2011年9月20日(火)
(イメージ図)
2011年9月20日(火)日本経済新聞
ヤフー 地方都市営業強化 2都市に新拠点
(記事)
2011年9月20日(火)日本経済新聞
損失発生「投資銀では不可避」
(記事)
【ニューヨーク=河内真帆】米複合企業タイコ・インターナショナルは19日、事業を3つの独立した上場会社に分割すると発表した。
「ADTブランドで展開する北米の個人・小オフィス向け警備システム事業」「バルブ製造などを手がけるフロー制御事業」
「商業向け防災部門」の3分野に分割する。独自事業に特化することで、各自が成長戦略を追求しやすくなると判断した。
株主の承認を受け、1年後の手続き完了を見込む。
警備システム事業は年間売上高が30億ドル(約2280億円)、従業員は1万6000人。フロー制御事業は同40億ドル、1万5000人。
商業向け防災部門は同100億ドル、6万9000人。
(日本経済新聞 2011/9/20
7:01)
ttp://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959CE0E2E2E29B8DE0E2E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
タイコ:3社への分割を計画、いずれも株式上場へ−事業戦略に柔軟性
9月19日(ブルームバーグ):タイコ・インターナショナルは19日、自社を3分割し、
いずれも株式上場会社として独立させる計画を明らかにした。
タイコの発表資料によると、北米の住宅用セキュリティーシステムを手掛けるADTと、フロー制御、
さらに業務用セキュリティー・火事防災システムの3部門に分割する。
エド・ブリーン最高経営責任者(CEO)は発表文で、新たな会社組織の誕生に伴い、
各社とも本業あるいは買収による成長を目指した独自の事業戦略に集中できる「柔軟性が大きく増す」と述べた。
ブリーン氏は今後、業務用セキュリティー・火事防災システム会社の非常勤の会長、フロー制御会社の取締役、
さらにADTの顧問を務める。非課税のスピンオフ(分離・独立)を通じて、タイコの株主は3社すべての株式を取得する。
スピンオフの完了は約1年後の予定。
(ブルームバーグ 2011/09/19 22:45
JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aWL7eg8gAoZM
[19日 ロイター] 米タイコ・インターナショナルは19日、自社を3分割し、
それぞれ独立した上場企業に再編する計画を発表した。
分社後の新会社は買収標的になると見られており、同日の米国株式市場でタイコ株価は一時4%近く急伸した。
タイコは北米の住宅用セキュリティー事業、エネルギー市場向けなどのフロー制御事業、
業務用セキュリティー・火災防止事業の3つに分社化する方針で、分割により、買収を含め、成長への選択肢が広がるとしている。
バーティカル・リサーチ・パートナーズのアナリスト、ジェフ・スプレイグ氏は
「3分門それぞれが買収のターゲットになり得る」との見方を示した。
同氏によると、
1)北米の住宅用セキュリティー事業については、AT&Tやベライゾン・コミュニケーション、
コムキャスト、スタンレー・ブラック・アンド・デッカーなどが、
2)分割後最大規模となる業務用セキュリティー・火災防止事業については、仏シュナイダー・エレクトリックや
独シーメンス、ユナイテッド・テクノロジーズ、ハネウェル・インターナショナルなどが関心を示す可能性がある。
また、
3)フロー制御事業については、ユナイテッド・テクノロジーズやゼネラル・エレクトリック(GE)などが
買収を検討する可能性があると同氏は予想している。
タイコは今後約1年で分社化を完了する見通しで、これに伴うコストをおよそ7億ドルと見込んでいる。
コングロマリット企業をめぐっては、投資家離れが進んでおり、最近ではクラフト・フーズ、ラルコープ・ホールディングス、
マグロウヒル、コノコフィリップスなども事業分割計画を発表している。
(ロイター 2011年
09月 20日 04:59
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23248020110919
Sep 19, 2011
Tyco International Announces Plan to Separate Into Three
Independent, Publicly Traded Companies
All Three Businesses are Leaders in
Their Respective Markets
Businesses are Well-Positioned for Growth and Value
Creation
ttp://investors.tyco.com/phoenix.zhtml?c=112348&p=irol-newsArticle&ID=1607808&highlight=
Tyco International Announces Plan to Separate Into Three Independent,
Publicly Traded
Companies
ttp://phx.corporate-ir.net/External.File?item=UGFyZW50SUQ9MTA3MjgzfENoaWxkSUQ9LTF8VHlwZT0z&t=1
Tyco International Announces Plan to Separate Into Three Independent,
Publicly Traded Companies
Slides
ttp://phx.corporate-ir.net/External.File?item=UGFyZW50SUQ9NDIwMTUzNnxDaGlsZElEPTQ0MDYwNXxUeXBlPTI=&t=1
【コメント】
プレスリリースその他を読んでみました。
日本とアメリカでは会社法が異なりますから、スキーム等が一対一には対応していませんが、
もし日本であればこのようであろう、という私なりの解釈を書いてみます。
また、国を超えた企業再編ですので、日本でいう吸収合併や会社分割とはだいぶ意味合いが異なっている部分もあると思います。
以下のコメントはあくまで日本国内で考えた場合だと思ってください。
最後に、私の英語は完全でも何でもありませんから英文を読み間違っているかもしれません。
間違いがあるとは思いますがその点はご容赦下さい。
タイコ・インターナショナルがどのような組織形態を取っているのか分かりませんが、
おそらく事業持株会社の形態を取っていると思います。
つまり、タイコ・インターナショナルは事業持株会社(residential
security business が本体にあると思われます)、
その下に、「flow control products and
services」の会社と「fire and security business」の会社の2つが
完全子会社としてぶら下がっている形だと思います。
この後の流れですが、一旦、タイコ・インターナショナルは「flow control products and services」会社と
「fire
and security
business」会社を吸収合併すると思います。
これで法的にはタイコ・インターナショナルは一つの会社になりました。
一つになった上で、「火災・セキュリティ・サービス事業」を顧客毎に再編成するのだと思います。
具体的には、「個人向け火災・セキュリティ・サービス事業」と「法人向け火災・セキュリティ・サービス事業」に
再編成するのだと思います。
現在では、子会社の「タイコ・ファイアー・アンド・セキュリティ」で個人向け・法人向けのサービスを提供していると同時に、
タイコ・インターナショナル本体でも「個人向けのセキュリティ・火災報知機サービス」を提供しています。
本体と子会社で同じ様なサービスを提供していますので、「個人向け」と「法人向け」という風に事業を分けて、
この重複を解消するのだと思います。
つまり、タイコ・インターナショナル内部で、「火災・セキュリティ・サービス」を個人向け・法人向けに再編成した上で、
○個人向け火災・セキュリティ・サービス(ADT North America Residential)
○フロー制御製品製造(Flow
Control)
○法人向け火災・セキュリティ・サービス(Commercial Fire and Security)
の3つに事業を整理します。
そして次に、「個人向け火災・セキュリティ・サービス」事業を会社分割し、
同時に、「フロー制御製品製造」事業も会社分割します。
この時の会社分割は「新設分割」であり「人的分割(分割型分割)」です。
吸収分割や物的分割(分社型分割)ではありません。
新会社を設立するのですから「新設分割」です。
また、会社分割に伴い、新会社設立に際して発行する株式は、タイコ・インターナショナルではなく、
タイコ・インターナショナルの株主に割り当てますので「人的分割(分割型分割)」です。
この会社分割を合計2回行います。
すると、タイコ・インターナショナルには「法人向け火災・セキュリティ・サービス」事業が残りますが、
これはこのままです。
従来から存在するタイコ・インターナショナルで「法人向け火災・セキュリティ・サービス」を行うのです。
2回会社分割を行い、さらに分割会社でも引き続き事業を行いますから、会社の数は、
○個人向け火災・セキュリティ・サービス(ADT North America Residential)会社 ←新設会社
○フロー制御製品製造(Flow
Control) ←新設会社
○法人向け火災・セキュリティ・サービス(Commercial Fire and
Security) ←従来から存在するタイコ・インターナショナル
の合計3つになりました。
それから、新会社の株式は現在のタイコ・インターナショナルの株主に割り当てられます。
そうしますと、新株式を割り当てた瞬間、株主構成が完全に同じ会社が3つ存在することになります。
これはこれで面白いと思います。
また、従来から存在するタイコ・インターナショナルは引き続き上場し続けるとして、
2つの新会社も会社分割と同時に上場する計画です。
これは会社分割(人的分割)であれば自動的に上場できるのではなく、完全に新しい会社が新たに上場する、
という流れだと思います。
当然通常の新規上場と同じ様に新設会社にも上場審査が行われます。
会社分割と同時に上場ということは、会社分割の以前から上場審査を行わなければならないということです。
まだ会社が設立されていない段階で上場審査が行われるというのも、考えてみれば面白いなと思いました。
(まだ登記されてもいませんから、実際には存在していない会社に対して上場審査を行うわけです。
会社分割を実行したと想定して”未来財務諸表”を監査するわけです。一人芝居ならぬ”エア審査”にならなければいいのですが。)
現在のタイコ・インターナショナルの株主は優に1万人以上いるでしょう。
その全員に2社の新株式を割り当てていかねばなりません。株式の事務手続きだけで相当大変だと思います。
株主の数が多ければ多いほど事務手続きが煩雑になります。
私も全ての事例を知っているわけではありませんが、上場企業で人的分割を行った例というのはほとんどないと思います。
>One-time transaction costs are expected to total approximately $700
million
>-- largely for debt refinancing, separation and restructuring
costs.
今回の吸収合併及び会社分割にかかる費用は7億ドルとのことです。
負債の借り換えその他も含めて合計約7億ドルと書かれています。
国を超えた大掛かりな合併と分割です。
法律の専門家、財務の専門家の費用だけで数十億円かかるでしょう。
>Under the proposed transaction structure, the ADT North America
residential business
>is expected to be incorporated in the United States,
while the flow control business
>will be incorporated outside the
U.S.
>The commercial fire and security business will remain incorporated
in Switzerland.
提案した再編ストラクチャーにおいては、ADT北米の個人向け事業はアメリカ国内で会社設立される予定であり、
一方、制御フロー事業はアメリカ国外で会社設立される予定である。
法人向け火災・セキュリティ事業は今まで通りスイス国内で登記され続ける予定である。
ここを読みますと、会社設立は2つのみ、法人格を持つタイコ・インターナショナルはそのまま残ることが分かります。
従来から存在するタイコ・インターナショナル(スイスで登記)では法人向け火災・セキュリティ事業を行います。
現タイコ・インターナショナルは創業時から続いている会社といえるでしょう。
そうしますと、「法人向け火災・セキュリティ事業」をこれからのタイコ・インターナショナルの
本業にしようと考えているのかもしれません。