2011年8月26日(金)
CEOと言えば、このようなニュースがありました↓。
米AMD、レノボ社長を新CEOに
[ボストン/ニューヨーク 25日 ロイター] 米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は、
最高経営責任者(CEO)にレノボ・グループ(聯想集団)のロリー・リード社長兼最高執行責任者(COO)が就任すると発表した。
リード氏は49歳。AMDの携帯端末向け半導体分野でインテルやARMホールディングスに出遅れているが、
同氏はアナリストとの電話会見では。具体的な戦略は示さなかった。
AMD取締役会は前任のダーク・マイヤーCEOが携帯端末向け事業での不振を理由に辞任に追いこみ、
1月から新CEOを求めていた。CEOが空席だった6カ月間にAMDの株価は30%下落していた。
リード氏はIBM出身で、2009年にレノボの社長兼COOに昇進、の売上高2ケタ増や、営業損益を黒字化した実績を持つ。
(ロイター 2011年
08月 26日 14:57
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-22883320110826
2011年8月12日(金)日本経済新聞
超円高と財務戦略 A ホンダ 池専務
為替予約は実勢で粛々と
(記事)
2011年8月17日(水)日本経済新聞
超円高と財務戦略 B 商船三井 武藤社長
船舶投資、円で3〜4割
(記事)
2011年8月18日(木)日本経済新聞
超円高と財務戦略 C リコー 三浦副社長
最適な調達狙い、機能集約
(記事)
2011年8月20日(土)日本経済新聞
超円高と財務戦略 E ディスコ 溝呂木会長
原価低減の余地あり
(記事)
2011年8月24日(水)日本経済新聞
超円高と財務戦略 F 三菱マテリアル 浜地常務
新規投資、6割を海外に
(記事)
2011年8月25日(木)日本経済新聞
超円高と財務戦略 G 三井物産 岡田常務
外貨建て負債の比率上昇
(記事)
ソフトバンクがシティバンクに借入金返済へ、米ヤフー株譲渡で
[東京 26日 ロイター] ソフトバンクは26日、米ヤフー株をシティバンクに譲渡し、借入金11億3500万ドルを
返済すると発表した。返済は9月下旬に完了する予定で、ソフトバンクは2012年3月期に投資有価証券売却益として
約764億円の特別利益を計上する見込み。
ソフトバンクは04年2月、ブロードバンド事業の拡大に充当するため、シティバンクから11億3500万ドルを借り入れた。
借入金は当初から米ヤフー株を譲渡することで返済できる契約となっており、ソフトバンクはこの譲渡によって
米ヤフー株の保有比率が約4%から0.002%に低下する。
(ロイター 2011年
08月 26日 17:32
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-22887720110826
2011年8月26日
ソフトバンク株式会社
米国Yahoo!
Inc.株式の譲渡による借入金の返済、および特別利益の計上について
ttp://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2011/20110826_01/
今回、投資有価証券売却益として約764億円の特別利益を計上するとのことですが、
これは2つの要因が重なってこの金額になっています。
1つ目は、ソフトバンクが米ヤフーに出資した1株当たりの金額よりも、現在の米ヤフーの1株当たりの金額(株価)の方が
はるかに大きいという点です。
ソフトバンクが保有する米ヤフー株式の帳簿価額は小さいのに、現在の米ヤフーの株価はそれに比べればはるかに大きいため、
米ヤフー株式譲渡に伴い、多額の投資有価証券売却益が出てきます。
この部分は単純に帳簿価額と時価との差額です。
一部の記事では、2004年2月にソフトバンクがシティバンクから借り入れた時よりも米ヤフーの株価が現在は上昇しているので
投資有価証券売却益が計上されるといったことが書かれていますが、それは間違いです。
2つ目は、円高がマイナス要因となって投資有価証券売却益が小さくなっている点です。
実はドルベースでの投資有価証券売却益は(米ヤフーの株価次第で若干変動しますが)為替レートに関係なく一定なのです。
しかし、円ベースに換算する時に為替レートの影響を大きく受けてしまいます。
換算レートを1米ドル=77円で計算しますと、投資有価証券売却益は約764億円なのです。
もし為替レートが借入れ時と同じ1US$=109.3円だとしますと、投資有価証券売却益は1000億円を優に超えてきます。
この部分は、円高が原因で投資有価証券売却益の金額が小さくなっているのです。
円高がドル建て債権を持つ日本企業にとってマイナスであることの分かりやすい例であると思います。
ソフトバンクが保有する米ヤフー株式の帳簿価額(ドルベース)は一定です。
ですので、米ヤフー株式の株価が上昇すれば上昇するほど投資有価証券売却益(ドルベース、円ベース両方)の金額は大きくなります。
また、円安になればなるほど、投資有価証券売却益(円ベースのみ)の金額は大きくなります。
投資有価証券売却益の「764億円」という数字はどうやって出てきたのか、
一つ一つ順を追って説明できるか否か、プラス要因とマイナス要因を説明できるか否かで
会計と為替レートの両方を本当に正しく理解しているのかどうか分かります。
ビジネススクールの会計やコーポレートファイナンスの講義の宿題にもってこいの事例だなと思いました。
シティバンクと言えば、このようなニュースがありました↓。
S&Pシャーマ社長退任へ、後任にシティバンクのピーターソン氏
[22日 ロイター] 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のデブン・シャーマ社長が退き、
後任にシティバンクのダグラス・ピーターソン最高執行責任者(COO)が就任することになった。
親会社のマグロウヒルが22日発表した。
9月12日付で実施する。昨年末にS&Pの組織を分割した後、新社長を検討していたもので、シャーマ社長は社長退任後に
戦略見直し業務を担当した後、年末には退社する。
フィナンシャル・タイムズ紙が最初にシャーマ社長退任を報じ、このなかで米国の格下げや、
住宅ローン担保証券(MBS)格付けに関連した米司法省の調査に関連した退任はではないとしていた。
(ロイター 2011年
08月 23日 11:25
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-22817720110823
【コメント】
この人事にケチをつけるつもりは全くありませんが、敢えて一言言うなら、
ある企業の経営幹部が格付け会社の社長に就任するのは公平な格付けが担保されない恐れがあるため望ましくないと思います。
このたびの例で言えば、スタンダード・アンド・プアーズがシティバンクの格付けを高く評価する恐れが出てくるのではないか、
ということです。
そして、シティバンクのライバル企業の格付けを低く評価する恐れが出てくるとも考えられます。
格付け会社の社長にはできる限り格付けの対象となる企業とは関係がない企業出身の人物が望ましいと思います。