2011年10月7日(金)
2011年10月06日
みらかホールディングス株式会社
米国・病理検査事業の買収について(プレゼンテーション資料)
ttp://www.miraca-holdings.co.jp/update/mcffnv0000000xbt-att/20111006_presentation_j.pdf
2011年10月06日
みらかホールディングス株式会社
みらかHDがCarisの病理検査事業を買収
ttp://www.miraca-holdings.co.jp/update/mcffnv0000000x9z-att/20111006_news_2.pdf
2011年10月06日
みらかホールディングス株式会社
Caris
Diagnostics事業の買収(子会社化)に関するお知らせ
ttp://www.miraca-holdings.co.jp/update/mcffnv0000000x8n-att/20111006_news_1.pdf
【コメント】
日銀当座預金に預けると金利が付く制度は「補完当座預金制度」と呼ばれる制度です。
補完当座預金制度
ttp://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/oth_a/index.htm/
本来は、中央銀行の当座預金には金利は付かない、というのが大原則です。
その大原則を曲げてでも導入したのが「補完当座預金制度」です。
「補完当座預金制度」の目的は、金融市場における資金供給円滑化のためということですが、これはすなわち、
銀行が企業に貸し出しを行いやすくするため、ということなのです。
企業に貸し出しを行う、これがそもそもの大目的です。
ところがふたを開けてみるとどうかと言いますと、記事にありますように、
>貸し出すよりも日銀に預けた方が「運用」は好成績となり、貸し出しに資金が回らなくなっている
という事態になっています。
「補完当座預金制度」は、とにかく日銀当座預金にお金を預けることが目的になってしまっています。
「補完当座預金制度」はあくまで、金融市場における資金供給円滑化のための手段に過ぎません。
あくまで目的は、企業に貸し出しを行うことにあります。そこを間違えてはいけません。
手段の目的化、とよく言ったりしますが、「企業に貸し出しを行う」というそもそもの目的が達成できていない以上、
「補完当座預金制度」も見直す必要があるのではないでしょうか。
ではいくら株式報酬費を計上しなければならないかと言いますと、細かいことを抜きにすれば、ストックオプション一個当たり
付与日の自社株式の株価−行使価格
の費用計上が必要です。
この記事にありますような「行使価格1円」のストックオプションの場合ですと、1円分は事実上無視できますので、
結局、ストックオプション1個当たり「付与日の自社株式の株価」の費用計上を行わなくてはいけません。
そうしますと、報酬額が合計100円だとしますと、費用計上の額も結局100円になります。
つまり、「行使価格1円」のストックオプションの場合、損益計算書上は現金による報酬の支払いとほとんど同じになります。
「行使価格1円」のストックオプションを導入すると費用が減るとか利益が増える、といったことはありません。
では、「行使価格1円」のストックオプションは、現金による報酬の支払いと何が違うかと言えば、
最終的に現金を支払うのは、ストックオプションを付与した企業ではなく、株式市場である、という点です。
ストックオプションを付与する企業は、株式を購入する権利を対象者に与えるだけです。
ストックオプションを行使して株式を購入した対象者は株式を市場で売却することによって報酬を受け取ります。
企業は対象者に現金を支払う必要はないのです。
この点が一番大きな違いです。
いわば、「行使価格1円」のストックオプションは、損益計算書ではなく、キャッシュフロー計算書に対してインパクトを持つ
報酬支払い制度と言えるでしょう。
それと、税務上のメリット・デメリットを無視すれば、
「行使価格1円」のストックオプションの付与は、事実上「株式の現物支給」と同じ意味を持つと思います。
権利行使価格が1円の場合ですと、事実上ストックオプションを行使しないということがあり得ません。
ストックオプションを付与された者は必ず権利を行使します。
そして必ず株式を取得します。
これは株式を現物支給されたことと同じと言えます。
株式を取得し、そして売却する時期のみが少し違うだけでしょう。
仮に「行使価格1円」のストックオプションを付与された者が権利を行使しないことがあるとすれば、
それはストックオプションを付与した企業が倒産した時でしょう。
ストックオプションを行使したくても、取得する株式がこの世にない場合は行使できません。
まあその前にそのストックオプション自体が無効になるという考え方をしなくてはいけないのでしょうが。
ストックオプションの権利行使日までに付与した企業が倒産してしまい、企業は株式発行の義務を果たせなくなくなる危険性、
これを「カウンターパーティーリスク」、と呼ぶかどうかは知りませんが。
なお、しつこいようですが、
「行使価格1円」のストックオプションと「株式の現物支給」とが税務上どう違うのかについては税務の専門家にお尋ね下さい。
企業の側にとって、そして報酬を受け取る側にとって、どちらがどう税務上有利なのか、
この点は報酬制度を考える上で大切なことだと思います。
ちなみに企業会計上はほとんど同じです。
「株式の現物支給」の方は、株式を現物支給した時点で、損益計算書には株式の時価相当額を費用計上、
貸借対照表には同額資本金が増加(もしくは自己株式が減少)します。
「行使価格1円」のストックオプションの方は、ストックオプションを付与した時点で、
損益計算書には株式の時価相当額を費用計上(厳密には1株当たり1円少ない金額ですが)、
貸借対照表には同額「新株予約権」が計上されます。
そして権利行使日に、企業は1円を受け取り、新株を発行し、貸借対照表の新株予約権を資本金に振り替えます。
資本金は、新株予約権の額と「1株当たり1円×新株発行株式数」の合計の分増加します。
「1円」の部分を無視すれば、ストックオプションの権利が行使された段階で、
「行使価格1円」のストックオプションと「株式の現物支給」とは、
損益計算書と貸借対照表に与えるインパクトは同じになります(同じ形の損益計算書と貸借対照表になります)。
株式会社伊藤園 普通株式
出来高・・・104,900株
売買代金・・・147,859千円
(キャプチャー)
株式会社伊藤園 優先株式
出来高・・・8,200株
売買代金・・・8,721千円
(キャプチャー)
優先株式の出来高は、普通株式の出来高の12分の1未満(7.8パーセント)。
優先株式の売買代金は、普通株式の売買代金の16分の1未満(5.9パーセント)。
伊藤園の優先株式の取引がいかに少ないか分かります。
これは今日だけの話ではありません。
1年を通じて、優先株式の出来高や売買代金は普通株式の10分1未満なのです。
伊藤園ほどの有名企業ですらこのような取引の状態ですから、投資家やベンチャー企業が種類株式を上場させようと考えることはありません。