとっては大きなキャッシュフローの源泉になるかもしれませんが、
別の人にとっては小さなキャッシュフローの源泉にしかならないかもしれません。
その土地建物工場からのキャッシュフローは経営手腕により著しく変化しますので、キャッシュフローが1つには決まらないのです。
したがって、その土地建物工場の価格も万人にとって一つというわけではありません。
ある人にとっては高額を支払っても手に入れたい土地建物工場に見えるかもしれませんし、
別に人にとってはどんなに安くてもいらない土地建物工場に見えるかもしれません。
人によってその土地建物工場に支払っても良いと考える価格は異なるでしょう。
しかし、売却する方としては、一番高い価格で買うと言った購入者に売却するというだけです。
しかし、マイナス金利の財務省短期証券の場合は、これはどうやっても黒字にできません。
債券のキャッシュフローははじめから決まっていますし、
正確に言えば、キャッシュフローがはじめから決まっているから債券なのでしょう。
経営手腕は全く関係ありません。
まあ敢えて言うなら、そのような債券を買ったお前が悪い、となるのかもしれませんが。
マイナス金利の財務省短期証券を「財務省短期証券に固定資産税が課税される」と考えてもよいとは思うのですが、
財務省短期証券に対する固定資産税を支払うと必ず赤字になるというのは、
「税」と呼ばれるものの根幹を揺るがしかねない考え方のような気がします。
まあそれを言うなら、「受取債券利息に課税される税率が『100%以上』」というのも根本的におかしな考え方になると思いますが。
私は税務は専門ではありませんのでこれ以上のことは分かりません。
分からないなりに何が言いたいかと言いますと、
「債券に対する固定資産税」という考え方はおかしい気がしますし、
「利息に対する税率が100%以上」という考え方もおかしいとなりますと、
これはやはり根本的に「マイナス金利の財務省短期証券」という考え方がおかしいということではないでしょうか。
(税の面から考えるのではなく、手前味噌ですが、昨日書きましたように、
「絶対にデフォルトが起きない分発行価格にプレミアムが付いている」という理解をした方が良いかもしれませんね。)