2011年9月29日(木)
2011年9月29日(木)日本経済新聞 戦略分析
コンビニの営業益上振れ 「中食」志向を取り込み 今期
ファミマ10%増 ローソンも修正の公算
(記事)
2011年9月29日(木)日本経済新聞
グリー、高まる市場評価 高い利益率 時価総額5000億円に 過熱感も、海外展開カギ
(記事)
5年近く前の記事を2つ。↓
JT、露・東欧に活路 英ギャラハー買収
先進国では逆風 巨額投資でリスクも
世界3位のたばこ会社である日本たばこ産業(JT)は15日、同5位の英ギャラハーを買収すると正式発表した。
買収金額は、有利子負債分を含め約2兆2530億円(約97・5億ポンド)で、日本企業として過去最大の買収となる。
JTは成長が見込めるロシアなどの新興国市場に強いギャラハーとの相乗効果で、世界市場に販路を確立する考えだが、
米フィリップモリスなどのライバル社も新興国でのビジネス拡大を目指しており、競争の激化は必至だ。
巨額投資に伴う財務内容の悪化懸念もあり、JTの思惑通りに、投資の果実が得られるかはまだ見通せない。
借入金1兆円
JTは2007年上半期をめどに、ギャラハーの全株式を現金で取得し、完全子会社化する。両社のたばこ販売数量(05年度)を
単純合計すると5870億本で、世界第2位の英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)に約910億本差まで詰め寄る。
JTは、5日までの過去3か月間につけたギャラハー株の平均株価を約27%上回る1株約2635円(11・4ポンド)で買い取る。
買収資金は約7000億円の手元資金に加え、米大手投資銀行のメリルリンチから約1兆円を借り入れる。
健康志向
たばこを取り巻く事業環境は、年々厳しさを増している。日本を含めて100か国以上が批准した喫煙による健康被害を
防ぐための「たばこ規制枠組み条約」が05年2月に発効し、各国は増税などでたばこ消費を減らす対策を急いでいる。
JTの主力ブランドのマイルドセブンに対しては、01年に欧州連合(EU)が、たばこの健康被害を過少に思わせかねない
「マイルド」の表現を禁じる指令を出した。「先進国市場は、健康志向や増税により成熟期に入っており、
たばこの数量自体が伸びることはない」(木村宏社長)のが現状だ。
JTは99年に米RJRナビスコの海外たばこ部門を9400億円で買収し、東欧市場に基盤を築いた。
ギャラハー買収で、海外での基盤はさらに強固になる。
本数ベースの各国の市場占有率(シェア)は、買収後、英国で約40%、アイルランドで約50%、ロシアで34%、
カザフスタンで46%に達する。世界全体のシェアも10・9%(2005年度)となり、葉タバコなど原材料の調達などで
コスト競争力が増す。
みずほ証券の佐治広シニアアナリストは「ロシアや東欧などでギャラハーとブランドを共同展開すれば、無意味な競争を避けながら、
コスト削減もできるので、大きな相乗効果が期待できる」と分析する。
格下げ方向
ただ、JTは株式の50・02%を国が保有しており、純粋な民間会社とは言えない。2兆円超の巨額投資が、
万が一失敗すれば、国が保有する株式の価値が大幅に下がることになり、国民の資産が目減りする。
今回の買収決定については、15日に格付投資情報センターが「良好な財務構成は一時的に悪化する」として、
JTと同社が発行した社債の格付けを、現在の「AA+」から格下げする方向で検討に入ったと発表した。
今回の買収額は、RJRの倍以上にも達するだけに失敗のリスクは大きい。
JTは92年に買収した英マンチェスター・タバコを00年に売却、96年に米外食チェーン「バーガーキング」と設立した
合弁会社も01年に解散するなど、投資の失敗も目立つ。巨額投資に見合うメリットがあるのか、国民に対し、
十分な説明が必要といえる。
ギャラハー
1857年設立、本社は英サリー州ウェイブリッジ。2005年度の連結売上高は、JTの4兆6376億円に対し、
ギャラハーは82億1400万ポンド(約1兆8984億円)。主なブランドに、ベンソン&ヘッジス、シルクカット、
メンフィスなど。
主要たばこ会社販売数量
(読売新聞 2006年12月18日)
ttp://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20061218mh08.htm
日本たばこ産業(JT)は15日、英たばこ大手ギャラハーの買収手続きを開始すると正式に発表した。2007年上期をメドに
完全子会社化し、スイス・ジュネーブにあるJTの海外拠点との経営統合を目指す。
英国法に定められた友好的な買収方法を採用し、ギャラハー株1株あたり約2635円で全株を取得する。取得額は1兆7310億円で、
ギャラハー社の純有利子負債を含めた買収総額は約2兆2530億円に上る見込みだ。日本企業による企業買収として過去最大となる。
JTはすべて現金で決済する予定で、JT保有の現金7000億円のほか、米メリルリンチなど金融機関からの借り入れで調達する。
ギャラハーは世界5位のたばこメーカーで「メンフィス」や「シルクカット」などの銘柄を持つ。買収が成立すれば、
世界第3位のJTのたばこ販売数量(05年実績)は6000億本(JT・4100億本、ギャラハー・1900億本)規模となり、
現在首位の米フィリップ・モリス、第2位の英国ブリティッシュ・アメリカン・タバコとの差を縮めることになる。
また、市場別では、JTの主要市場の日本・台湾・マレーシアの3市場に、ギャラハーが40%以上のシェアを持つ英国・北欧諸国など
5市場が加わり、ロシア・ウクライナも有力市場として浮上するなど、シェア2位以上の市場の数は10になる。
健康意識の高まりや高齢化により国内市場が縮小する中、JTはギャラハーが強いロシアやCISなど成長が有望視される
海外市場に活路を見いだすことで収益増を図るとともに、ギャラハーが持つかみたばこなどの製造技術や流通網を活用することで
コスト削減を目指す。
15日夕、東京都千代田区の帝国ホテルで開いた記者会見で、JTの木村宏社長は「外部
資源の獲得を通じた規模の拡大により、
世界的なたばこメーカーとして競争力を高めることが必要との結論に達した」と強調。「これまでの提携案件の積み重ねから、
お互いをよく知っており気心が知れていた」というギャラハーに11月末、JT側から買収提案を持ちかけ、規模拡大で将来的な
収益安定性を確保したいという思惑が一致したという。他の海外たばこメーカーに対しての買収の可能性については否定した。
また、木村社長は買収金額について「ギャラハーが生み出している利益を考えると、妥当な金額である」と述べ、
現金による買収については「ギャラハーの株主にとってもっとも魅力的な方法」と説明した。【
(ライブドア・ニュース 2006年12月15日 20時16分)
ttp://news.livedoor.com/article/detail/2864041/
記事には、今までJTはM&Aが行いづらかった、というようなことが書かれていますが、
そんなことはないでしょう。
上に記事を紹介していますように、2006年に大型買収を行っています。
ギャラハー社の株式取得額は1兆7310億円、負債を含めた総資産額は約2兆2530億円です。
ここまでの大型M&Aを行えているわけですから、今まではM&Aについて足かせがあった、ということはないと思います。
確かに、現行法ではJT株式の政府保有割合の規制もありますし、増資するだけで政府の認可が必要ということですので、
自社株式を使ったM&Aについては規模に制限はあったかとは思いますが。
ギャラハーほどの規模の買収というのは今後もそれほど多くはないと思いますので、
仮にJT法が改正され政府保有の規制がなくなるとしても、
それは純粋にJTの完全民営化が目的という理解でいいのではないかと思います。
JTのM&Aの後押しが目的、ということは考えなくてよいと思います。
2005年度の連結売上高は、JTの4兆6376億円に対し、ギャラハーは約1兆8984億円とのことです。
2005年実績で、JTのたばこ販売数量4100億本、ギャラハーは1900億本です。
売上高で言えば、JTはギャラハーの2.44倍、
販売数量で言えば、JTはギャラハーの2.16倍です。
両社ともたばこ事業以外にも多角化しているでしょうから、売上高と販売数量が完全に一致はしていませんが、
売上高の大部分を占めるのはたばこ事業だと考えますと、売上高と販売数量は割合的にはだいたい同じ様な比率になっています。
つまり、たばこ1本平均当たりの価格はJTとギャラハーで同じくらい、ということになると思います。
何も考えないと、たばこの価格が同じくらいというのは不思議ではないと思うかもしれません。
しかし、ここで私は思ったのです。たばこ税って、国によって相当大きな差があるよな、と。
そして何より、ギャラハーはイギリスだから今で言うIFRS適用だよな、と。
何が言いたいと言うと、JTの売上高4兆6376億円にはたばこ税が含まれているのです。
しかし、ギャラハーの売上高約1兆8984億円にはたばこ税は含まれていないはずです。
これでたばこ1本平均当たりの価格が同じ結果になるというのはおかしいですし、
そもそもたばこ税込みの売上高とたばこ税抜きの売上高を比較すること自体が間違いでしょう。
なぜたばこ一本平均当たりの価格がJTとギャラハーでだいたい同じくらいの計算になってしまうのかは分かりません。
多角化の度合いが違うのか、イギリスのたばこ税は極端に低いのか、為替レートが偶然の一致を作り出しているのか、
それとも、これらの複合要因なのか。
まあ何が言いたいかと言うと、会計基準が異なると売上高や利益の比較が全くできません、ということを言いたいのです。
さらに言えば、IFRSを適用となりますと、会計処理方法を企業の側が自由に選べますから、
ますます企業間の比較ができなくなります。
この世に2つとして同じIFRSはありません。
同じ日本国内のA社が適用しているIFRSとB社が適用しているIFRSとが異なるのです(正確にはA社とB社で会計処理方法が異なる)。
IFRSを適用するというのは、全ての企業に対して全部異なる会計基準を適用することと同じなのです。
JTの売上高4兆円が一瞬にして蒸発する国際会計基準(IFRS)の憂鬱
(ダイヤモンドオンライン 2009年11月13日)
ttp://diamond.jp/articles/-/6803
>IFRSの収益計上基準では、売上高に間接税を含めないこととしている
>第三者(国や地方公共団体など)のために企業が間接的に回収した税金は、
>当該企業にとって経済的便益の増加とはみなされない。
>JTの09年3月期に係る連結売上高6兆8323億円のうち、国内外のタバコ事業に係る売上高は6兆3187億円であった。
>このうち約6割はタバコ税であるから、IFRSの収益基準によれば4兆円近くの売上高が、文字通り煙となって消えてしまう。
日本たばこ産業株式会社
有価証券報告書 第26期(2010年4月1日 〜
2011年3月31日)
ttp://www.jti.co.jp/investors/securities_report/pdf/f.s.20110624.pdf
セグメント情報 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産等に関する情報
「国内たばこ事業、海外たばこ事業の外部売上高におけるたばこ税込売上高及びたばこ税抜売上高の内訳」
129/172ページ
注:
これを見ると、ギャラハーの売上高約1兆8984億円にはたばこ税は含まれているようです
(だとするとたばこ1本平均あたりの価格がだいたい一致するのも頷けます。日英のたばこ税の税率の違いはともかく。)。
ギャラハー自体はIFRSは適用していないというような理解でいいのでしょうか。
ギャラハーは親会社であるJTに合わせて、日本基準で売上高を開示していると考えてよいのでしょう。
すると、2006年の時点でもギャラハーは税込みで売上高を発表していたのでしょうか。
2006年当時、たばこ税込みの売上高の発表はイギリスでは認められたのでしょうか。
それともJT側が日本基準に合わせて敢えて税込みの売上高を発表したということでしょうか。
2011年09月28日
参天製薬株式会社
Novagali
Pharma社の買収(子会社化)について
ttp://www.santen.co.jp/jp/news/20110928.pdf
2011年9月29日(木)日本経済新聞
JPモルガン系 日本瓦斯に出資 筆頭株主に
(記事)
平成2011年9月28日
日本瓦斯株式会社
OEP NG LLC
との資本業務提携、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分並びに主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ
ttp://www.nichigas.co.jp/news/ir/pdf/20110928_1.pdf
Announcement of Capital and Business Alliance with OEP NG LLC, Issuance
of New Shares and Disposal of
Treasury Stock Through Third-PartyAllotment,
and Change inMajor Shareholder and Largest
Shareholder
ttp://www.nichigas.co.jp/news/ir/pdf/20110928_2.pdf
2011年9月29日(木)日本経済新聞
ソフトバンク、自社株買い119億円
(記事)
2011年9月28日
ソフトバンク株式会社
自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ
(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)
ttp://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2011/20110928_01/
28 September 2011
Nobuyuki Idei Joins Lenovo Board of
Directors
Replaces Outgoing Director Jim Coulter on Board of World’s Fastest
Growing Major PC
Company
ttp://news.lenovo.com/article_display.cfm?article_id=1511
2011年9月28日
出井伸之氏、レノボ取締役に就任
ジム・カウルター氏に替わり、世界で最も急成長している大手PC企業の社外取締役に
ttp://www.lenovo.com/news/jp/ja/2011/09/0928.html
ダイヤモンド・オンライン(ttp://diamond.jp/)のトップページアクセスすると、少しだけページが飛び、
毎日新しいドラッカーの言葉が表示されます。
ttp://diamond.jp/list/welcome
今日は次のような言葉でした。
「教会を建てているといえることが重要である。」
キャプチャー
この言葉の前後は次のような文章です。
三人の石切り工の話がある。何をしているかを聞かれて、それぞれが「暮らしをたてている」「石切りの仕事をしている」
「教会を建てている」と答えた。第三の男こそ、真のマネジャーである。
第一の男は、仕事で何を得ようとしているかを知っており、真実それを得ている。一日の報酬に対し一日の仕事をする。
だがマネジャーではない。将来もマネジャーにはならない。
問題は第二の男である。熟練した専門能力は不可欠である。たしかに組織は、最高の技能を要求しなければ二流の存在になる。
しかしスペシャリストは、たんに石を磨き脚柱を集めているにすぎなくとも、重大なことをしていると錯覚しがちである。
専門能力の重要性は強調しなければならない。だが、それは全体のニーズとの関連においてでなければならない。
〜P.F.ドラッカー 「マネジメント-課題、責任、実践」より〜
女子アナ総合研究所 第五章
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/ana/1248614508/
の>>399(2009/09/30(水) 21:51:33 )に書きました。
そのまま引用します。
>ここである逸話を紹介します。
>
>
>
>ある新聞記者が作業現場を通りかかりました。現場では三人の男が作業をしています。
>新聞記者は作業をしている一人の男に「あなたは何をしているのですか」と尋ねました。
>一人目の男は面倒くさそうにこう答えました。
>「別に。ただレンガ積んでるだけだよ。」
>新聞記者は別の男にも「あなたは何をしているのですか」と尋ねました。
>二人目の男はこう答えました。
>「見ての通り教会を作っています。」
>新聞記者は三人目の男にも「あなたは何をしているのですか」と尋ねました。
>すると三人目の男は目を輝かせてこう答えました。
>「私は神に奉仕をしています。私は幸せです。」
>と。
>
>
>やっていることは三人とも全く同じです。
>しかし、一人は不貞腐れている、一人は仕事だからと割り切っている、一人は目を輝かせている、
>この差は大きいのかな、と。
ちょうど2年前に書いたコメントです。
上手く言えませんが、「教会を建てている」と言うだけではやはり何か物足りないかなあ、という気もします。
できればその「意味付け」まで欲しいという思いがありますね。
なぜ仕事をしているのかと言えば、お金と言ってしまえば結局お金なのかもしれませんが、
何かそこに自分が納得のいく「意味」があればいいなと思います。
「お金です」というだけでは何かむなしいような、そんな気もいたします。
まあ、こういった話は精神論っぽくなりますので、この辺で。